保育ニュース

選べてる?産みたい、働きたい【保育士ニュース】

2013年02月20日

12月17日(月)19時30分配信 |毎日新聞 - Y!ニュース

仕事、結婚、出産--。働き方や家族の形が変わる中、人生の重い選択に直面し、進むべき道を探してもがく女性たち。リアル30’s第3部は、女性それぞれの選択や戸惑い、挫折、幸せを紹介します。

 ◇子どもと仕事、どちらか一つの人生なんて

 関東地方の小さな街。イズミさん=仮名=(29)は県立の文化施設で嘱託職員として働いている。会社員の夫(38)と結婚5年目、そろそろ子どもが欲しいが踏み切れないでいる。

 06年に東京都内の私立大を卒業した。大学4年の2月まで就活を粘ったが全部だめだった。地元に戻って派遣会社に登録した。最初はメーカーの総務部門に派遣され、なめられたくなくてきっちり働いた。秘書検定2級も取った。だが3年目、業績悪化を理由にあっさり切られた。

 専業主婦になる選択肢はなかった。働くことが好きだし、元同僚の夫は高卒、手取り18万円の給料だけではやっていけない。ハローワークに通い、09年に今の職場に入った。子どものことを深く考えたことはなかった。

 講座のプログラム作りや来館者への応対が仕事。1日7時間・週4日働いて月給は税込み13万円ほど。1年契約の毎年更新、工夫次第で来館した人の満足度が上がるのがうれしく、できるなら続けたい。「4回更新したら終わり」と言われているが、心を込めて働いている。

 実は2年前に流産し、自宅で一人号泣した。「本当は子どもが欲しかったのかも」とその時気づいた。そのころから「何が何でも正社員に」と考えるようになった。正社員なら子どもを産んでも仕事を続けやすい。

 今年、2人の同僚が妊娠した。自分と同じ非正規職員の一人は「契約満了」で辞め、正規職員のもう一人は産休に入って来年復帰する。正直うらやましい。「育児・介護休業法」で非正規労働者も育休を取れることになっているが、嘱託職員にとっては「絵に描いた餅」だ。

 仕事は自分の一部。目標を決めて努力し、結果を出せば喜びと報酬を得られる。自分で使えるお金を稼ぐのは大切だと思う。「なのに妊娠したら辞めなきゃという雰囲気。非正規である限り、働きながらは産めない」

 辞めて産む決心もつかない。産んだあと、非正規の経験しかない自分を正社員で雇ってくれる会社はないだろう。デキ婚とかいいなと思う。私は頭で妊娠を考えすぎてしまっている。仕事のこと、お金のこと、子どもの教育のこと、原発事故のこと--子どもを産んで育てる単純なことが、とんでもなく難しくなった感じ。これでは少子化になるのも当然だ。

 「まずは子ども。もう30だし。本当はね、夫に『産んでくれ』と言ってほしい。すぐに従う! 産んで育てて働きたい。子どもを大学まで行かせたいし、老後の蓄えも残したいっ!」

◇ 午前4時、目覚ましが鳴った。洗濯機を回し、朝食の準備と夕食の下ごしらえを手早くこなす。洗濯物を干し、まだ寝ている長女(2)と夫(34)を起こさないようにそっと家を出る。東京都内の書店で働くアカリさん=仮名=(34)の1日が始まる。

 静まりかえった暗い店内で雑誌を棚に並べていく。本に触れる今の仕事が好きだ。シフトは朝7時半から夜5時半だが時間内では終わらないため、朝は1時間前に出勤する。

 夜7時、保育園に娘を迎えに行き帰宅。夕食を取り、洗濯物をたたみ、片付けと翌日の準備を済ませてから娘と風呂に入る。9時半には、娘と一緒に布団へ。自分の時間はもちろん、寝る前に絵本を読んだり一緒に歌う以外に娘と遊ぶ時間もない。

 子どもは欲しかったが、結婚願望はなかった。結婚したのは妊娠を機に夫が望んだからだ。夫の月給は自分と同じ20万円。妊娠前、店長昇進の話が持ち上がっていた。妊娠中も1日10時間労働、帰宅は深夜。仕事で手を抜いたつもりはないが、昇進の話はなぜか立ち消えになった。

 職場復帰後、ボーナスが出なかった。本社に理由を尋ねると「説明できない」と突っぱねられた。クレームをつけたからか、翌年のボーナスは出たものの出産前の4分の1に。自分は正社員だが上司の店長は契約社員、ボーナスもない。出産後も働けている自分は幸運だと自覚するものの、やはり悔しい。

 夫が家事を手伝わないのも不満だ。洗い物を頼めばキッチンは水浸し、料理をすればガス台は汚しっぱなし。注意したら「それならお前がやれよ」。自分でやった方が早いので言うのをあきらめた。戦力になってくれない夫の存在がうっとうしい。けんかのたびに、変な顔で両親を笑わせようとする娘がふびんだ。

 「家事や育児を引き受けると職場では戦力外扱いされる。権利を主張したら面倒くさい女だと思われた。子どもを産まなかったら昇進もできただろうな」

 娘のためにも2人目は欲しいが、今のままでは負担が増えるだけ。夫もあてにできない。

 7年間、精いっぱい仕事をした。生活のため、自分自身のため、昇進も昇給もしたい。でも「残業もできず、早退や休むこともある身で仕方ない」とあきらめる自分もいる。何より2度目の育休を言い出せない。クビにはならない正社員だからこそ、いろいろなことにおびえている。【鈴木敦子、中村かさね】=つづく

 ◇出産機に6割が退職

 育児休業は子が1歳になるまで男女の休業を認める制度。勤務先の就業規定になくても、正規・非正規を問わず労働者は休業を申し出ることができる。だが実際は退職勧奨や契約満了につながることがあり、申し出は「地雷」になりかねない。

 国立社会保障・人口問題研究所の調査(10年)によると、育休取得者は正規で43.1%、非正規で4%と依然低い。出産を機に6割超の女性が仕事を辞めている。厚生労働省が調べた退職理由の最多は「育児に専念」だが、正規では「就業時間が長い、勤務が不規則」、非正規では「子の預け先や家族の協力が得られない」などの声も多かった。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121217-00000001-maiall-soci

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