ひらがな練習は4歳ごろから段階を踏んで練習を始めると効果的です。今回はひらがなを覚えるまでの子どもの発達段階や練習方法を詳しく説明します。ドリルで練習以外にも、文字遊びを取り入れると楽しく学ぶことができますよ。特にひらがなパズルやカルタは子ども自身で作ることもできるので、ぜひ参考にしてください。子どもたちの発達に合わせて、指導方法を変えたり、前向きな言葉がけをすることを意識して練習を行いましょう。
ひらがなの練習は何歳から?
4歳ごろから始める
4歳はひらがなの練習を始めることに向いている年齢と言えます。4歳児は手先が器用になるため図形や人の絵を描けたり、道具も使えるので複雑な工作も作成できます。また言語力がより発達し、言葉を表面的だけではなく多方面に考え理解するようになりますよ。忍耐力も備わる時期なので、同じ字を何度も繰り返し書くひらがなの練習を始めることに向いていますね。4歳は目安の年齢のため、子どもがひらがなや文字に興味を示すようになったときに始めましょう。
ひらがなを覚えるまでの発達過程
言葉を理解する
乳児は1歳前後で言葉を理解できるようになり、周囲の大人の声を聞き分けることから言語への理解が始まります。生後1・2ヶ月頃になると言語音の基礎となる「アー」「クー」など単音を伸ばした発声をします。そして生後4〜5ヶ月頃には言葉の音の高低や長さといった特徴を抑え、徐々に言葉を感情を伝えるツールとして活用するようになりますよ。1歳を過ぎると意味をなす単語を話すようになり、2歳以上になると言葉でより多くの情報を伝えることができます。このように段階を得て子どもは言語を習得します。この言葉の習得で身についた音に対する意識が、ひらがなを読むときに重要になってくるでしょう。
【2歳ごろ】図形の違いがわかる
2歳ごろになると丸や三角形、四角形などの図形の違いが認識できるようになりますよ。この図形を判断する力は空間認識能力と密接な関係があります。空間認識能力とは物体の形状や方向、状態、間隔などを瞬時に判断する力を指しますね。ひらがなを書くためには、ひらがなの形や大きさを正確に把握して、紙の上に写す工程があります。空間認識能力が未熟な場合、文字のバランスが取れないことや文字の大きさがまばらになる原因に繋がります。このように空間認識能力ひらがな練習に役に立ちますが、それ以外にもスポーツやゲームでも役に立ちますよ。空間認識能力を促す際は、積み木やブロック、図形、折り紙が出ていくる絵本を活用しましょう。お勧めの絵本やブロックを抜粋するので、ぜひ参考にしてください。
【4歳ごろ】音韻認識が発達する
音韻認識とは言葉がいくつの音で構成されているか、一つ一つの音に分解し頭の中で表像する能力を指します。例えば「おりがみ」という単語は「お」、「り」、「が」、「み」の4音で構成されこれを認識できるようになりますよ。この音韻認識は4歳ごろにできるようになり、正確に発音することやひらがなを読むために必要です。音韻認識が未発達な場合、言葉を読むことができずひらがなを読むことも書くことも困難です。この音韻認識はグリコ遊びや音韻に特化したすごろくを利用すると、発達を促すことができるのでぜひ利用してくださいね。
ひらがな練習の方法
ひらがなの読み方を覚える
まずは単語を音節に分けて、音と言葉を照らし合わせましょう。日本語はひらがな1音に1文字が対応するので、聞いた言葉を文字に当てはめる練習をすると良いですよ。特に「あ」と「め」のような似ているひらがなは音と照らし合わせながら、覚えることが重要になります。日常生活では看板を見てあれは何て呼ぶかな?とクイズにするなど、遊び心を入れて取り組みましょう。他にも体を使って文字を作る遊びは、子どもたちに人気ですよ。
鉛筆の正しい持ち方を学ぶ
ひらがなを書く練習を行う前に、鉛筆を正しく持てているか確認しましょう。鉛筆は親指、人差し指、中指の3本で支えて持ちます。鉛筆は人差し指に沿わせるように持ち、親指は人差し指より少し後ろ、中指を人差し指より前に出します。鉛筆の角度は横からみて約60度、前からみて外側に20度度になるよう傾けますね。鉛筆を強く握りすぎたり、傾け過ぎると文字のバランスが安定しないので気をつけましょう。鉛筆を持つことが難しい子どもには、持ちやすい加工がされている鉛筆や、持ち方を補助してくれるグリップなどの道具を用いて練習をすると良いですね。
なぞり書きをする
