保育園で行う点呼【朝の会・必要性・ねらい・避難訓練・置き去り・園外保育・保育者の配慮】

保育園での生活の中で欠かせない点呼。点呼を怠ると、子供達を置き去りにしてしまったり、危険な場面に気がつかず手遅れになったりすることも。子供達が安心して楽しく園生活を送るためには、点呼をこまめにとることが重要なのです。現時点で、点呼をすることに苦手意識をもっていたり、おろそかになっていると感じている保育士さんもいるかもしれませんね。この記事を読んで、今後意識して点呼を行うようにしていきましょう。以下では保育園で点呼を行う時や点呼を行う意味、コツなどをまとめました。参考にしてみてくださいね。

保育園で点呼を行う時

登園バスの乗車時・降車時

幼稚園バスのイラスト

最初に、保育園で点呼を行う時はどんな時なのか確認していきましょう。まず、1つ目は登園バスに乗った時、そして、降りる時です。子供達の背丈は低いですよね。そのため、少し身をかがめたり、下に潜ってしまっている場合、降車していないことに気づかず登園バスに取り残されてしまう子供がでてくる可能性があります。現に、登園バス内に取り残された子供が死亡するという⼤変痛ましい事案も起こっていますよね。こうした事案が起きないようにするためにも、子供達が登園バスに乗車した際に出席を取り、来ている子供達の数を把握。降車時は、来ている子供達が全員バスから降りて現地にいるか、しっかりと確認することが大切です。

朝の会での出欠確認

子供たちを見守る保育士のイラスト

2つ目は朝の会での出欠確認時です。朝の会に点呼を行うことで、その日園に来ている子供と来ていない子供をしっかりと把握することが出来ます。この出欠をあいまいにすると、欠席している子供の保護者の方との連絡もあいまいになります。こうした状況が続くと、保護者の方々との連携がとりづらい環境になっていくでしょう。最悪の場合、子供がなにかに巻き込まれている場合でも気づかず、その状況を放置してしまうということにもなりかねないため注意が必要です。また、朝の会に点呼を行うことで、子供達の体調や心境の変化にも気づきやすくなります。元気に大きな声で返事をする練習にもなりますよ。みんなで気持ちの良い朝を迎えましょう。

お散歩の出発前・到着後

幼稚園の散歩のイラスト(カート)

3つ目は、お散歩の出発前や現地に到着した後です。お散歩は園外にでるため、危険と隣り合わせ。仕切られていないため、興味を示したところに行ってみたくなったり、入ったら危険なところに入りたくなったりと子供達が自由に行動しやすくなります。行動範囲が広くなる分、点呼はしっかりと徹底する必要があるでしょう。怠ると、子供を置き去りにしてしまったり、危ない状況から助けてあげられなくなる危険性も。何かあってからでは遅いです。楽しいお散歩の時間にするためにも、出発前や到着後、お散歩の途中にもこまめに点呼を取り入れるようにしましょう。

その他園外保育の時

4つ目は、お散歩以外にあるその他の園外保育の時です。お散歩以外にも、保育園のイベントで、園外にでるということもあるのではないでしょうか。遠足や自然遊びで外を散策しに行く。田んぼの苗植えやお芋ほりなどで近くの田畑に出向くなど、園によってもさまざまあると思います。そういった時も出発前と到着後は必ず点呼を行いましょう。帰るときも同じです。お外で遊ぶのが楽しくなり、帰る時間になっても集合場所にいない子供がいるかもしれませんよね。ある程度自由に遊ばせてあげるのも大切ですが、こまめに点呼を行い子供達が安全に楽しめるよう保育士さんが見守ってあげることも重要です。

避難訓練の際の点呼

5つ目は、避難訓練の時です。どの保育園でも避難訓練はあると思います。避難訓練では、実際の災害発生時に冷静な判断を行い、子供達が安全に避難できるよう訓練しますよね。その際は必ず点呼も必要になってきます。子供達の中には、理解できず自由な行動をとってしまう子もいるかもしれません。そのため、事前に絵本などでシュミレーションをしておくと良いでしょう。日常的に行っている点呼ですが、災害時や避難訓練を行う際は、逃げ遅れている子供がいる可能性があり特に重要な意味合いをもってきます。日常的にペアを作っておき、「ペアの子はいますか?」と質問をして確認するのも良いでしょう。

保育士くらぶ

保育園で点呼を行う時【番外編】

製作物の確認

次に保育園で点呼を行う時の番外編として、点呼を行うと良い場面を紹介します。まず1つ目は、子供達全員へ製作に必要なものを配る際や、実際に製作物が完成して回収する際などです。製作の時間は点呼を行うことが多くなるでしょう。点呼を行うことで、もし製作に必要なものが足りない場合でも気づいてあげやすいですよね。また、製作の時間を有意義に使えているか、製作に向き合っているか回収時に確認することもできます。製作後、子供達と一対一のコミュニケーションがとれると、子供達の製作に対するモチベーションも高まるかもしれませんね。このように製作をする時に点呼を行うことで、子供達一人一人が製作を楽しめるような環境を作り出すことが出来るでしょう。

