保育ニュース
就労時間や育児人数での優遇明記 民主税調、増税時の低所得者対策
2012.8.22 00:06|SankeiBiz
民主党税制調査会は21日の総会で、平成25年度税制改正の基本方針に加え、消費税増税に伴う低所得者対策の論点整理もまとめた。低所得者対策は今月成立した消費税増税を柱とする社会保障・税の一体改革関連法の積み残し課題の一つ。論点整理では、減税と現金支給を組み合わせる「給付付き税額控除」の具体策として、子供の人数や就労時間に応じて税額控除の金額を増やす優遇策の検討を明記した。
消費税増税は低所得者ほど負担感が重くなる「逆進性」が問題視されている。このため関連法は税率8%の時点で一定以下の年収の人に現金を配る「簡素な給付措置」を実施するとした。
ただ、それ以降の対策としては、政府・民主党の推す給付付き税額控除と、自民、公明両党の食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」の両論を併記。いずれを選択するかは今後の議論に委ねた。
論点整理では、給付付き税額控除について「低所得者に有利」と強調。子供の人数に応じて税額控除の金額を増やす「児童税額控除」や、就労時間が増えるほど税額控除を増額する「勤労税額控除」も検討課題に据えた。所得が少なく子育て負担が重い世帯や、フリーターなど「ワーキングプア(働く貧困層)」と呼ばれる低所得者の支援にも役立てるためだ。
一方で、税額控除導入の前提になる正確な所得の把握が難しいという問題点も挙げた。
これに対し、軽減税率は「国民的な分かりやすさがある」などと評価しながらも、高所得者ほど軽減額が大きくなるなどとして「議論の余地がある」とした。
積み残し課題は民主、自民、公明の3党で協議するという合意があるが、年内の衆院解散・総選挙が取り沙汰されており、協議が進まない可能性もある。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120822/mca1208220007000-n1.htm