さっそくなぞり書きを行い、ひらがな練習を本格的に行いましょう。なぞり書きとはあらかじめ印刷された文字を上からなぞって書くことです。なぞり書きを繰り返し行うことで、文字の形やバランスを抑えて書くことができますよ。「み」や「ぬ」など複雑なひらがなの練習をする際は特になぞり書きから行うことをお勧めします。書くことができた達成感を味わうことができ、反復練習を行うことで集中力を高めることにも繋がりますね。最初はマス目入りや書き順が記してある用紙を使用し、徐々にマス目がなく点つなぎでひらがなを書く用紙に変えましょう。
自分の名前や好きな言葉から練習する
ひらがなを練習する上で大切なことは、練習しようと思うきっかけを作ることです。「あいうえお」順に練習する必要がありません。まずは好きなキャラクターの名前や食べ物の名前、自分の名前を練習してみましょう。関心や興味を持つことできる単語を見つけながら、練習をすると良いですね。また小学生になるとノートや上履きなど様々な私物に名前を明記する機会が多いです。そのため今から自分の名前を書く練習を行うのは大切ですよ。
ひらがな練習の指導のコツ
絵本の読み聞かせを定期的に行う
音と目で言語に触れる絵本の読み聞かせは、言語力の向上に繋がります。この言語力の向上はコミュニケーションを円滑に行うため以外にも、ひらがな練習に役立ちます。日常生活で触れることが少ない単語にも触れるため、知識の幅を広げるきっかけにもなりますね。文字を読めるようになった子どもは、一人で絵本を読む時間をとるのも良いでしょう。最初は子どもが興味がある分野の絵本を選ぶことがポイントですよ。少しずつ文字量が多い絵本や様々な分野の絵本に挑戦してみましょう。読みやすく人気な絵本を抜粋したのでぜひ参考にしてください。
ドリルを用いる
ひらがなの練習を行う際はドリルを利用してみましょう。ひらがな練習を行うことで最も大切なことは、文字に興味を持ってもらうことです。ドリルを選ぶコツは、子どもの好きなキャラクターや絵の多さ、クイズの有無などを事前に確認しましょう。ドリルは難易度が分かれているので、表紙に書いてある年齢やレベルを参考にしてください。まずはなぞり書きができるドリルを選び、書き順や読みを定着させます。鉛筆に慣れていない場合は、曲線や折線の練習ができるドリルから始めると良いですね。練習に慣れてきたら写し書きが中心のドリルを選びましょう。
指の運動を取り入れる
鉛筆を使うことに慣れていない場合は、指先を使う遊びを取り入れることがポイントですよ。指先の発達を促す工作アイデアをピックアップしたのでぜひ参考にしてください。
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主な材料
ペットボトルとキャップ×好きな数・プラスチックダンボール・グルーガンとグルー・画用紙・ラミネーター・マスキングテープ・はさみ・水色の色鉛筆
作り方
①プラスチックダンボールを正方形に切る×2
②ペットボトルの飲み口を装着する場所に、マスキングテープを貼り位置を決める。
③ペットボトルの飲み口部分を残して切る(断面が平になるように)
④装着位置を決めるために、ペットボトルの飲み口を使い丸を描く。
⑤4で描いた丸に合わせて、グルーガンを使いプラスチックダンボールに貼り付ける。
⑥もう一枚のプラスチックダンボールを5に重ねて貼り合わせる。
⑦ダンボールの縁を保護し、2で貼ったマスキングテープを剥がす。
⑧画用紙をドーナツ型に、ペットボトルキャップに合わせて丸型に切る。
⑨ドーナツ型の画用紙を飲み口に、丸型の画用紙をキャップに貼る。
飲み口に同じ色のキャップをはめて楽しむことができる。
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主な材料
プールスティック(何色か作ると◎)・リボン・タピオカ用のストロー・パン用の包丁・お菓子の筒状の入れ物
作り方
①プールスティックに筒状の入れ物を被せて、入れ物に合わせて切る。
②プールスティックを切る幅を変えて何種類か切る(2cm,3cm、4cm)
③プールスティックにリボンを通して結ぶ。
④太いストローをリボンの先端に貼る(ストローにすることでスティックが通しやすくなる)
棒挿しやひも通し、積み木、トングでつまむ遊びなどがこのおもちゃでできます。
3歳児は表現方法が自由なため、様々なおもちゃに活用できそうですね!