給食配膳やお昼寝時間の点呼

2つ目は給食やお弁当の時間前、お昼寝の時間前です。給食の場合は特に全員にいきわたっているかも要チェックです。お弁当の場合でも全員が揃っていて食べられる状況か、点呼を行い確認してから食べるようにしましょう。また、お昼寝の時間においても全員が揃っているか確認する必要があります。どうしてもお昼寝がしたくなくて逃げ出してしまう子。他の部屋に行ってしまう子などいるかもしれません。しっかりと休息をとり、みんなで午後からも楽しく遊べられるよう、確認の意味でも点呼をとるようにしましょう。

保育園で点呼を行う意味

子供達の安全を確認する

次に、保育園で点呼を行う意味を押さえておきましょう。1つ目は子供達の安全を確認するためです。保育園で気を付けることと言えばやはり子供達の安全管理ですよね。大人が考えるよりも、子供達は広範囲で動き回ります。いつの間にか違う場所に行きみえなくなってしまうということもしばしば。そんな場合でもこまめに点呼を行うことで、子供達の安全を確認し守ることができるのです。点呼をしっかりと行い、子供達にとって楽しい園生活になると良いですよね。そうすることで、保護者の方々も安心して子供を預けることができるでしょう。

子供達の体調や様子を確認する

2つ目は子供達の体調や様子を確認するためです。特に朝の会の出欠確認の際は、子供達の表情や声などにしっかり目を向けるようにしましょう。そうすることで子供達の小さな体調変化に気付くことができるかもしれません。少し体調が悪そうに感じたら声をかけてみたり、休ませるなど対応策を考えましょう。点呼を行うことで、子供達と1対1のコミュニケーションをとることができますよ。子供達には大きな声で返事を行うよう指導し、気持ちの良い朝から園生活をスタートさせましょう。

保育園で点呼を怠ると

子供達を置き去りにしてしまう危険性がある

では、保育園で点呼を怠るとどうなるのでしょうか。まず考えられるのは、子供達を置き去りにしてしまう危険性があるということです。子供達は思いもよらない行動をとることがあります。好奇心が強くなる時期ですので、興味を示すとあっという間にどこかへ行ってしまうことも。そのため、点呼を定期的に行わなければ、いなくなっている子供に気付かずその場へ置き去りにしてしまう危険性があるのです。特に園外での活動や登園バスでの乗車時・降車時には要注意。実際に登園バスでの置き去りによって園児が死亡する事案もでていますので、意識して点呼を行うことが必要でしょう。

子供達の体調の変化に気づけないことがある

他に考えられることは、子供達の体調の変化に気づけないことがあるということです。保育士さん一人に対して何人もの子供をみるケースがほとんどですよね。そのような場面では、子供達ひとりひとりに目を配っているつもりでも、ささいな変化に気付くことができないこともあるでしょう。そんな時でも、点呼を行うことで1対1のコミュニケーションをとることができ、目と目を合わせて子供達ひとりひとりと向き合うことが出来ます。子供達の小さな体調の変化や心情の変化など変化に気づいてあげやすくなるでしょう。

園外保育時の点呼を行うコツ

子供同士をペアにして点呼をとることを習慣化する

今まで、点呼を行うことの重要性をまとめてきましたが、点呼に対して苦手意識をもっている保育士さんもいるかもしれません。たくさんいる子供を一つの場所に集めて、じっとさせることって難しいですよね。そこでこの章では点呼を行うコツについてまとめてみました。1つ目のコツは、子供同士をペアにして点呼をとることを習慣化するということです。ペアを日常的にすることで、子供達にも点呼の意識がつくようになります。「ペアの子はいますか?」と質問することで、子供達にも責任感が生まれ、点呼に対して前向きに参加してくれるようになるかもしれません。また、保育士さんが人数を数えやすくなるメリットもあるでしょう。

保育士さんで点呼の責任を持つ子供を割り振る

2つ目のコツとしては、保育士さんの中で点呼の責任をもつ子供を割り振るのも一つの手でしょう。何十人もの子供達の出欠を保育士さん一人で行うのはとても大変です。また、保育士さんも人間ですから、子供達の人数が多ければ多いほど見落としが出てくることもあるでしょう。一人の保育士さんにすべての責任がかかってしまうのは大きな負担となります。一方で、保育士さんの中で点呼の責任を持つ子供を振り割っておくことで、点呼に対しての確実性が増します。より密なコミュニケーションをとることにも繋がり、子供達の変化にも気づいてあげられやすくなるでしょう。

お散歩用リングに名前を書き場所を固定する

3つ目のコツとしては、園外保育の際に、お散歩用リングに名前を書いて、歩く場所を固定してしまうということです。お散歩用リングを使うことで列が乱れにくく、子供達も他の所にふらっと行かずまっすぐ歩いてくれるようになります。歩く場所を固定化することでルーティン化でき、子供達も園外で歩くことに慣れることもできますよ。また、子供達の出欠確認もとりやすく、いなくなった子供がすぐわかるため対応もしやすくなります。比較的低年齢の子供達の園外保育の際に導入することをおすすめします。

まとめ

点呼を徹底して子供達の安全を守ろう

いかがでしたでしょうか。保育園の生活のなかで非常に重要な意味を持つ点呼。子供の安全を確認したり、体調の変化に気づいたりなどさまざまな意味を持っています。この点呼を怠ると、子供達を置き去りにしてしまったり、体調の変化に気づいてあげられず、最悪の状況になる可能性も。そのため、点呼は徹底してこまめに行うようにしましょう。今回紹介した点呼のコツを参考に点呼を行い、子供達が安心して園生活が送れるよう保育士さんがしっかりと見守っていきましょうね。

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