図鑑を保育園に取り入れる際の選び方を解説!【おすすめ・年齢別・種類・作り方】

たくさんの文字が並べられた図鑑。保育園に通う乳児さんや幼児さんが読むのは難しそうですよね。しかし実際のところ、図鑑は保育の力強い味方。大切なのは、年齢や目的に合わせて適切な図鑑を選ぶことです。今回の記事では、種類や対象年齢など色々な視点から図鑑を解説しています。また保育に図鑑を取り入れる際のねらいやポイントについても紹介していますので、保育園に図鑑を導入する際はぜひ参考にしてくださいね。

図鑑を使った保育のねらい

興味の幅を広げる

図鑑は子供たちの興味の幅を広げる目的で、保育に取り入れることができます。乳児さんや幼児さんは、まだ知らないことばかり。図鑑を開くことで初めて目にするものもたくさんあるはずです。加えて実際に見ることが不可能な恐竜や、肌で感じることが難しい宇宙といった分野も、図鑑では画像やイラストを添えて見やすくまとめられていますよね。図鑑を読んで多種多様な分野に触れてもらうことで、子供たちの興味の幅を広げることができます。

文字や言葉を覚える

図鑑は子供の発達段階に適したものを選べば、文字や言葉の意味の学習に用いることもできます。文字を読み始めたばかりの子供にはひらがなを中心とした図鑑、ひらがなをマスターした子供には漢字にふりがながふられた図鑑が良いでしょう。また文字を読むことが難しい子供たちにも、目で見て文字に慣れてもらうことはできますよね。子供たちが読めない字は、ぜひ保育士の方が教えてあげてください。加えて図鑑は言葉とイメージがセットで並べられているのが特徴です。これによって子供たちは言葉を感覚的に理解することができます。保育園で使う言葉の意味の学習の道具としても、図鑑は優秀です。

学ぶ楽しさを知る

図鑑を保育に取り入れることで、子供たちに学ぶ楽しさを知ってもらうことができます。図鑑を使って新しい物事に触れたり、日々生まれる小さな疑問に対する答えを見つけたりすることは、立派な学習ですよね。加えて図鑑は幅広い分野のものが用意されています。好きな分野のある子供たちはそこから学習をスタートさせることができるのも魅力的です。また図鑑にはイラストや写真が多く載せられているので、子供たちが楽しく学習を進められること間違いなしです。

本を読む習慣を身に着ける

図鑑は子供たちに本を読む習慣を身に着けてもらう目的でも用いることができます。読書というと、文字だけが並べられた文庫本を読むことをイメージしがちですよね。しかし、図鑑を読むことも立派な読書。文字から情報を得る楽しさや、自分でページをめくって読み進める楽しさを味わうことは、子供たちにとって貴重な体験です。ぜひ子供たちに読書習慣を身に着けてもらうための第一歩として、図鑑を取り入れてみてくださいね。

保育士くらぶ

図鑑の種類

博物館型図鑑

図鑑には、博物館型図鑑、テーマ型図鑑、百科事典型図鑑の3つの種類があります。図鑑の種類によって、違った長所や短所があります。子供たちに適した図鑑を選ぶために、3つの図鑑の種類とその違い、そして使い道について把握しておきましょう。初めに紹介する博物型図鑑は、植物や動物など特定のジャンルについての情報が詳しくまとめられた図鑑。私たちが図鑑と聞いてイメージするのは、植物図鑑や昆虫図鑑といった図鑑ではないでしょうか。このように特定の分野に特化している博物館型図鑑は、学習したいジャンルが定まっているときにもってこい。博物館型図鑑は、かつて図鑑の大多数を占めていた昔ながらの図鑑でもあります。興味が定まっている子供の学習や、調べ物をする際の辞書として使うのが良いでしょう。