前向きな言葉がけを行う
ひらがな練習は忍耐力を必要とするため、モチベーションを保つことが難しい作業です。練習に飽きてしまった時は文字遊びを取り入れたり、保育士さんが子どもと一緒に練習したりしましょう。声をかけるときはポジティブな言葉を使うようにすると良いですね。間違っている文字を注意するだけではなく、書けるようになった文字を見つけて誉めます。またひらがなを添削する際は、赤ペンではなく様々な色ペンを使用したり、バツではなく綺麗に書けた文字に花丸をつけるなど工夫をしましょう。
文字遊びのアイディア
ひらがなパズル
文字遊びを遊びに取り入れてみましょう。文字遊びを通して、ひらがなを楽しく遊びながら覚えることができます。今回は人気な文字遊びのアイディアを紹介するのでぜひ参考にしてください。
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主な材料
色画用紙・色ペン・はさみ・コンパス
作り方
①色画用紙にコンパスで円をかく。サイズはなるべく大きくし、枚数は50枚以上用意する。
②円の中にマジックで文字を書く。
③1枚につき1文字ずつ50音を書いていく。
④濁点や半濁点の文字も用意する。
⑤画用紙を重ねて円をまとめて切る。
遊び方
①画用紙を部屋に散りばめる。
②子どもたちをいくつかのグループに分ける。
③チームで協力して、言葉になる文字を見つけて作る。
④できるだけ多くの言葉を見つけて、1番多く見つけられたチームが勝ち
ゲームを通して言葉を覚えていきましょう。
カルタ
カルタは市販でも購入することができますが、作成することもできますよ。自分で作ったカルタには愛着が湧くので、楽しく文字を覚えることができますね。
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主な材料
画用紙・はさみ・定規・マジック・色ペン・クレヨン
作り方
①画用紙を縦が4枚、横が8枚に分割できるよう鉛筆で下書きを書く。画用紙の大きさによって分割する枚数を変える。
②下書きに沿ってはさみで切り抜く。
③読み札と取り札の区別をつけれるように、縁をクレヨンまたは色ペンで色を分けて塗る。
④ふちに書いた色と同じ色を使って右上に丸をかく。
⑤取り札1枚1枚に46音を書く。
⑥読み札に簡単な文章または単語を書く。保育士さんは子どもと一緒に文を考えてみましょう。
手紙や年賀状を書く
手紙や年賀状を通して実践的なひらがなの練習を行いましょう。相手のことを考えながら文章を書くので、より丁寧に文字を書くことができますね。まず手紙を書く前に何を書きたいか子どもたちと相談しましょう。次に一度鉛筆で下書きをしてその上からペンでなぞります。ひらがなに慣れている子どもは下書きなしで書き進めましょう。その子らしい手紙になるように、折り紙や色ペン、シールなどを活用してデザインするのも可愛いですね。オリジナル性溢れた手紙をぜひ作成してみてください。
まとめ
ひらがなが読めるようになったら書く練習を始めましょう。
ひらがなの書く練習をする前に、まずはひらがな文字と音を一致できるように読みを覚えましょう。同時に正しい持ち方で鉛筆を持てるように練習をします。その後にお手本の字をなぞるなぞり書きからはじめ、お手本を真似て書く文字を写し書きへとレベルを上げます。また子どもが好きな絵本の読み聞かせや、好きなキャラクターの名前から練習するなど、文字に関心を持ってもらえるような工夫が大切ですね。今回紹介した言葉遊びのアイデアもぜひ参考にして練習してみてくださいね。
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