【保育士の給料】なぜ低い?公私別・年齢別・職種別・都道府県別で比較

保育士・幼稚園教諭として日々お仕事を頑張っていらっしゃる皆様、こんにちは!

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保育士、給料低すぎ!?

「待機児童問題を何とかして!」という世論に後押しされて、国政の場でも保育士の処遇改善が議論されるようになりました。

そのぐらい、保育士の年収・給料は低水準なのでしょうか?

「私たち保育士ってそこまで薄給なの?」とお嘆きの現役保育士さんや、「そんな低賃金で働かなければいけないの?」と不安になっている保育士予備軍の皆さんのために、保育士の平均年収・給料の本当のところを徹底リサーチしました!

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そもそも保育士の仕事とは?

まずは、保育士ってどんなお仕事なのか?といった基本情報からおさらいしましょう。

保育士が働く現場は、保育園・子ども園以外にも児童養護施設や企業内保育園などいくつかあります。そしてそのお仕事の内容は、「保育」と一括りにしてしまうには忍びないほど多岐にわたります。

    • 身の回りの世話
    • 基本的な生活習慣を身につけさせる
    • 年齢に見合った成長をサポートする
  • 集団生活で自律性や社会性を養う手助けをする


といったことが子どもに関わる業務内容です。この他
にも、保護者に子どもの様子を伝えたり、子育てのアドバイスをしたりすることも必要です。

さらに、イベントや行事の計画や準備も大事な役割です。時には残業や、仕事を持ち帰らなければいけないことも多いようです。けっこうハードで大変なお仕事ですね。

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保育士の平均年収~公私別~

では、保育士の平均年収はいくらぐらいなのでしょうか?

・私立保育園

平成28年賃金構造基本統計調査によると、保育士(女性)の平均月額給与は221,900円となっています。ボーナスは584,200円で年収に換算すると、3,247,000円です。

調査対象の平均年齢は36.3歳となっています。保育士は離職率が高く、長く勤務する人が少ないことを表しています。

ここで平均年収をご紹介した保育士は私立保育園や児童福祉施設に勤務する人が対象で、公立保育園に勤務する人は公務員となるので調査対象外です。

・公立保育園

公立保育園の保育士の平均年収はそれ以外の保育士の約2倍になるそうです。

公立保育園の保育士は「公務員」ですから昇給率が高く、産休・育休も私立保育園の保育士さんと比べるとしっかり取れるので離職率が低く、平均年齢は高めになっていることがこれだけの差につながっているようですね。

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保育士の年収平均~年齢別~

「私と同じぐらいの年齢の保育士って、どのくらいお給料をもらっているの?」といった素朴な疑問や、「年収がこれぐらいになるには何年ぐらいかかるんだろう?」という不安を感じている人もいらっしゃるでしょう。

そこで、年齢別の保育士の年収をご紹介します。


これは女性の保育士のみの統計調査となります。やはり昇給率はかなり低い水準と言わざるを得ません。調査対象数はやはり年齢が上がるごとに減少していき、離職率の高さを裏付けているようです。

・新卒や20代の年収は?

前項で述べたように、20~24歳の保育士さんの平均年収は2,679,300円。とても高給とは言えませんが、初任給は一般企業とさほど変わらない額です。

ただ、保育士さんはあまり昇給しないということと、結婚出産などで退職あるいは休職する方が多いので、年収統計の基礎となる平均年齢が低くなっているので、平均年収が低くなっていると思われます。

かなり重労働なのにこの年収ではやっていけない!と他職種に転職する人も多い上、そもそも保育士資格を取得しても保育士にならない「潜在保育士」も多いのです。

一例として、20代女性の保育士さんで考えてみましょう。各種手当を含んだ月給が16~19万円くらいで、ここから年金や税金保険などが引かれていくと、手取りは14~17万円となります。

割に合わないと感じる人がいるのも、もっともな話です。

地方から上京して、ひとり暮らしをしながら保育士を続けていたある保育士さんに、「東京なら、もっとお給料が高いと思って上京したのに全然変わらない。これでは地元で親元から通っていた方が楽だった…。」と嘆く方がいらっしゃるのも分かりますね。

