【2022年最新!】保育士の平均年収は?【東京・公務員・処遇改善など】

就職や転職をする上で、保育士さんの年収がいくらだか気になりませんか。保育士さんは年収の割には激務で労働単価が見合わないイメージがあると思います。しかし、2021年11月19日に政府が保育士の給料を処遇改善することが決定されました。ニュースを見ると保育士の給料が一律で9000円アップすると勘違いしている方が多いのではないでしょうか。しかし、処遇改善を受けるには要件のクリアが必要です。中には対象外の保育者もいます。今回は今話題の処遇改善の詳しい内容から保育士の年収の現状まで徹底解説しますよ。2022年最新のデータを添えて解説していますのでぜひ参考にしてみてください!

保育士の平均年収は?

平均年収は約321万

保育士の平均年収は約321万円です。(参照:求人ボックス給料ナビ)
月給で換算すると、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」だと保育士の月額給与は約25万円でした。また、男女比で比べると女性保育士の平均年収は3,729,700円。男性保育士の平均年収は4,008,100円と男性の方が年収が高い傾向があります。(参照:e-Stat_政府統計の総合窓口:令和2年賃金構造基本統計調査)

保育士くらぶ

東京で働く保育士の平均年収は?

東京都だと平均年収は約414万

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、東京都内の平均年収額は約414万円。平均月給は29.4万円と記載されていました。保育士全体の平均年収と比べると約100万円ほどの差がありますね。東京は最低賃金が全国で最も高いことからこの差が生まれています。しかし、東京は物価が高いことを考えると大差がないとも言えますね。ですが、その分家賃補助も充実しています。東京で働いてるまたはこれから働く予定の保育士さんは家賃補助に頼ってみるのも一つの手ですよ。

公務員保育士の平均年収は?

公務員保育士の平均年収は約384万円

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、公務員保育士の平均年収は約384万円です。一般的な保育士と比べると約60万円以上の差があることがわかりますね。公務員保育士の年収が高い理由として、雇用や給与形態も一般的な保育士と比べて安定していることが挙げられますよ。雇用が安定していることで離職率が低いです。長く勤める方が給料が上がりやすいことから平均年収が高い傾向があります。

保育士の賞与やボーナスは?

公立と私立で差がある

保育士の賞与やボーナスは、施設によってかなり差があるのが現状。まず、公立保育園の場合は民間の賞与・ボーナスに当たるのが期末・勤勉手当になります。令和2年度に発表された人事行政の運営等の状況によると、令和元年の公立保育園の保育士さんの年間平均の賞与は190 万 6,150 円です。一方、私立保育園は厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査によると、東京都の年間賞与その他給与額は平均59万6800円。公立保育園と私立保育園でかなりの差があるのがわかりますね。年収が高かったとしても賞与が少ないと結局そこで差が生まれてしまいます。求人を探す際に給与を調べるときには、ぜひ賞与も一緒に調べましょう。

保育士の年収が低い原因

保育園の運営費が固定されてる

認可保育園の運営に関わる費用は公定価格として法律で定められています。また、認可外保育園は保護者からの保育料で運営されています。公定価格をもとにした委託費が、自治体から保育園に支払われていますよ。この委託費から保育士さんの給料が支払われます。国によって配置基準や運営費が細かく定められていて、保育士さんの給料を大きくアップする余裕がありません。また、仕事量や責任と給料が見合っておらず、相対的に低いと感じる場合もあるようです。

保育士の社会的地位が低い

昔、子育ては一家の主婦の仕事でした。そのため、共働きの家庭でも両親や知人に預ける程度が一般的だったのです。戦後、児童福祉法が制定されて保育園が正式に認可されてからも、保育の質は低く保育士の社会的地位も低く見られていました。そういったことから社会地位が低く、保育の質が向上して保育士の重要性度が高くなった現在も低賃金のままなのです。わかりやすくいうと、子どもを世話することは誰でもできると思われがちなため、社会的地位が低いというのが現状です。実際に保育現場に立つと子どもの世話以外にも残業が多いことや保護者と良好な関係を築いたりと保育士はやることが多いです。そういったふうにみられがちなのは非常に残念ですよね。

人件費を賄う余裕がない

保育園の運営費は国や自治体の補助金と保護者の保育料で賄われています。そのため、どの保育園も余裕はなく保育士の給与は低く抑えられています。そして、2000年の規制緩和で保育園の経営に営利目的で参入するNPO法人や企業が現れたことで、さらに人件費が削られるといったケースも出てきていますよ。こういった理由から、人件費を賄う余裕がなくて体力的にも精神的にも重労働である保育士の給与水準が低くなっているのです。

令和4年2月から始まる保育士の処遇改善とは

保育士一人あたり月9000円を補助する制度

処遇改善策は、令和4年2月より始まり令和4年9月までの8か月の間、保育士に対して3%程度(月額9,000円)の賃金改善を行う費用を補助される制度です。正式名称は、「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」というものです。また、10月以降は公定価格の見直し(※地方交付税措置)により同様の給料の補助を行います。対象者は、保育所や幼稚園等に勤務する職員が対象。(役員・延長保育・預かり保育専任担当等は対象外)

