保育の質を上げるためには?具体的な取り組み事例を紹介!【向上・話し合い・目標】

皆さんは保育の質について考えたことはありますか?保育といってもやり方や方法はそれぞれで、保育を実際に行う保育士さんや保護者の方、園によっても様々ですよね。ここでは、保育の質とはどういうことなのか、保育の質を向上させるメリットや具体的な取り組み事例を紹介していきます。保育の質を高めるためには何をしたら良いのか、悩んでいる保育士さんはぜひ参考にしてみてください。

保育の質が高いとは

保育の質が高いと子供が豊かに過ごせる

そもそも、保育の質が高いとはどういう状態を意味するのでしょうか。一言でいうと、保育の質が高いとは、子供が豊かに過ごせる環境であるということです。保育とは子供を保護し、心と体が適切に発達するように育てることを意味します。従って、保育の質が高いと子供の心と体の発達に良い影響を与えることができる、ということがわかりますね。それでは具体的にどのような良い影響があるのか、次で説明していきます。

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保育の質を向上させるメリット

子供が元気に育つ

保育の質が高いと、子供が元気に育つことができます。具体的には、栄養バランスが良い食事が与えられたり、質の良い睡眠が取れたり、十分に体を動かす機会があったりすることなどが挙げられます。このような環境が整っていれば子供は健康に過ごすことができますよね。また、他の園児とのコミュニケーションの場が沢山あったり、自分を自由に表現する環境が整っていることで、心の健康にも良い影響を与えることができます。このように、質の高い保育を提供することで子供はすくすくと元気に育っていくことができますよ。

良い保育士が集まりやすくなる

保育の質を向上させることで、良い保育士さんが集まりやすくなるというメリットもあります。保育士さんなら誰でも、質の低い保育を提供している保育園より質の高い保育を提供している保育園で働きたいと考えますよね。保育士さんからの評判や口コミによって、それぞれの保育園での保育のやり方は意外と知られていることもあります。質の高い保育を提供している、ということがわかれば、そこで働きたい保育士さんを増やすことにつながりますよ。良い保育士さんが集まればより良い保育を提供することができるので、好循環になりますね。

保護者からの評判が高まる

質の高い保育を行うことは、保護者からの評判にも良い影響をもたらします。保護者の方は、自分の大切な子供を預けているため、預け先の保育園がどのような保育を行っているのか、非常に気にしています。そこで十分な管理が行き届いていなかったり、ずさんなやり方で子供に接していたりすることがわかると、どうなるでしょうか。そこに自分の子供を預けることに不安を持つ人も出て来るかもしれません。反対に、しっかりと質の高い保育が行われているとわかることで、知り合いの保護者の方にその保育園をおすすめしてもらえることもありますよ。

保育の質を高めるために大切なこと

話し合いを行う

保育の質を高めるためには、話し合いを行うことが重要です。保育の質を高めるための最初のステップといってもいいかもしれませんね。1人だと気が付かないことでも、他の人の気づきで保育の質に関する重要な意見があるかもしれないからです。みんなで話し合って意見を出し合うことで、良い保育とはどういうことなのかを考え直すことにもつながります。普段の不満や不安を解消する良い機会にもなるので、話し合いはおすすめです。

情報共有を行う

情報共有を行うことも、保育の質を高める上では重要です。情報の伝達漏れがあると、思わぬミスにつながったり、スムーズに園の運営ができなかったりすることもありますよね。特に子供に関する情報共有ができていないと、子供の安全を守れない事態になり得ます。そんな状態では保育の質を高めることはできません。情報共有は基本中の基本であることを意識して、常日頃から報連相を忘れないようにしましょう。

計画を立てる

保育の質を高めるためには、計画を立てることも必要です。保育の質の意味を理解してみんなで意見を出し合ったら、何をいつまでに行うのか計画を立てると良いでしょう。その際、何を達成するための計画なのかがわかるように、一緒に目標も決めると良いですね。目標と計画が明確に決まっていることで、効率的かつ効果的に保育の質を高めることができますよ。具体的な取り組み事例を次で紹介するので、それを参考に計画を立ててみるのもおすすめです。

保育の質を高める取り組み【子供が過ごす環境を整える】

園内を整備する

保育の質を高めたいと思ったら、まずは園内の整備から始めましょう。おもちゃや道具が散乱していたり、物をしまう場所が決まっていなかったりすると、子供が気持ちよく遊ぶことができません。とは言っても、保育園ではおもちゃを譲り受けたり、新しい遊具を導入したりと、子供の遊び道具がどんどん増えていってしまうこともありますよね。定期的に古いものは捨て、適度に物を減らす習慣をつけるようにしましょう。また、椅子や机などの備品や遊具の劣化具合もしっかりと確認することも大切ですよ。子供の安全を守ることにもつながります。

