日々過ごしていると、人間関係に不安を感じたり、仕事に行き詰まってしまったりすることがありますよね。そんな時にこそ、試してみてもらいたいのがリフレーミングです。忙しい時こそ、辛い、苦しいなどとネガティブになったりマイナスの気持ちになりやすいですよね。リフレーミングの手法を使って、自分自身が置かれている状況を捉え直し、少しでもポジティブに仕事ができると良いですね。
リフレーミングとは
物事の捉え方を変化させること
リフレーミングとは、対象の物事を見るフレームつまり枠組みを変えて、物事の捉え方や感じ方を変化させること。リフレーミングを行うことで、不安や不満に感じていたことが喜びとしてプラスに変えられることがリフレーミングの利点です。さらにリフレーミングはコミュニケーション心理学の概念の1つとされています。日常に上手くリフレーミングを取り入れることは、明るい気持ちで過ごすための手助けになりますよ。
ポジティブシンキングとは異なる
前述のように、リフレーミングを行うことで不安や不満に感じていたことが喜びや満足に変えることができます。しかし、これはポジティブシンキングとは若干意味が異なります。
ポジティブシンキングとは:物事を前向きに、楽観的な考え方をすること(goo辞書より)
リフレーミングとは:ある事柄を、今までとは別の視点で見直し、消極的・否定的な視点を積極的な視点へ切り替えること(goo辞書より)
このように、リフレーミングは、ただ単純に前向きに物事を捉えるポジティブシンキングとは異なるのです。
リフレーミングの種類
状況のリフレーミング
状況のリフレーミングとは、起こった出来事や事象、人を違う枠組みで捉え直し、プラスに転換すること。起きてしまった出来事が自身にとって不都合であっても、異なる状況ではどうか考えてみましょう。そうすると、他の状況下では役に立つと気づくことができるようになります。例えば、慎重で1人では仕事が進まない同僚がいたとしましょう。その同僚は、チームで行うような仕事では、抜群の協調性を発揮しチーム力向上では頼りになる存在になるかもしれません。このように、「現状とは違う状況であったら・・・」と捉え直すことでプラスに考えることができるようになりますよ。
内容のリフレーミング
内容のリフレーミングとは、物事の意義をさまざまな視点から捉え、内面を見つめ直すことで物事に対して価値を見出すこと。性格や経験、出来事などに関して「このような経験を得られる機会があってよかった」というようにここから内容のリフレーミングは、意味のリフレーミングと言われることも。例えば、上司や先輩に自分の頑張りが認めてもらえなかったとき、「自分のことを見てくれていないのになんだ」とついその時の感情に身を委ねがちです。しかし、「認めてもらうにはまだ努力が足りていないのではないか」と見つめ直すことで、欠点が見つかることも。そうすると、やるべきことが見えてきて、結果的に自分自身の成長に繋がりますよ。
リフレーミングの方法
言葉によるリフレーミング
言葉のリフレーミングとは、その言葉の意味をプラスに捉えること。長所と短所が表裏一体であるのと同様に、言葉の裏の意味を捉えることで、マイナスの意味で使われることが多い言葉でもプラスに捉えることができます。
例えば、「おせっかい」と言われると「出しゃばりすぎてしまった」などと落ち込むことがあるでしょう。しかし、裏の意味を考えると、親切である、気が利くとプラスに捉え直すことができるのです。
「As if」によるリフレーミング
「As if」で考えるとは、物事を「もし、〇〇だったら〜」「例えば、〇〇だったら〜」と仮定して捉えること。As if によるリフレーミングは、行き詰まってしまった時や、起きてしまった物事への対処法がわからなくなってしまった時などに効果的です。「上司の〇〇さんだったらこうするだろう」や「もし〇〇が可能になったら」と考えてみましょう。すると、新たなアイディアのヒントになりますよ。
時間軸によるリフレーミング
時間軸によるリフレーミングとは、過去と現在、未来と3つの視点で物事を考える方法。
例として、以下のことが挙げられます。
・「10年後の未来のために何が今必要か」という未来の視点からのリフレーミング。
・「過去に〇〇のような問題が起きたから、今はどのような予防策が必要か」という過去の視点からのリフレーミング。
・「現段階で問題が発覚したから、大きなミスに繋がらずに済んだ」という今起きていることを肯定するようなリフレーミング。
時間軸によるリフレーミングを行うことで、具体的に今何をするべきかが明確に見えてくるでしょう。
解体によるリフレーミング
解体によるリフレーミングとは、現状を5W1Hの視点で解体し頭の中を整理する方法。例として、以下のことが挙げられます。「仕事が多いな」と考えてしまう時、いつまでに終わらせなければいけないのか、どれくらいの時間を要するのか、どうして仕事が立て込んでしまったのか、などと1つ1つ解体して考えてみましょう。このように解体して捉え直してみると、漠然としていた忙しいなと感じていたことが明確になり、物事にも優先順位を立てることができるようになります。
「Want」でリフレーミング
人は悩んでいる時や壁にぶつかった時、「どうしよう」とマイナスの方向に考えがちです。しかし、悩んだ時こそ、「Want=自分は何をしたいのか」を考えてみましょう。例えば、「保護者会が憂鬱だ」と考えているとしましょう。この時のWantは「子供たちの成長の著しさを伝えたい」や「家以外の場所での子供たちの過ごし方を伝えたい」などが考えられますよね。あとは、このWantを達成するためにどんな構成にすれば保護者会がうまくいくかを考えれば良いですよね!このようにWantで考えてみることで、自分がやりたいことが明確になり、その目標に向けての改善策や解消策を導くための手助けになりますよ。
リフレーミングの効果
モチベーションがアップする
リフレーミングによって期待できる効果として、モチベーションの向上が挙げられます。リフレーミングは、自分がやるべきことを明確にするための助けになります。そうすることで、日々の忙しさや疲れによってあいまいになってしまっていた本来のやりたかったことや目標を再認識することができますよね。自分自身の目標や将来像を意識することで仕事へのモチベーションを上げることができますよ!
