保育ニュース
一体改革:保育サービス量拡大に4000億円充当
子育て支援への追加財源の配分
税と社会保障の一体改革で政府が消費増税分から年間7000億円を充てるとした子育て支援策に関し財源の大まかな配分が確定した。保育サービス量の拡大に4000億円を充て、このうち待機児童対策として保育所などの定員増に3000億円を振り向ける。これにより保育所などへの補助金(現行約1兆5000億円)は2割増となる。
保育サービス量の拡大に充てる残り1000億円は共働き世帯の子どもを預かる放課後児童クラブの増加、家庭で子育てをしている親を支援する拠点の整備などに使う。政府は4000億円の効果として、待機児童の8割を占める3歳未満の保育所利用者数が12年度の86万人から17年度には122万人に増えるとみている。
一体改革では消費税の使途について年金、医療、介護の「高齢者3経費」以外に現役世代の支援にも広げることを意図し、子育て支援に消費増税分から7000億円、それ以外から3000億円超の計1兆円超を確保するとした。これが実現すれば、児童手当を除く子育て政策予算は現行(約2兆円)の1.5倍となる。
1兆円超のうち6000億円超は保育サービス拡大以外の「質の改善」に使われる。消費増税分3000億円で職員1人当たりの児童数の基準を減らして態勢を強化したり、幼稚園が1、2歳児を預かる際の補助金を手厚くする。
消費増税以外で確保する3000億円超は主に保育職員の待遇改善に配分する。厚生労働省の調査(11年度)によると、保育士の平均月収(約22万円)は全産業平均(32万4000円)より10万円以上低い。
しかし、消費増税以外で賄う3000億円超については財源確保のメドがつかず、野田佳彦首相は「最大限努力する」と発言するにとどめている。社会保障費が毎年1兆円超ずつ増加する中、財源探しは難航しそうだ。【山崎友記子、鈴木直】
http://mainichi.jp/select/news/20120716k0000e010170000c.html
毎日新聞 2012年07月16日 15時56分(最終更新 07月16日 16時23分)