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保育士の平均年収~他種と比べて~

では、他の職業の方と比べると、保育士の年収は高いのでしょうか?それとも低いのでしょうか?先程の平成28年賃金構造基本統計調査を基に比較してみましょう。

保育士さんと同じ、人のお世話をする仕事の一つである「福祉施設介護員」の場合、平均年収は3,113,900円で保育士さんとおおよそ同程度です。

一方で、保育士さんと同じく重労働とされる「看護師」は、4,795,000円とかなり高給になっています。

IT関連では、一般に認知度の高い「システムエンジニア」で4,824,400円と、保育士さんの平均年収の約1.5倍です。

接客・販売業の販売店店員(百貨店を除く)は、2,723,100円とかなり低くなっています。

他の職業の年収と比較した結果、保育士さんは国家資格で専門職ではありますが、それほど高収入ではないということが分かります。全職種平均より、月給で10万円ほど低いですね。

保育士の年収平均~都道府県別~

保育士の年収は、勤務する地域によっても多少変わってくるようです。そこで、都道府県別の保育士の平均年収を比べてみましょう。

ここでは男性・女性に分けず、全ての保育士の平均年収を調べてみました。

都道府県別の年収で見ると、愛知県が一番の高給となっています。逆に一番の薄給は鳥取県となっています。

物価・地価によっても差が出ますし、なにより都道府県の保育政策の違いが大きいのではないでしょうか?

処遇の違いが離職率にも影響を与えて、平均年収が変化する要因になることも考えられますね。

保育士の給料はなぜ安いのか

重労働だけれど、とても重要なお仕事で、夫婦共働きが当たり前となった現在の日本にはなくてはならない職業の保育士さん。

ニーズはたくさんあるのに、なぜ保育士さんの給料は安いのでしょうか?

・日本の歴史との関係性

もともと日本の社会では、「子育ては母親がするもの」という考えがあり、他人にお金を払ってまで、子どもを預けて女性が働くことを良しとしない風潮が、つい数十年前までありました。

そういった風土・文化が、現在でも保育士という仕事を軽視する一因になってしまっているのです。

・運営は社会福祉法人のみだった

さらに、保育園が最近まで社会福祉法人のみで運営されていたことも、少なからず影響しているかも知れません。

2000年以降は社会福祉法人だけでなく、株式会社などにも門戸が開かれましたが、この規制緩和も保育園「運営」を保育園「経営」に変えたことで、人件費削減に拍車をかけてしまったという面があるのかもしれません。

今後、保育士の給料は上がるのか

「保育園落ちた日本死ね!」というブログ記事に端を発した「待機児童」論争から、保育士の劣悪な労働環境と低所得の問題が、ようやく世間の注目を浴び、保育士の処遇を改善しようという動きが活発化してきました。

国が目標とした処遇改善は4年間で約7%、月額で21,000円程度のアップが進んでいるようですが、まだまだ十分な状態とはいえません。

・東京都の処遇改善手当

東京都のように、自治体独自でさらなる処遇改善手当の支給を打ち出したところもありますし、副主任保育士と専門リーダーという新しい役職を新設し、中堅保育士の給料をアップするという計画を発表されました。

ただ、この処遇改善手当も直接保育士さんに支給されるわけではなく、保育園に支給されてその配分は保育園が決めるというシステムなので、あまり処遇改善の恩恵に浴していないという保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

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諦めるのはまだ早い!年収・給料アップのために

給料が安いとは言っても、全ての保育園が薄給というわけではありません。保育士の需要の増加を受けて、給与額を改善して保育士を呼び込もうという努力が多くの園で行われています。

でも、どうやってそのような職場を探せばいいのかわからない…

そんなときは、保育士専門の求人サイトや転職エージェントに登録することをお勧めします。今では、プロのアドバイザーが保育園の状況を調べて、給与額や勤務形態など希望に沿った園を探してくれるところが多いのです。

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まとめ

保育士の平均年収についての記事、いかがでしたでしょうか?

かなり大変な仕事であるのも関わらず、低水準な平均年収と言わざるを得ません。じゃあ、他の職種に転職しようかな…もちろんそれも選択肢のひとつです。

低収入なのは覚悟の上、やっぱり子どもが好きだから、子どもに関わる・子どもの成長を見守る仕事がしたいから保育士という仕事を全うする!そういう人も多いと思います。

ならば、少しでも待遇の良い職場を探すか、年収をアップさせるべくキャリアップして楽しい保育士ライフを送りましょう!

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