認定こども園、保育所、地域型保育事業などの私学助成幼稚園も対象施設です。企業主導型保育は、別途要綱が必要です。

※地方交付税措置 国が地方に代わって徴収する地方税により解決すること

処遇改善の条件

処遇改善策を保育士さんたちが受けるには、条件が設けられています。以下の3つをクリアしないと受けることができません。事前にしっかり確認しておきましょう。

  • 補助額の全額を賃金改善に充てること
  • 最低でも改善額全体の3分の2以上を基本給または決まって毎月支払われる手当により行うこと
  • 賃金改善計画の作成と実績報告の作成をし、市町村への提出が必要

処遇改善の計算の仕方

賃金改善部分と国家公務員給与改定対応部分において、基準額✖平均利用児童数✖運営月数を補助基準額とします。補助基準額、実支出額、総事業費の少ない金額を交付額になります。(補助率は10/10)

補助基準額を計算するときは

令和3年度は、賃金改善部分✖年齢別平均利用児童数✖令和4年の2月・3月

令和4年度は、賃金改善部分+国家公務員給与改定対応部分✖令和3年度年齢別平均利用児童数✖令和4年の4月から9月

と分けて計算しなければいけません。保育園や幼稚園の年度は4月で変わるため、このような計算が必要になるのです。また、2月・3月分は特例で3月にまとめて一時金支給することが可能ですよ。

処遇改善を行うのに保育士さんへの説明が必須

ニュースを見て保育士が全員一律で給料が9000円上がると思ってる人は結構いらっしゃいます。この処遇改善策は、加配保育の補助への分配を可能にしていたり、事業者によって職員の分配方法は自由です。保育士さんへ、処遇改善策が一体どのようなものなのか。園ではどのように分配を行うのかについて説明の機会を設けることが必要になります。説明をまとめる際には、内閣府がまとめているリーフレットをぜひご活用ください!

https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/r031223/leaf.pdf

保育士が年収を増やすために出来ること

キャリアアップ研修に参加する

まず、保育士が年収を増やすために出来ることとしてキャリアアップ研修に参加することが挙げられますよ。キャリアアップ研修とは保育士の待遇向上と専門性強化を目的として、平成29年4月に制定されたのが保育士等キャリアアップ研修制度です。厚生労働省主導の研修を受講して修了することで副主任保育士や専門リーダーといった役職につけて給与もアップするという制度です。昇給を目指すことで給与の上昇も見込むことが出来るのでぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

資格を取得する

待機児童問題が深刻化し保育士不足が叫ばれる昨今、保育のスタイル・形態も進化しています。保育の質も高くなり、保育士にも高いスキルが要求されるようになってきました。もし、保育士の資格を所有せずに勤務しているのであれば、保育士や幼稚園教諭の資格を取得することで給料アップを目指せます。また、就職に関しても有利になりますよ。

家賃補助を利用する

家賃補助とは、会社が契約を結んでいる物件などがあれば家賃の一部を補助してもらえる制度のこと。その家賃補助も大きく分けて2種類あります。一つ目は、国や自治体が実施する保育従事職員宿舎借り上げ支援事業。二つ目は、保育園などが独自に職員に対して補助を行うものがあります。家賃補助を利用して、その分自分が使えるお金を増やすことも考えてみてはいかがでしょうか。

勤続年数が上がるのを待つ

保育士として働く中で、勤続年数や経験の豊富さで年収が上がるといったこともあります。一つの園に長く働く事やスキルを積んでベテラン保育士に成長すると、年収や福利厚生において好待遇を受けられるかもしれませんよ。そのため、勤続年数が上がるのを待ってみるのも一つの方法です。しかし、これらは園ごとに異なります。自分の園は、勤続年数やスキルで年収の変動があるかどうかをきちんと事前に確認をしておきましょう。

転職を考える

同じ保育士さんでも、勤務先によってその給与は少しずつ違います。少しでも給料の高いところを選んで就職することや年収アップを見込める施設に転職することもひとつの選択肢です。また、基本給の高いところや手当の多いところを選ぶのも大切ですよ。しかし、転職をしたことによって逆に年収が下がってしまう場合や年収は上がったけど残業が多くなって休む暇がなくなることもあります。そのため、転職は最終手段として考えましょう。転職を考える際には、本サイトの運営元である「保育求人ガイド」もぜひ活用してみてください。

まとめ

保育士の年収を理解して就職に活かそう

今回、保育士の年収から処遇改善の詳しい内容、年収を増やすために出来ることまで徹底解説しました。保育士の年収の現状について理解できましたか。保育士さんのお仕事は責任が重大。そのため、少しでも多くの報酬を得たいと思うのは当然のことです。本記事で、自分がもらってる給料に関して改めて考えるきっかけになったのではないかと思います。就職や転職する際には地域や形態ごとの給料や待遇もしっかり選びましょう。また、スキルアップや資格取得などでキャリアアップできるのならそのチャンスをしっかり活かして年収アップできるようにしたいですね。

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保育士くらぶの最新の記事はどこから見られますか?

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