保育ニュース
虐待:相談者、近隣・知人がトップ 5年間で初、通告へ意識高まる
11月23日(金)14時45分配信 /奈良(毎日新聞) - Y!ニュース
県内2カ所の児童相談所が対応した虐待相談件数は昨年度、過去最高の972件。相談(通告)者は、子供と接する機会のあるさまざまな人や機関だ。最も多かったのは近隣・知人。一昨年度に比べて88件も増え、過去5年間で初めてトップになった。児童虐待に対する県民の意識の高まりが通告に結びついたとみられる。
次いで市町村、家族からが多かった。一方、虐待を発見しやすい立場にある医療機関からの通告は22件にとどまり、児童本人は20件だった。
また、972件のうち、主な虐待者は実母が660件で全体の67・9%を占めた。次いで実父が240件、実父以外の父親が47件、実母以外の母親が6件となった。虐待されていた子供の年齢別では、小学生が337件で最多となり、3~6歳が299件、0~3歳が165件、中学生が115件と続いた。高校生・その他も56件あった。【岡奈津希】
◇成長や発達に遅れ--ストレスで健康障害も
虐待は、子供の心身に影響を及ぼす。親や保護者によって引き起こされた子供のさまざまな健康障害は、「被虐待児症候群」と呼ばれている。
十分な愛情を感じられないなど、極度のストレスを感じる環境で育った結果、成長や発達の遅れが生じる「愛情遮断症候群」もその一つ。発育を促す成長ホルモンが正常に分泌されず、身長や体重が伸び悩んだり、知的な発育に遅れが生じることがある。
ストレスから解放されると急速に成長し、再びストレスを受けると成長が止まるため、発育の程度を示す成長曲線は、緩やかなカーブではなく、階段状になるのが特徴。乳幼児の虐待事件では、同症候群が疑われることがある。【岡奈津希】
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◇児童相談所への虐待通告の経路別件数(11年度)
近隣・知人 278件(28・6%)
市町村 222件(22・8%)
家族 148件(15・2%)
警察など 71件 (7・3%)
学校など 67件 (6・8%)
福祉事務所など 50件 (5・1%)
親類 33件 (3・3%)
医療機関 22件 (2・2%)
児童本人 20件 (2%)
児童福祉施設 13件 (1・3%)
児童委員 2件 (0・2%)
その他 46件 (4・7%)
計972件
11月23日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121123-00000216-mailo-l29