年長さん向け!劇にしやすい絵本を紹介!【発表会・おすすめ・お遊戯会・題材】

幼稚園や保育園の中で開催される一大イベントといえば、生活発表会・お遊戯会ではないでしょうか?子供たちが一生懸命練習した劇を披露したり、ダンスや合奏を披露したりするこのイベント。特に年長さんは、最後の生活発表会・お遊戯会ですから、思い出に残る素敵な発表をしたいですよね。どんな劇をしたいのか、どんな発表をするのかを一年を通して考えておきましょう。クラスの子供たちの特性や関係性について知っておくと、題材選びに役立てることができます。さて今回は、年長さんの発表におすすめの劇の題材を紹介していきますよ。

年長さんの劇のねらいは?

役になりきって演じることをたのしむこと

年長さんの劇のねらいは、まず役になりきって演じることを楽しむことが挙げられます。幼児は、主観と客観の区別が未分化で、現実の世界と空想の世界を行ったり来たりすることがあります。子供たちは、おままごとやごっこ遊びをよくしますよね。これは、幼児の発達過程をよく表す遊び方。年長さんの年齢になると、そんな【なりきり遊び】から、それぞれが明確な役割を持った【劇遊び】に変化します。年長さんと劇を作る最も大きなねらいとして、なりきる楽しさではなく演じる楽しさを感じられるようになることを意識してみましょう。

友達と話し合って劇を作る楽しさを味わうこと

2つ目にねらいとして挙げられるのは、友達と話し合って劇を作り上げること。劇遊びによって、クラス全体の団結力が深まるだけでなく、子供たちの社会性が身につくと報告されています。幼児期において、互いの考えを表現しながら作り上げるという劇遊びの経験を積むことが、社会性や共同性を育みます。劇を作る準備として、絵本の登場人物の気持ちや、行動について話し合うと、優しさや真心などを学ぶことができますよ。絵本を題材にして、どのような劇にするかを子供たちと作ってみましょう。

セリフを言ったり踊ることを劇遊びとして楽しむこと

劇の中でダンスや歌を披露したり、セリフを読んだりすることがありますよね。年長さんの劇のねらいとして、セリフを言ったり、踊ることを楽しむことが挙げられます。セリフを読むことによって、語彙が増え、文字に親しみを抱くきっかけになるでしょう。それだけでなく、ダンスや歌を歌うことは、幼児期の発達に良いとされています。歌を通して、多様な文化に触れたり、ダンスを通してリズム感を培うことによって、表現力を培うことができますよね。劇の中に、歌やダンスを取り入れて、多様な表現方法を体験してみましょう。

保育士くらぶ

劇にしやすい絵本とは?

セリフや場面を繰り返す絵本

劇にしやすい絵本とは、どのようなものが挙げられるでしょうか?まず1つ目は、セリフや場面を繰り返す絵本。セリフや場面を繰り返す絵本は、子供たちが内容を理解しやすく、表現しやすいものであることが多いです。セリフが繰り返されると、お話の中にテンポが生まれて、劇にしやすくなるでしょう。それだけでなく、特に場面を繰り返す絵本は、場面が一つなので、小道具の用意も少なめ。そのため、保護者の方の負担が軽いことも、劇にしやすい理由の一つです。

ピンチを解決する絵本

2つ目に提案するのは、ピンチを解決するストーリーの絵本。このようなストーリーの絵本では、団結力や問題解決力などを学ぶことができます。それを劇に表現することで、子供たちがより深く学ぶことができるでしょう。また、このような絵本は、子供たちが演じたい印象的な場面が明確です。ただ、こういうストーリーでは、英雄と悪役がはっきり描かれていることが多いですよね。もし子供たちが悪役は演じたくないと考えているならば、ストーリーを少しアレンジしてみると良いでしょう。

旅や冒険をして問題解決をする絵本

最後に、旅や冒険をして問題解決をする絵本を提案します。日本や西洋の昔話だと、冒険をして何かを倒したり、問題を解決するストーリーが多いですよね。【ももたろう】や【オズの魔法使い】といった有名なものも、この形のストーリー展開が多いです。これらのストーリーは、場面が複数あり、物語の展開が明確です。内容も複雑なものが多いため、年少・年中さんよりも年長さん向きの題材といえるでしょう。

年長さんにおすすめの劇にしやすい絵本を紹介!

