保育ニュース
福島からの避難者、母親が自主運営で“学童保育”
2012年7月28日 読売新聞
福島県から小学生の子供を連れて山形県に避難している母親が、夏休みに安心して子供を預けられる場所をつくろうと、自分たちで運営する「お預かり教室」が山形市で始まった。父親を残して母子で避難する人が多い中、働く母親の子供を対象とした“学童保育”で、寺や学生ボランティアらの支援も得て、週末と盆休みを除いて8月20日まで続けられる。
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山形市で未就学児対象の一時預かり施設「ふくしま子ども未来ひろば」を開設する「山形避難者母の会」のメンバーが6月、仲間にメールで「夏休みに小学生の子供の居場所はあるか」と問いかけた。すると「一日中留守番させるのは心配」「ほかの子供と遊ばせられる場がほしい」などの回答が多数寄せられた。
母の会の沢田美和副代表によると、メンバーには小学生の子供を持つ母親が多く、父親と離れての二重生活は経済的な負担が重く、日中は働きに出る母親が増えている。ただ、同市の学童保育は月に1万円以上の月謝がかかるところが多く、放課後は留守番をしている子供が多いという。
夏休みの子供の居場所確保で沢田さんが頭を痛めていたところ、人づてに紹介を受けた同市木の実町の真宗大谷派山形教務所から、60畳以上もあるお堂を無料で借りられることになった。山形大生のボランティアや、英語教育を行う立命館大の講師らの協力も得られ、24日に夏季限定ながらお預かり教室のオープンにこぎ着けた。
福島県からの避難者で、親が仕事で日中不在となる小学生が対象。現在、21人が登録しており、プール遊びや製菓工場見学、ピクニックなど、夏休みらしい活動が予定されている。午前中は夏休みの宿題をする自習時間も設けている。費用は1日(午前8時半~午後5時)300円。
オープン翌日の25日には11人が教務所に集まり、山形大の教授らと一緒に、避難先での夏休みを自分たちの視点で記録するビデオ撮影などを行った。
沢田副代表は「避難先では祖父母や知り合いに頼りにくいため、学童保育へのニーズは高い。今回の教室の反応を見て、夏休み明けの土日に学習教室が実施できるかなど、今後の活動について検討したい」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20120727-OYT8T01386.html