病児保育とはどんな保育?【仕事内容・給料・メリット・デメリット・資格など】

みなさんは病児保育について知っていますか。病児保育とは、子どもが病気になってしまって保育園や幼稚園に預けられない時や保護者の方が休めない時に代わりに保育士さんが看病してくれるサービス。病気をしている子どもを預かるのでとても神経を使う保育です。しかし、意外にもこの病児保育は一般的な保育園や幼稚園と比べて残業が少ないといった利点もあり、人気が高いです。今回は意外と人気が高い病児保育について詳しく解説していきます。

病児保育とは?

子どもが病気になった時に代わりに看病してくれるサービス

子どもが病気になってしまって保育園や幼稚園に預けられない時や保護者の方が休めない時がありますよね。そんな時に代わりに預かってくれて、子どもの看病をしてくれるサービスが病児保育です。病児保育は、厚生労働省の乳幼児健康支援一時預かり事業として補助金がついて行われている事業の一つ。1日8時間預けても利用料が2000円~3000円程度の所が多く、気軽に預けやすいのも保護者の方にとって嬉しいポイント。専用の保育室で看護師や専門の保育士が看護や保育してくれます。また容態が急変しても、専門家が常にそばにいるという保護者の方にとってとても頼りになるサービスです。

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病児保育の具体的な内容

仕事内容

病児保育の具体的な仕事の内容は、病気の子ども達を看病やお世話をしてあげることです。保育を通じて、病気の子ども達をリラックスさせてあげましょう。子どもたちの病気の種類はさまざまです。病児保育では、医療行為を行うことは基本的にありませんが色んな病気の知識を持っていないと病児保育士として務まりません。必要時は、病院に連れていったりすることもあります。普通の保育園以上に子ども達の命に寄り添うお仕事であり、決して楽なお仕事ではないことを理解しておきましょう。

病児保育の給料や福利厚生

病児保育士といっても、保育園に勤める保育士とはさほど違いがありませんが、医療法人で勤める病児保育士となると給料もかなり高いです。給料は経験やスキル、勤務形態によっても変動があります。病児保育は、福利厚生も充実していますよ。また、休日も多くて有休も取得しやすいことを考えると病児保育士は意外と人気です。正社員ともなれば、年収は350万~450万位となっており、だいたい年2回の賞与が付きます。また、病児保育は持ち帰りの仕事や残業が基本的にありません。サービス残業が多い保育園で働く保育士に比べて、その点で差がかなり出てきますね。

病児保育の受け方

 病児保育の受付の仕組みはこのようになっています。

  • 原則として事前登録が必要
  • 当日、医師の診察を受けて診断書を持参する
  • 夜や当日の申し込みも空きがあれば受け付ける
  • 対象年齢は生後6ヶ月~小学6年生まで(未就学児までの所もあり)

という形で受け付けている施設が多いようです。しかし、施設によって違う場合もありますので住んでいる区内のホームページを見てよく確認することが大事ですよ。

病児保育での子どもの接し方

子ども達の病気を理解して接する

まずは、子どもたちの病気を理解しましょう。例えば、病気について詳しく調べてみることやどのようにサポートしてあげたらより子どものストレスがかからずに過ごせるのかなどといったことを理解しましょう。子ども達の病気のことを理解し、実際に子どもと携わった時にどう関わるか工夫をすることで質の良い保育ができるでしょう。病気の知識を深めることで病児保育士としてステップアップすることも期待できますね。

健康に配慮した接し方を心がける

子ども達は病気の時でも、活発で遊びたがることが多々あります。元気な時は遊ばせても問題ないですが、病状が悪化しないように子どもの様子を見て、健康に常に配慮をすることが大事です。また、子どもの病状が急激に悪くなった時は看護師や医師へ相談したり、病院に連れてったりといったことを行いましょう。保護者の方や子ども達が安心できる保育を心がけたいですね。

病児保育のメリットは?

子どもとマンツーマンで関われる

病児保育では、一般的な保育と比べて預かる子どもの人数が少ないです。そのため、子ども一人ひとりとマンツーマンで関われてじっくり保育することができます。訪問型の病児保育だと、基本的に一人の子どもを対応することが多いのでよりじっくり保育することができますよ。子どもと近い距離でじっくり向き合うことができるのは、病児保育の嬉しいメリットの一つです。

大きな行事などの事前準備がない

病児保育では、保育園や幼稚園で行う発表会や運動会といった行事やイベントごとがほとんどありません。そのため、その度に作らなければいけない創作物制作を作ったりといった負担がとても減ります。一般的な保育士と比べて、事務作業は保護者の方に向けての連絡票の作成ぐらいでとても少ないです。家に持ち帰って行う仕事や残業があまりないところは嬉しいメリットですね。

体力的負担が少ない

体力的な面を考えた場合、一般の保育園で働く保育士になると、1人担任で20人を同時に見たりすることもあります。しかし、病児保育の場合は保育する人数が少人数になる為、体力的な負担が少ないことも人気が高いと言われる理由の一つ。毎日、外に出て遊んだりすることもなく、基本的には室内での保育なので体を動かして遊ぶことが少ないことも体に負担がかかりにくいですね。

預かる子どもが毎日違う

病児保育では、病気が回復すれば、通っている保育園に戻ってきます。比較的に保護者との付き合いはなく、毎日新しい子ども達との出会いがあります。普通の園と違い、保護者との人間関係を構築する必要性がありません。保護者との付き合い方でストレスを感じることも少ないでしょう。また、訪問型の場合は毎日違うお家で保育することになります。そのため、変化を楽しめる方にはその点は嬉しいメリットでしょう。

病児保育のデメリットは?