テーマ型図鑑

テーマ型は、特定のテーマに沿って情報がまとめられた図鑑。こちらは比較的新しい図鑑の種類です。博物館型図鑑との違いは、植物や動物、乗り物といったジャンルの異なる情報が一冊に集約されている点。そのためテーマ型図鑑は、それぞれのジャンルの専門性においては博物館型図鑑に劣ります。一方でテーマ型図鑑には、あらゆる視点から一番を決める図鑑や、物の長さに注目した図鑑など、興味深いテーマに沿ってまとめられたものが多くあります。ランキング形式等で楽しみながら色々なジャンルに触れたいときには、このテーマ型図鑑がぴったりです。

百科事典型図鑑

百科事典型図鑑は百科事典のように、あらゆる分野の情報が50音順などで並べられた図鑑。様々な分野に触れているという点ではテーマ型図鑑と同じですが、特定のテーマを持っていないためテーマ型図鑑より網羅的に物事に触れることができます。そのためあらゆるジャンルの情報にバランスよく触れたいときには、この百科事典型図鑑がおすすめです。また博物館型図鑑と同じく、辞書のように使うこともできますよ。

図鑑の選び方【0~2歳児向け】

身近なものを題材にした図鑑

0~2歳頃の子どもたちの毎日は、発見にあふれています。私たちが何の気なしに目にしている日用品や食べものも、この時期の子どもたちにとっては不思議なものばかり。「これはなんていう名前だろう?」、「これはなんの仲間だろう?」といった日常生活の素朴な疑問に答えてくれる図鑑がおすすめです。また2歳頃になると、二語文や三語文で話しはじめる子供が多いですよね。そのため、イラストと単語がセットで載せられているような図鑑を用意して、少しずつ語彙を増やしてもらう目的で図鑑を用いるのも良いでしょう。

0~2歳児におすすめの図鑑

0さい〜4さい こどもずかん英語つき よくばりバージョン

にほんごえいごおしゃべりことばのずかん 新装版

こちらの2つの図鑑は、どちらも構成がとてもシンプル。物を表すイラストとその名前だけが載せられています。内容も、日常生活に登場するものや基本的な語彙がメインになっているので、初めての図鑑にオススメです。図鑑に使われているイラストはとても可愛らしく、0~2歳の子供たちにぴったりですよ。また、どちらの図鑑も日本語と一緒に英語での名前が載せられています。英語学習に力を入れている保育園の学習にも用いることができますよ。

図鑑の選び方【3~4歳児向け】

バラエティに富んだ図鑑

日常生活についての知識はある程度身についてくるこの時期。活動範囲の拡大とともに、子供たちの興味の幅もどんどんと広がっていきます。よってこの時期の子供たちの保育には、新しい物事に触れる目的で図鑑を取り入れるのがおすすめです。先ほどの図鑑の分類でいえば、あらゆるジャンルに触れられるテーマ型図鑑や百科事典型図鑑が適しているといえます。またバラエティ豊かなこれらの図鑑に触れる中で、子供たちの興味のある内容が見つかるかもしれません。

3~4歳児におすすめの図鑑

[新版]くらべる図鑑

速さ、長さ、面積などあらゆる視点から物事を比べることがテーマの図鑑です。大人もつい気になってしまう内容ですね。 また写真がメインでページが構成されているので、まだ文字を読み始めたばかりの子供たちも気後れすることなく読み始めることができます。

小学館こども大百科

こちらは百科事典型図鑑を代表する図鑑です。表紙にはパンダや宇宙、野菜などの画像が載せられていて、多様なジャンルの内容が載せられていることが伺えます。この図鑑一冊読み終わる頃には、あらゆるジャンルの基礎知識を身に着けていることでしょう。

図鑑の選び方【5歳児~向け】

興味のある分野に特化した図鑑

保育園の中で年長さんにあたるこの年齢になると、特定のジャンルに興味を持つ子供が多いですよね。この時期の子供たちには、特定の分野について深く掘り下げた図鑑を使ってもらうのがいいでしょう。先述した図鑑の分類でいうと、博物館型図鑑にあたる図鑑です。またこの時期は小学校への入学を間近に控えていますので、学び方を身に着ける目的で図鑑を使ってもらうのがおすすめです。図鑑を読んで知識を深めるプロセスは、学び方の基礎になります。特に分からないことを自分で調べる力や、自分の興味の持ったことについて深堀していく力は学力を高めるうえで必要不可欠ですよね。図鑑を幼児さん向けの教科書として活用してみましょう。