【日本のお話】てぶくろ

具体的に、劇にしやすい絵本とはどのようなものがあるでしょうか?まず1つ目に紹介するのは、【てぶくろ】という絵本。このお話は、一つの場面が繰り返されるシンプルなお話です。ひとつの手袋に動物たちがどんどん入っていく様子が、とてもかわいらしくて印象的な絵本ですよね。動物たちの名前が【ぴょんぴょんがえる】や【のっそりぐま】など、どんなキャラクターなのか表現しやすく、劇にしやすいといえます。子供たちとの話し合いでは、「【ぴょんぴょんがえる】のぴょんぴょんってなんだろう?」、「【はやあしうさぎ】ってどんなうさぎかな?」という風に声をかけてみましょう。これによって、子供たちがより一層キャラクターの特徴を考えたり、ストーリーに親しみを持つことができますよ。

【日本のお話】じごくのそうべえ

次に紹介するのは、【じごくのそうべえ】という絵本です。これは、上方落語の【地獄八景亡者戯】を題材にした絵本。ある日突然地獄に落ちてしまったそうべえが、山伏のふっかい、歯医者のしかい、医者のちくあんと一緒に地獄の中を大暴れするお話です。冒険が主なテーマになっていて、劇にしやすい絵本といえるでしょう。それだけでなく、関西弁で書かれたセリフの面白さや、愉快な擬音語が相まって、子供たちとたのしく劇にすることができますよ。オペレッタ用のCDもあるので、そちらを参考にしてみると、より面白い劇になるのではないでしょうか。

【日本のお話】ももたろう

冒険する物語といえば、【ももたろう】を考える方が多いのではないでしょうか?ももたろうは、鬼を倒しに仲間を連れて鬼ヶ島に行くというストーリーで、起承転結がはっきりとしています。そのため、劇としてストーリーを構成しやすい絵本です。また、有名なお話なので、子供たちがそれぞれのキャラクターに親しみを持つことができるでしょう。場面展開が多いため、演出を工夫すると、より楽しい劇になりますよ。例えば、楽器の演奏や影絵を使った演出。年長さんの劇なので、年長さんならではの演出ができるとなお良いですね。

【日本のお話】かさじぞう

4つ目に紹介するのは、【かさじぞう】。こちらも、とても有名な日本昔話ですよね。貧しい暮らしのおじいさんが、雪の日も道に立っている6人のお地蔵さんに笠をかけてあげると、その夜おじぞうさんたちがやってきてご馳走を届けてくれるというお話です。シンプルですが、その分アレンジもしやすいでしょう。笠は、厚紙を使って簡単に作ることができるので、子供たちと絵を描いたりして作ってみると楽しいですよ。劇を作る時に、優しい心やまごころについて子供たちと考えてみると、お話に対して理解が深まり、劇にしやすくなります。話し合いをしながら、「こんなときおじいさんだったらどうするかな?」、「自分だったらどうする?」と声をかけると、優しさについて考えて学ぶことができますよ。

【海外のお話】大きなかぶ

続いて、海外のお話を紹介していきます。まず1つ目に紹介するのは、【おおきなかぶ】。繰り返されるセリフや、どんどん増える登場人物が印象的なお話です。場面が一つで、繰り返されるセリフが多い点や、ストーリーにちなんだ歌や音楽があるため、劇にしやすい絵本といえますね。このお話の最も大切な部分は、【一人では達成できないことも、みんなで力を合わせればできる】という部分。劇にするときは、子供たちと協力や力を合わせることについて話し合えると良いでしょう。

【海外のお話】ブレーメンの音楽隊

2つ目に紹介するのは、【ブレーメンの音楽隊】。ドイツの昔話で、世界中で愛されている童話です。働けなくなったロバが、人間に捨てられてしまい、ブレーメンに行って音楽隊に入ろうとします。その道中でイヌ・ネコ・ニワトリにであって、一緒にブレーメンに行くことにします。この絵本では、ロバ・イヌ・ネコ・ニワトリが出てきますが、劇にするときに動物を増やしても楽しいでしょう。増やした動物の中で、冒険に参加しない動物を登場させてみたりすると、ストーリーに厚みがでるのでお勧めです。