緊張感のある現場でストレスがかかりやすい

病児保育は、子どもの病状の緊急時に落ち着いて対処しなければいけません。また、預かる子どもの病気は一人一人違います。そのため、各子どもに合わせた接し方を臨機応変にすることが求められるのです。ある程度知識が必要なので、病児保育士になってからも日々勉強を怠らず行わなければなりません。一般的な保育士より、緊張感のある現場なためストレスがかかりやすい事がデメリットとして挙げられます。ストレスを暖和するために、仕事とプライベートはしっかり分けるといった対策を行いましょう。

病児保育士が働く場所

施設型

施設型では病児対応型と病後児対応型の二つの種類があります。まず、病児対応型は基本的に病院などに併設されていますが、子供が急変した場合でも対応できるような体制を取っています。時には、薬を子どもに服薬させることもある為、嫌がる子供を安心させたり、子どもの不安を取り除いたりといったことも行いますよ。病後児対応型は、病後の子どもを預かります。回復期にある為、急変時の対応が必要ないと判断された子どもが保育所に併設されている施設で子どもを預かります。

非施設型

非施設型は、自宅に直接伺って病児保育を行います。病気の子どもにとっては、普段の生活と同じ環境で保育をしてもらえるので環境が変わらず安心できるという面はとても良いメリットですね。非施設型の病児保育を行っているグループには、認定NPOフローレンスというものがあります。大手保育グループならではのサポート体制があり、提携医師の派遣や地域のグループリーダーに相談出来たり、感染予防(ワクチン接種やマスクなどの貸与)が会社負担です。認定NPOフローレンスだと安心して働けると言われていますよ。

病児保育で働くには

保育士資格や看護師資格

病児保育士は特別な資格があるわけではありません。ただし、この仕事にあたって持っていれば役に立つ資格が保育士資格や看護師資格です。施設型の病児保育をする病院などでは、看護師や保育士を配置することが法律によって定められています。病児保育士になるには、基本的に保育士資格が必要。保育士資格や看護師資格を持っていることによって就職がとても有利になります。

専門的な資格

基本的に保育士資格があれば病児保育士になることはできますが、専門的な資格を所有していることでより就職が有利になります。2007年に誕生した医療保育専門士の資格は、国家資格ではありませんが有意義な資格です。医療保育専門士は、日本医療保育学会の会員になり、保育士として1年以上医療機関での勤務が必要。研修や論文・面接試験などを経て認定されます。しかし、永年資格ではなく5年ごとの更新制で、論文や学会への参加も必要です。年間10~30人ほどの認定で、2016年で160人程度と希少な資格なので、就職の際にはかなり役立つでしょう。

大学や専門学校に行く

病児保育で働くのに、大学や専門学校に必ず通う必要性はありません。しかし、大学や専門学校に通って専門知識を身につけていた方が就活で有利になったり、実際の現場で身につけた知識を役立てたりといったメリットがあります。また、保育のスキルに加えて医療に関する知識や心理学、カウンセリング力も必要とされます。ある程度大学や専門学校で勉強してから病児保育士にチャレンジする方が就職で良い結果になるでしょう。

病児保育に向いている人はどんな人?

様々な子どもを支援したい人

病児保育の対象となるのは、生後6ヶ月~小学6年生まで(未就学児までの所もあり)の病気になった子ども達。病児保育では、保育する子どもが毎日違います。そのため、様々な年齢の子ども達を支援したいと考えている方は病児保育士に向いているといえます。様々な子ども達に触れてコミュニケーションを取ったりと一般的な保育にはない楽しさがありますね。しかし、その分様々な子供に合わせた対応を瞬時に行なう適応能力が必要です。また、色んな年齢に合わせた保育の勉強をしないといけませんので大変な面もあります。

まとめ

病児保育は共働きの保護者にとって強い味方!

今回は病児保育について徹底解説しました。いかがでしたでしょうか。共働きの家庭が多い中、病気がつきものの小さな子どもを育てるのに、毎回保護者の方が休むことはできません。そんな中で病児保育は、子どもが病気になった時に対応してくれる保育であり、保護者の方にとって心強い味方になります。保護者の方からも感謝されることが多く、やりがいをかんじられる仕事です。就職や転職の選択の一つに病児保育士になることもぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

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