保育観とは?何を大切にすれば良い?【書き方・違い・トラブル・職場選びなど】

皆さんは保育観を持っているでしょうか。また、保育観についてどのように考えているでしょうか。保育観は保育に携わる方にとって非常に大切なもので、いわば軸のようなものです。今回本記事では、保育観の意味や例、さらには書き方などを取り上げていきます。さらには保育観が合わずに困っている方向けにケースの例や対応策についても触れていきます。みなさんも本記事を読んで保育観を考えたり、見つめ直したりという機会にしてみてください。

保育観とは?

保育をする上で重要視する価値観

保育観とは保育活動を行う上で第一に考え、大切にする価値観や考え方のことを指します。いわば保育をする上での最重要価値観と言えるでしょう。日々保育をしている中でこれだけは譲れないなと考えているものや、曲げてはいけないと感じることですね。実際に保育士さん一人一人が持っていて、それぞれ異なるものでしょう。実際に保育観を持っていると何か悩んだ時の指標にもなるでしょうし、保育活動をしている自分の支えともなってくれるでしょう。

保育観に正解はない

上でも少し触れましたが、保育観というものは保育士さんたち一人一人が持っているものです。それぞれの保育観は似ているものであっても、まったく同じということがなく異なっています。というのも保育観は経験や生活によって培われていくものでしょう。しかしこれまで受けてきた保育活動や初等教育が異なるので価値観も様々な形で構築されていきます。ここからもわかるように保育観にはこれが正解というものは存在しません。ですから自分の保育観にも自信を持って大丈夫ですよ。

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保育観にはどんなものがある?

子供のことを最優先に考える

保育観の例としてまず挙げられるのが子どものことを最優先に考えるというものでしょう。保育士は家庭から子どもを預かるという職業であるため、子どもたちの命に関する重い責任を背負っています。そうである以上子どもたちのために考えて行動するということを最優先事項として保育観とする方も多いようです。保育士には多くの仕事があり、時間に余裕があるとは言えないでしょう。それでも子どもたちと向き合うことだけは譲れないと考えて、少しでも時間を作ることにこだわりを持っている方もいるようですよ。

安心できる保育現場の確保

次に挙げられる保育観は、安心できる保育現場を確保するというものです。上でも述べましたが、保育士は子どもたちの命を預かる職業といえます。ですから安全面を特にこだわっていて、保育観としている方も多いようですね。保育園に大事な子どもたちを預ける親御さんも安心できるように、過保護とも取れるくらいの安全確保が必要だと考える方もいるようです。子どもたちに居心地が良い空間だと思ってもらえるように、ひとりひとりに合わせた安心できる保育を目指すということも保育観の例と言えますね。

コミュニケーションを密にとる

保育観に関する最後の例は、コミュニケーションを密に取るというものです。保育士は子どもたちと接するだけでなく、保育士の同僚や保護者など多くの方々との接点を持っています。子どもたちの話をよく聞いたりすることはもちろん重要でしょう。ですが、加えて接点を持つ多くの方々とのコミュニケーションも重要と言えるでしょう。特に同僚とはコミュニケーションを通して保育の連携をとることが必要です。加えて保護者の方とコミュニケーションを取ることで一人ひとりに合わせた保育をすることもできます。

保育観の書き方は?

自分の経験や価値観をもとに自信を持って書こう

特に学生や新人保育士の方々は保育観を書くことがあるかもしれません。その際は自分が保育において最も重要だと思うことを書くと良いでしょう。先ほども述べましたが、もともと保育観に正解はありません。ですから、「こういう内容だと評価が高いのかな」という考え方はせずに、書くようにしましょう。特に一人一人受けてきた保育や初等教育は異なります。そういった経験をもとに自分が重要だと思うことを胸を張って用いると良いでしょう。

保育観が合う職場の選び方

保育園の見学をする

自分の保育観とあった保育園を探すことは保育士として働いていく上で非常に大切です。その上で欠かせないのが園見学でしょう。現在ではホームページや口コミでも情報を得られますが、やはり自身が働くのであれば自分の目で様子や雰囲気を掴むことが必要なのではないでしょうか。保育士が子どもたちと関わっている様子を実際に見て自分の保育観と合った園なのかどうか確認すると良いでしょう。それ以外にも働いている保育士さんたちの髪型など働く上で知りたい情報も合わせて知ることができるので非常に有効です。

実習をさせてもらう

園見学で知ることができる以上に情報を得たいという場合は実習をさせてもらうことも選択肢に入れましょう。見るだけでなく実際に体験することによって自身と合っているかなどの確認ができるでしょう。声の掛け方やカリキュラムなど詳細な情報まで得られるので頼んでみる価値はあるでしょう。実際に保育をしてみることによって自分の保育観と保育園内における保育観との小さな差にも気付けるかもしれないので非常に有効ですよ。

直接保育指針を尋ねる

保育観が合うか不安で合ったり、疑問点があったりする場合は実査に直接聞いてみるのも一つの手と言えるでしょう。園の保育方針はその保育園がどのような保育を目指しているのかを表します。加えて保育園の長である園長先生の考え方は保育園そのものを表すケースもあるでしょう。それゆえ園長先生に直接話を聞いてみることも有効な手段と言えます。また生の現場の声は働いている保育士さんたちからしか聞くことができないので知りたいところは確認することをお勧めします。

保育観が合わないこともある?