【海外のお話】三匹のこぶた

続いて、【三匹のこぶた】を紹介します。これはアニメーションになっていたり、歌があったり、とても有名なお話ですよね。オオカミとの掛け合いが非常にコミカルで、子供たちにもとても人気の絵本です。ブタ役やオオカミ役の人数をクラスの人数によって調整すると良いでしょう。それぞれのセリフと出演時間が同じくらいになるように調整しながら、台本を作ります。お母さんブタや、ナレーターさんなどは、セリフや出番が少なくなってしまいがちなので、歌や踊りのときに出番を作ると良いですよ。

【海外のお話】三匹のやぎのがらがらどん

4つ目に【三匹のやぎのがらがらどん】を紹介します。やぎを食べようとするトロルと、小さなやぎ・中くらいのやぎ・大きなやぎの3匹が登場します。登場人物がすくないので、クラスの人数に合わせて、役の人数を増やす必要があります。一つの場面展開なので、劇として披露しやすく、シンプルなストーリーなのでアレンジもしやすいです。橋を渡るところで、平均台を使ってみたり、子供たちの特技を披露してトロルに見逃してもらう展開にすると、面白いですよ。

年長さんの劇のポイントは?

練習時間を配慮する

年長さんの劇のポイントは、まず練習時間を配慮すること。子供たちが、集中して練習できる時間を、あらかじめ考えておきましょう。保育の中で、遊びの時間を使って練習してしまうと、遊ぶ時間が減って子供たちは嫌ですよね。劇の練習をなるべく、保育の時間の中でできるように時間を調整しましょう。練習方法としては、ペアやグループになって、セリフを言い合う時間を作ったりすると良いです。通しで練習する時間が取れない日でも、この方法で劇の練習を進めることができますよ。

子供たち全員が主役ということを忘れずに!

次に注意するポイントとして、子供たち全員が主役という点を挙げます。どんな役をする子でも、ストーリーの最も感動する場面や、最も盛り上がる場面では、子供たち全員が舞台に上がっていることが望ましいです。そのために、うまくお話をアレンジして、子供たち全員が見せ場を持てるようにしましょう。紹介した絵本では悪い役が出てくるお話も多いです。しかし、倒して終わりにするのではなく、アレンジして良い子になるお話にしてみたり、工夫を凝らしましょう。

子供たちの話し合いなどを通して劇を作り上げる

年長さんの劇として、最も重要なポイントは、子供たちと作り上げること。絵本を読んでどんなふうに感じたのか、子供たちと話し合ったり、絵本のテーマについて考える時間を設けたりしましょう。これによって、物語に対する子供たちの理解が深まります。それを踏まえて、どんなふうに演じたら良いか、どんなセリフがあったらもっと登場人物を表現できるかを話し合ってみましょう。年長さんの劇では、子供たち、劇を作るという点について考えながら、劇の練習を進めることが最も重要なポイントです。

まとめ

子供たちの思い出になるような楽しい劇を作りましょう!

今回は、年長さんの劇にしやすい絵本について紹介しました。子供たちにとっては、幼稚園・保育園で過ごす最後の年で、最後の劇になります。子供たちが、劇を通して良い思い出を作れるように、たくさんサポートしましょう。また、主役は子供たちですが、子供たちの劇は、保護者の方たちにとって、子供たちの成長を感じる機会となります。劇を見る方、演じる子供たちの双方が楽しい思い出になるように劇を作りましょう。

よくある質問

保育士くらぶにはどんな記事がありますか?

保育士くらぶには現役の保育士・幼稚園教諭や保育士を目指す学生さんにとって手遊びや保育内容など今日から役立つ保育のネタをご紹介しています。こちらのトップページより色々な記事をお楽しみください。

保育士くらぶの最新の記事はどこから見られますか?

最新の記事はこちらの保育士くらぶトップページよりご覧ください。月間12本~15本の記事をアップしています。保育で使える季節の遊びや歌、連絡帳の書き方などもご紹介しています。

保育士くらぶのオリジナル動画はどこから見られますか?

保育士くらぶのオリジナル動画はこちらの保育士くらぶyoutubeチャンネルでまとめて見ることが出来ます。保育士くらぶyoutubeチャンネルでは保育で使える歌や遊び、制作以外にも転職のコツや求人の探し方も解説しています。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/