子供の興味関心が高まるものを置く

子供の興味関心が高まるものを置くことで、保育の質を高めることもできます。保育園を見渡してみて、おもちゃや絵本などはどれくらい充実していますか?少し少ないと感じた場合は、絵本やおもちゃの種類を増やすことを心がけましょう。また、壁や窓の装飾などに気を配ることも大事です。子供の時に様々な興味関心を持てる機会があることで、自分の好きな物や嫌いな物を認識することにもつながり、心が豊かに育ちますよ。

静かに過ごせる場所を作る

静かに過ごせる場所を作ることも、保育の質を高めるために大切です。保育園では、多くの園児と一緒に過ごすので、子供が1人になれる場所はなかなかないですよね。しかし、絵本をゆっくり読みたい子や、先生と静かにお話したい子など、みんなで一緒にわいわいと遊びたい子ばかりではありません。常ににぎやかな場所にいることで疲れてしまう子もいます。部屋を分けたり、仕切りを使ってスペースを作ったりすることで、静かに過ごせる環境を作りましょう。そうすることで子供が落ち着いて過ごせるようになりますよ。

それぞれの子供の年齢を考える

それぞれの子供の年齢を考えることも、保育の質を高めることにつながります。保育園には様々な年齢の子供がいますよね。まだ言葉をしゃべることができない赤ちゃんから、もうすぐ小学生になる子まで様々です。それぞれの年齢に合わせた環境を作り、接し方を変えることで保育の質を高めることができます。年齢が上がるにつれて遊びの内容を変えたり、自立性を重んじて接したりするのが良いでしょう。

保育の質を高める取り組み【保育士が働く環境を整える】

適切な人数を雇う

保育の質を高めるためには、適切な人数の保育士さんを雇うようにしましょう。最近は、保育士職は人手不足と言われているため、人数が足りないと困っている保育園もあるでしょう。保育士さんの数が足りないと、1人1人の子供に十分に目が行き届かなかったり、業務に遅れが出てしまったりします。気持ちにも余裕が無くなってしまうため、働く環境としても良くないですよね。国が定めた配置人数に、1人~2人追加することができるのが理想です。適当な人数の保育士さんを雇うことで、保育士さんがしっかりと子供に向き合うことができますよ。

賃金を上げる

保育士さんの賃金を上げることも、保育の質の向上につながります。なぜなら、賃金が上がることで保育士さんのモチベーションが高まるからです。もし保育士さんが賃金と業務内容に見合わないと仕事をしていては、工夫や努力をしようと思えないですよね。この状態では保育の質を高めるためにできる取り組みもできなくなってしまいます。賃金を上げることで、保育士さんが子供のためにもっと何かをしようと考えるきっかけにもなりますよ。

残業を減らす

保育の質を高めようと思ったら、残業を減らすことも意識してみてください。保育士さんは業務内容が重いことも多く、子供と接する以外の時間でも沢山のやることがありますよね。特に忙しい時など、どうしても残業をしなければならない時もあるかもしれません。しかし、残業が増えることで仕事に対するやる気も下がり、疲れやストレスから子供に対する接し方にも悪影響が出てしまうことがあります。残業を減らすことで、子供との時間に集中することができますよ。

人間関係を改善する

園の中での人間関係の改善も、保育の質の向上には効果的です。保育士さん同士の関係がギスギスしていたら、その雰囲気は子供にも伝わってしまいます。子供は意外と先生たちのことを見ているので、ちょっとした振る舞いや表情からも関係が悪いことは気づかれてしまいますよ。そんな状況は子供にも余計なストレスを与えてしまいますよね。良い雰囲気の中で気持ちよく働くためにも、人間関係は良好に保つようにしましょう。

復帰制度を整える

復帰制度を整えることも、保育の質を高めるためには必要です。保育士さんの人手不足の背景として、産休や育休でお休みを取った保育士さんが職場に復帰しにくい状況があります。拘束時間が長く、業務内容も重いものが多いため、子供がいながら保育士として働くことを諦めてしまう人が多いのが現状です。しかし、福利厚生を充実させたり、時短制度を取り入れた柔軟な働き方を認めたりすることで復帰しやすい環境を整えることができます。そうすることで、適当な人数の保育士さんを雇えるようにもなりますよ。

研修制度を充実させる

研修制度を充実させることも、保育の質の向上に役立ちます。研修の時から保育の質の向上を意識した内容を取り入れることで、研修を受けた保育士さんがそれを実践できるようになります。初めて保育園で働く保育士さんや、ブランクがある保育士さんの中には、いきなり子供と触れ合うことに戸惑いを感じる人もいるかもしれません。研修制度とその内容を充実させることで、そのような保育士さんたちの不安を軽減し、より良い保育を提供することができるようになりますよ。

まとめ

取り組み事例を参考に保育の質を高めよう

ここまで、保育の質とは何か、保育の質を高めるメリットやそのための取り組み事例を紹介してきました。保育の質を高めるためには、子供の環境を整えることと、保育士さんの働く環境を整えることの両方が必要です。いきなり全部取り組むのは大変なので、まずはできる取り組みから行っていきましょう。保育士さんが気持ちよく働けて、質の高い保育が提供できるようになることで子供も健やかに育つ。そんな環境作りができると良いですね。

よくある質問

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