多くの保育士が保育観の違いを感じている

実際に保育園や保育園の文化、同僚などと保育観の違いを感じたことがある保育士さんも多くいます。実際に保育観に違いを感じたことがある保育士さんが70パーセント以上いるという調査結果も出ています。身近な保育士間でも明確な違いを感じることも多いようですね。ですから実際に保育観が合わないと感じる保育士さんがいても当然のことでおかしいことではありません。それゆえ自分の保育観を不安に思わず、自信を持ってくださいね。

さまざまな場面で保育観の違いを感じている

保育士さんたちは多くの場面で保育観の違いを感じているようです。行事関連では子供たちのためのイベントになっていないのではと感じることや、頻度が多すぎて子供達が疲れてしまっているのではと疑問に感じています。加えてルールに関しても厳しくしすぎると感じる方もいれば緩すぎると感じる方もいるようですね。また園の方針などによって保育の仕方が偏っていたり、新しい方針や提案を受け入れられないことでも保育観の違いが見られるようです。

保育観が合わないと苦労する

保育観のズレにより保育が楽しくない、苦しいと感じ保育の現場を去っていくというケースも多いようです。保育観がぶつかり合ってしまって話し合おうと考えた際に、「でも…」や「私は…だと思うけどね」といった言葉で否定されてしまうケースも多いようですね。特に先輩の先生や目上の方々に否定され、自信を無くしてしまったり自分の保育観を主張できなくなってしまいます。逆に自分が他の方の保育観を否定する側になってしまうこともあるので、気をつけなければいけませんね。

保育観が合わない際の対処法

視点を変えて考え直してみる

保育観を理解し合えないということも起こりうるでしょう。そういった際に自分の保育観と合わないからと単に突き放すのではなく、違う目線から相手の保育を見つめてみると良いでしょう。自分が気づいていないところで工夫をしているということも考えられます。しっかりと見る前に不信感を持ったり否定したりしてしまうと、相手の良い面や本当の考え方が見えなくなってしまいます。まずは相手の考え方がどのようなものなのか観察し、考えてみると良いでしょう。

話し合う

お互いの保育観が合わない場合は、自分の考えを相手に伝えてみるということも有効な解決策になるかもしれません。保育観が合わないとしても共通している部分はあるかもしれません。共通認識を探す意味でも自分の考え方を伝えてみたり、話し合ってみると良いでしょう。話し合ってみると保育観が異なっていても、子どもたちを考えてのことであったり、保育にどれだけしっかりと向き合っているのかも分かるでしょう。そういったことを行っていくと、お互いを認め合うこともできるかもしれません。

一度譲ってみる

お互いの保育観が合わない場合に、他の保育士の方を敬い、理解しようとすることは重要です。相手と考え方や保育観が異なる場合であっても相手を批判するのではなく、一歩下がって相手の良い部分を見つけようとしてみると良いでしょう。またその良い部分を取り入れてみることで成長することもできるでしょう。理解できない場合は、直接相手に疑問をぶつけてみるのも良いでしょう。保育観が合わないということも糧として成長できるかもしれません。

他の職場を探す

保育観は保育をする上での要となるもので、簡単に譲ることができないのも事実でしょう。ですからどうしても分かり合えないことがあるのも仕方がないことでしょう。一緒に働く同僚の保育士の方と保育の方向性が合わないケースがあるようです。どうしても合わないと感じた場合は、自身の保育観と合う保育園を探して、思い切って他の職場に移るということも良いかもしれません。自身の保育観が理解してもらえる環境であれば、自分の理想の保育をすることができるでしょう。

保育観が異なることによるメリット

保育観が広がる

保育観が合わないと、働きづらかったり関係がギクシャクしてしまうこともあるでしょう。しかし保育観が異なることで得られるものやメリットもあります。それは自分の保育観が広がっていくという点です。他の保育観を聞くと、良いと思ったところは取り入れていくこともできるでしょう。また良いと思わなかったことからも新たな発見や学びがあるかもしれません。自身の足りない部分を見つけることができたり、子どもたちへの理解を深めることにつながるでしょう。より成長したいと考えている方は、特に他の保育士の方に保育観を聞いてみるのも良いかもしれませんね。

子供に良い影響を与える

加えて子どもたちにも良い影響があるのではないでしょうか。いろいろな保育観を持っている保育士さんがいると子どもたちの性格や特徴に合わせた保育を実現できるかもしれません。子どもたちの身近にいる保育士さんたちであってもそれぞれが異なる意見を持っていることを知ることになるでしょう。いろいろな考え方を持っている人たちがいてそれぞれ認め合うことの大切さを子どもたちに教えることになるかもしれません。子どもたちの可能性を引き出すためにも多様な考え方を持っている保育士さんたちが周りにいると良いでしょう。

まとめ

保育観を見つめ直してみよう

いかがでしたか?今回は保育観をテーマに、保育観の書き方や保育観が合わない際の対処法などに触れてきました。何度も言うようですが保育観に正解はありません。保育観が周囲と合わずに悩んでいる方がいるかもしれませんが、自信を持ってください。かといって自分の保育観を凝り固まらせせることはなく、見つめ直してみたり保育観を発展させてみたりるのも成長する一つの手段と言えるでしょう。皆さんも本記事をきっかけに自身の保育観を見つめ直したりしてみてはいかがでしょうか。

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