5歳児~におすすめの図鑑

学館の図鑑NEO〔新版〕DVDつき

フレーベル館の図鑑ナチュラ

どちらの図鑑も一つのジャンルについて詳しくまとめられた博物型図鑑です。使われる漢字が多い本格的な図鑑ですが、漢字にはきちんとふりがながふられています。5歳以上の子供たちであれば問題なく自分で読み進めることができるでしょう。また専門用語が使われているため、子供たちにとって難しい部分があるかもしれません。あまり神経質にならず、分かりやすいものから順に少しずつ知識を蓄えていくイメージで使用するといいでしょう。

図鑑を保育園で作ろう!

図鑑の作り方

保育園で子供たちと図鑑を作るのもおすすめです。ここでは保育園でできる簡単な図鑑の作り方を紹介します。図鑑を作ることで知識を定着させるとともに、子供たちの表現力を高めることもできますよ。

材料
はがきサイズの画用紙 ペン クレヨン 穴あけパンチ 紐(20cm程度)

作り方
1.一人一つ題材を決める(カブトムシ、あさがお等)
2.カードを横向きに置き、左側半分にクレヨンでテーマの絵を描く
3.右側に題材とする物の名前と、説明を書く(種類、大きさ、生息場所など)
4.カードに穴あけパンチで穴をあけ、カードを通してひもで綴じる。

子供たちの個性がつまったオリジナルの図鑑が出来上がりますね。3歳以下の子供たちには、説明は省いて題材の名前だけを書いてもらってもいいでしょう。友達がどんなカードを作ったのか、読み合って確認してもらいましょう。

図鑑を使った保育のポイント

保育士も同じ目線に立って楽しむ

図鑑に載っている内容は、保育士の方が既に知識として得ているものが多いかもしれません。しかし、初めてその知識に触れる子供たちと同じ目線に立って楽しんでみましょう。また保育士の方は、子供たちにアウトプットのチャンスを与えることもできます。子供たちが保育士の方に図鑑で得た知識を話しかけてくれたときは、相槌をうったり内容を広げたりしてできる限り丁寧に聞いてあげてくださいね。保育士の方同じ目線で一緒に楽しんでくれることは、子供たちが図鑑に親しむきっかけになります。

調べた後は実際に体験してもらう

図鑑でみた内容が実際に体験してもらえるものであれば、ぜひ子供たちに体験してもらいましょう。ただ行動の範囲が限られている保育園で、子供たちに体験させてあげられることには限りがありますよね。一方で花や昆虫、身の回りのものについて触れた図鑑などは、保育園でも十分触れることができます。図鑑で見て興味をもったものが実際に体験することの難しいジャンルであれば、制作の題材に用いるのもよいでしょう。

家庭での学習につなげる

子供たちが図鑑を使っている様子を見て得た気づきを、ぜひ親御さんと共有しましょう。自分の子供が何に興味を持っているか、どのくらいの難易度の内容を理解できるのか、といったことを親御さんは知りたいと思っているはずです。またそれらの情報について家庭に共有することで、よりそれぞれの子供に適した学習につなげることができます。保育園で一人一人の子供に合わせた学習を行うのには限界がありますよね。ぜひ子供たちの興味や発達段階を共有して、家庭学習にバトンを渡しましょう。

まとめ

図鑑を保育に取り入れて子供たちと楽しく学ぼう!

イメージ付きでわかりやすく物事を教えてくれる図鑑は、子供たちにとっても魅力的な存在。また厳選された良質な内容が載せられているので、安心して子供たちに読んでもらうことができますよね。加えて図鑑を保育に取り入れることで、子供たちは日々の疑問を解決したり、自分の興味を追求することができます。絵本の次のステップとして、ぜひ保育に取り入れてみてくださいね。また図鑑を購入する際は、上記の選び方をぜひ参考にしてください。子供たちにあった図鑑を保育園に導入して、子供たちと楽しく学びましょう。

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