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ワークライフバランスの実現とは、仕事に就きながらも健康で充実した私生活を営むこと。従業員の生産性向上の観点から、ワークライフバランスは企業にも注目され始めています。一方で保育士は仕事内容が幅広く、時間外労働を強いられることも多くあります。そんな保育士の方がワークライフバランスを実現することは難しいですよね。今回の記事では保育士のワークライフバランスの実情から、転職を含めたワークライフバランスをとるための方法まで詳しくまとめました。ワークライフバランスを整えるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
ワークライフバランスの良い状態とは
仕事により経済的に自立できる
ワークライフバランスをとるための1つ目の条件として、仕事により経済的に自立できることが挙げられます。そのため介護や家事、育児などの私生活での役割があっても、仕事を続けられる職場環境が必要不可欠。高度経済成長期からしばらくの間までの日本は、夫が仕事を担当し、妻が家事や育児などの家庭内労働を担うことがほとんどでした。しかし近年は男女共同参画の考え方が広まり、夫婦共働きの家庭が増加していますよね。そういった日本の状況の変化を踏まえても、全ての人が経済的に自立できるようになることが求められます。
健康で豊かな生活のための時間を確保できる
ワークライフバランスをとるための2つの目条件に、健康で豊かな生活のための時間を確保できることが挙げられます。理想的なワークライフバランスは人によって異なり、その人の家庭環境や価値観などによって左右されます。一方で仕事に力を入れすぎるあまりに、自分の時間を確保できずに体調を崩すようなことがあっては本末転倒ですよね。ワークライフバランスの良い状態は人によって異なりますが、最低限自分の体調を整えるための睡眠や食事、そして心の休息をとることが必要です。
多様な働き方を選択できる
ワークライフバランスをとるための3つ目の条件として、多様な働き方が選択できることが挙げられます。近年短時間勤務やフレックス、自宅勤務等が多くの職場で取り入れられていますよね。コロナウイルスの流行以降は、リモートワークやフレックス制を取り入れる企業が著しく増加しています。理想は、誰しもが多様な働き方の中から自分の働き方を自由に選択できるようになること。保育園においても、アルバイトやパートなどの働き方が取り入れられていますよね。短時間勤務などの働き方が選択できるようになれば、仕事によって経済的に自立できる人が増えます。そして仕事に参加できる人が増えれば、一人当たりの業務負担が減り好循環が生まれますよね。
保育士がワークライフバランスをとりづらい理由
時間外労働が多いから
子供が帰った後も、事務作業や片付けなどの時間外労働に追われることが多い保育士。その上時間外労働に対する給料が適切に支払われず、サービス残業として扱われていることが多くあります。また時間外労働は保育園の中にとどまらず、持ち帰り仕事になることも。保護者から支払われる保育料と、国や地方自治体からの運営費補助金の二つにより賄われている保育士の給料。現段階においては、残業代を支払うための金銭的余裕がない保育園が多いのが実情です。
精神的・肉体的に負担が大きい仕事だから
保育園で発生する仕事のほとんどをこなし、日々多種多様な業務に追われている保育士。このため保育士は、精神的にも肉体的にも負担の大きい仕事です。天真爛漫な子供たちと一緒に時間を過ごすことや、保護者や職員との人間関係を構築すること。こういった仕事は特にエネルギーを使いますよね。時間外労働のために十分な休息をとることができないことも加わり、疲労が蓄積されてしまいがちです。
転職を視野に入れるべき状況
心や体の健康に支障をきたした時
仕事が原因で心や体の健康に支障をきたしたときには、転職を視野に入れましょう。ちょっとした体調不良でも、悪化すると病気に発展する可能性があります。病気になったときには、長期間仕事を休むことが必要になってしまいますね。そういった事態を避けるためには、早めに自己の体調の変化に気付いて対処することが必要になります。特に精神疲労や肉体疲労が溜まっている時には、体の声に耳を傾けるようにしましょう。
家族構成や居住地が変わるとき
家族構成や居住地の変化は、人生においての大きな転機。転職を選択肢の一つとして取り入れるのがいいでしょう。特に子供が生まれたり、現在の居住地から遠く離れた場所に移住したりしたときには、今まで通り仕事を続けることが難しくなります。生活スタイルの変化に応じて、より働きやすい職場環境を探しておくのがおすすめですよ。また家族構成や居住地が変わる時には、ただでさえ忙しくなりますよね。転職を考える場合には、早めに準備を始めましょう。
同業種に転職
ワークライフバランスがとりやすい保育士求人の特徴
ワークライフバランスが取りやすい保育園の特徴には、以下のようなものが挙げられます。下記で紹介している転職する際のチェック項目と合わせて確認してくださいね。
①残業やサービス残業が少ないこと
こちらはワークライフバランスを考えるうえで、最も重要な条件です。一方で、保育園では時間外労働がサービス残業や持ち帰り仕事になっていることも多く、求人情報に記載されていないことも多くあります。口コミなどから、残業の実態を調べておきましょう。
②離職率が低いこと
離職率が低さは、働きやすさを測る指標として用いることができます。離職率が低いということは、そこで働く保育士の多くが現状に満足しているということ。一方で、人手不足などの事情から離職を諦めさせる圧力が働いている場合もあります。雇われている保育士の数が十分であるかや、口コミが悪くないかもあわせてチェックしましょう。
保育園以外の職場も
保育士資格を生かすことのできる施設は、保育園の他にも多くあります。具体的には下記のような施設がありますよ。
退職理由に使える例文集【保育業界編】
円満に退職できる退職理由
園内に波風を立てず円満に退職するためには、やむを得ない事情による転職であることを強調する必要があります。以下2つ例文を用意しました。