自信がつく
リフレーミングによって期待できる2つ目の効果として、自信がつくということが挙げられます。リフレーミングを行うことで、マイナスだと思っていたことが実はプラスの意味があったと気づくことができるでしょう。そうすることで、負の面ばかりに気を取られてネガティブになっていても、「違う場面では自分の〇〇なところを活かせるかもしれない」とポジティブに捉え直すことができますよ。プラスのことが見えると、自分に自信を持って仕事に臨むことができるようになりますよね。
苦手意識が薄れる
リフレーミングによって期待できる3つ目の効果として、苦手意識が薄れるということが挙げられます。苦手意識を持っている相手に対して、人は短所にばかり目がいきがちになります。しかし、リフレーミングを行うことで、どのようなところに苦手意識を持っていたのかが明確になるでしょう。苦手意識の原因が明確になれば、短所だと思っていたことが実は自分にはない長所であったと気づくことができますよね。
人間関係が良くなる
リフレーミングによって期待できる4つ目の効果として、人間関係が良くなるということが挙げられます。先ほど述べたように、リフレーミングを行うと苦手意識が薄れます。日頃からリフレーミングを心がけていると、他人への苦手意識が薄れると同時に、他人に対して苦手意識を持つことが少なくなるでしょう。相手の短所ではなく、相手の長所に目を向け、長所を生かすためにはどのようなことを行えばいいのかなどを考えてみてください。すると、今までよりも良い人間関係を築くことができるようになりますよ。
リフレーミングのポイントとは?
相手を尊重する
他人へのリフレーミングを行う上で重要なことは、相手を尊重すること。リフレーミングはただポジティブになれば良いというわけではありません。相手の立場に立ち、理解することと共感することが何よりも重要なこと。そしてこれがリフレーミングの基盤です。理解、共感できていなければリフレーミングを行っても、的外れなことになる可能性もあります。そのため、相手が現在置かれている状況を尊重し理解、共感した上で、リフレーミングを行いましょう。
リフレーミング辞典を活用する
リフレーミング辞典を利用してみましょう。インターネットで、リフレーミング辞典、リフレーミング一覧と検索をかけてみると、さまざまなサイトが出てきます。例を挙げてみると、うるさいというのは元気がいい、場を和ませるのがうまいなどと言い換えることができますよね。上司や先輩からの言葉で落ち込んでしまったときに利用してみてください。逆に、相手を元気づけたいときにプラス転換して伝えてみるのも良いかもしれません。
リフレーミングの活用方法は?
子育てにおいて
ここからは、リフレーミングを具体的にどのような場面で活用できるのかをみていきましょう。まず、子育てにおいてもリフレーミングは活用することができます。子供は大人に対して、大人には不可解な行動を取ったりすることがありますよね。そのような時に頭ごなしに子供を怒るのではなく、なぜそのような行動を取ったのか、と違うフレームから捉え直すことができるでしょう。このように子育てにリフレーミングを取り入れることで、自己肯定感のある子供を育てることができますよ。
人材育成
次に、リフレーミングが生かせる場面として、人材育成が挙げられます。人材を育てる時、説明しているのに出来ないことにいらいらしてしまうこともありますよね。ここで、リフレーミングを行なってみましょう。自分自身も最初の頃はこう思われていただろう、自分の説明の仕方を変えてみてはどうだろうか、と単なるいらいらという感情ではなく、次の行動の指針が立つようになります。また、相手の良いところを見つけ、その良いところを伸ばすような育成メソッドを組むことができるようになりますよ。
働きやすい環境づくり
リフレーミングは働きやすい環境をつくるための助けとなります。上で述べたように、リフレーミングを行うと良い人間関係を築くことができます。さらに、同僚の短所ではなく長所に注目して、同僚の良いところを生かせるようなグルーピングを行なったり、企画を発足するなどということが行えるでしょう。そして、日常的にリフレーミングを行うことで、ミスが生じたときでも冷静に対処・対応できるようになりますよね。このように、リフレーミングの活用方法次第で、働きやすい環境づくりをすることができますよ。
まとめ
リフレーミングを上手く活用して、気を楽にして過ごしましょう!
ここまでリフレーミングの方法や効果、ポイントなどについてまとめてきました。自分自身が置かれた状況や実際に起きた出来事に合わせて、どの方法が合っているのかを考えながらリフレーミングをしてみてください。リフレーミングが上手く活用できるようになると、自分の感情をコントロールしながら、冷静に物事を捉えられるようになるでしょう。忙しい日々を過ごしているからこそ、フレームを変えて物事を捉え直しプラス転換できると気を楽に持てるようになりますよ。保育の現場でもぜひリフレーミングを活用してみてください。子供たちと接する時だけでなく、保護者や上司と接する時にもよりポジティブに接することができるようになりますよ。
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