①子育てに専念したいと考えている場合
②体調を崩している場合
面接に使える転職理由
面接に使える転職理由
転職先を魅力的に思っている理由や、転職先で自らがどのように活躍できるかを表現するのがいいでしょう。転職理由の2つ例文を用意しましたので、こちらを参考にしてください。
①保育園へ転職する場合
②幼稚園に転職する場合
ワークライフバランスが取りやすい職種
事務職
基本的に残業が短く、労働時間を固定しやすい事務職。事務職とは、書類の作成やお客様対応、電話対応など会社の幅広い事務作業を行う職種です。一口に事務職といっても、一般事務や経理事務、医療事務など種類は様々。事務職が未経験の場合には、専門的な能力や高度なスキルの必要性が少ない一般事務に転職するのがいいでしょう。一般事務で経験を積んだ後は、経理事務や医療事務などのより給料が高い事務職を目指すのがおすすめですよ。
労務・人事職
どちらも社員に関する業務を行う職種のため、まとめて扱われることが多い労務・人事職。この職種は年に数回の繁忙期があるものの、基本的には残業が少なく休みのとりやすい職種です。労務職は、年末調整の時期(12月)や社会保険料算定の時期(6月末~7月上旬)が繁忙期。また人事職は新卒採用の時期(会社による)や新入社員の入社時期(4月)に忙しくなることが多いようです。繁忙期の時期が明確であり、またその他の時期は決まった勤務時間帯で働くことができるという点で、労務・人事職ワークライフバランスのとりやすい職種であるといえます。
秘書・受付職
平均残業時間ランキングにおいて、残業が少ない職種の1位に選ばれた秘書・受付職(パーソナルキャリアが1月16日に発表)。同ランキングによると、秘書・受付職の月平均残業時間は10時間程度だそうです。このため、労働時間の長さを基準にすると、最もワークライフバランスが取りやすい職種といえます。また秘書職は担当する上司によって労働時間帯が変わるため、事前に勤務時間帯をチェックしておくことが必要です。
転職する際にはここをチェック
労働基準法は守られているか
労働基準法は、全ての労働者に適応される最低限の労働基準を定めたもの。初めにこの労働基準法が守られているかをチェックしましょう。求人情報サイトの募集要項や、口コミを参考にするのがおすすめです。
- 労働時間が守られているか
基本的には1日8時間、1週間40時間が労働時間の限度とされています。 - 休憩時間が守られているか
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を取る必要があります。 - 割増賃金が払われているか
時間外や深夜の時間帯(原則午後10時から午前5時まで)の労働には、25%以上の割増賃金が支払われなければなりません。また、法定休日に労働させた場合には、35%以上の割増賃金が支払われなければなりません。
福利厚生が充実しているか
職場の福利厚生が充実しているかは、ワークライフバランスのとりやすさに大きく関わります。こちらも求人情報サイトなどで、事前にチェックしておきましょう。福利厚生には以下のようなものがありますよ。ワークライフバランスを整えるにあたっては、特に勤務時間や休暇に関する福利厚生に注目ですね。
- 食事補助
- 住宅手当・家賃手当
- 健康診断や人間ドックの受診費用負担
- 育児、介護休暇の取得や休暇の上乗せ
- 短時間勤務制度
転職する前にしておきたい準備
転職サイトに登録して効率的に情報収集
転職サイトがおすすめな理由
今すぐに転職することを考えていない場合も、転職サイトを利用すれば自分のペースで企業探しをすることができます。そのため転職の第一歩として、転職サイトへの登録をしておくのがおすすめですよ。誰しも、自分の理想の労働環境について考えたことがあるのではないでしょうか。転職サイトを使えば、自分の求める労働条件がそろった企業を簡単に見つけることができます。。当サイトを運営している株式会社アスカは、保育士スカウトと保育士求人ガイドの二つの転職支援サービスを提供しています。どちらも保育業界に特化したサービスですので、保育業界での転職を考えている方は利用してみてください。それぞれの特徴を下記にまとめていますので、参考にしてくださいね。
保育士求人ガイドの特徴
保育士求人ガイドは、求人を出している保育園のそれぞれに、アスカの担当者がつくのが特徴です。担当者は園に直接出向いて情報収集をしているため、園にの状況や仕事内容について詳しく教えてもらうことができますよ。
・求人案件数20000件超え
・オンライン相談も充実(電話・ビデオ通話・チャット)
保育士スカウトの特徴
保育士スカウトに登録をすると、保育園側からスカウトが届きます。予想外のスカウトが届くこともあり、職場の新規開拓をしたいと考えている方にオススメですよ。
・登録は60秒で完了
資格を取得して履歴書を充実させる
保育士から未経験の職種に転職する場合、資格は強い武器になります。例えばワークライフバランスのとりやすい職種として挙げた事務職においても、資格を転職に役立てることができますよ。事務職に転職する際に有利になる具体的な資格としては、ITパスポートや簿記資格などが挙げられます。その他の職種においても、関連する資格が多く用意されています。転職への熱意をアピールするために資格を取得するのもいいでしょう。
まとめ
転職も候補にいれて、ワークライフバランスを整えよう
保育士は子供を相手にする、気力と体力が必要な仕事。ワークライフバランスをとるためには、十分な休息が必要になります。現在働いている保育園において時間外労働が長かったり、精神的な負担が大きすぎたりすると感じた場合は、転職を視野に入れましょう。転職を考える際には、今回紹介したワークライフバランスをとりやすい保育園の特徴や、転職する際のチェックポイントをぜひ参考にしてくださいね。転職を含めたワークライフバランスを整えるための取り組みで、健康で充実した生活を目指しましょう。
よくある質問
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