癇癪を起こす子どもが笑顔になった!9つの方法【原因・発達障害・特徴・対策など】

保育において泣いたり喚いたりしている子どもを世話することは日常茶飯事だと思います。しかし、子どもの泣く原因がわからず対処法がわからない場面もありますよね。子どもはまだ自分の感情を表現するのが難しい分、一回気持ちが爆発するとコントロールができなくなり、癇癪が起こりやすいです。本記事は子どもの癇癪に悩んでいる保育士さん必見です。今回は、子どもの癇癪の対処法についてまとめてみました。本記事を参考にして子どもの癇癪に対して上手く対処できるようにしましょう!

癇癪とは

子どもが激しく泣いたり奇声を出したりすること

癇癪とは、子どもが激しく泣いたり奇声を出したりすることです。なんらかの理由によって感情や行動などのコントロールが難しくなり、子どもがパニックになることで癇癪が起こってしまいます。癇癪は、周囲の大人に対して子どもが何かを訴えたいというときに起こるのが特徴。成長と共に普通にできることが子どもはまだできないことが多いです。自分の思い通りにできないことがもどかしいという感情になり、癇癪を起こすことがあります。

保育士くらぶ

子どもの癇癪が起きる原因は?

地団駄を踏む男の子

コミュニケーションがうまく取れない

幼少期の子どもは言葉を言語化することが難しいため、うまく自分の言葉で伝えられなくてパニックが起きやすいことが癇癪を引き起こす原因です。自分の思い通りにいかないことでパニックになってしまい、お友達を蹴ったり、叩いたり、引っ掻いたりなど怪我をさせてしまう恐れもあります。コミュニケーションが取れないとどうして泣き喚いているのか原因がわからず、周囲の大人は子どもの癇癪を抑えるのにとても苦労しますね。

生理的な欲求

癇癪の原因として、生理的欲求が一番多いと言われています。生理的欲求で満たされないと癇癪を起こすのは特に赤ちゃんが多いです。喋ることができない赤ちゃんは叶えてもらいたい生理的欲求を泣くことでしか表現できません。生理的欲求に関しては、子どもの成長とともに自分でできることが増えて時間が経つことで解決します。まずは、子どもが自分でできることを増やすサポートを徐々に行うことが大切です。

体調が悪い

単に体調が悪くて、それを上手く周囲の大人に伝えられずに癇癪を起こしている場合もあります。何やってもいつまでも泣き止まない時は誤飲や体調は大丈夫かについて確認するようにしましょう。乳児は何でも口に入れようとすることがあります。保育園や幼稚園ではおもちゃは年齢ごとにしっかりと分けられていると思いますが、うっかり交じってしまうこともあります。お片付けの時には保育士がしっかり確認しましょう。

癇癪の特徴

2歳から4歳ごろが多い

癇癪を起こすのはイヤイヤ期が始まる2歳ごろから4歳ごろが多いと言われています。イヤイヤ期とは、子どもが言うことを聞いてくれなかったり、何に対しても嫌と言ったり、不満があるととにかく泣くという時期や期間のこと。イヤイヤ期に突入した子どもは特に泣き止むのが難しいです。しかし、イヤイヤ期は必ずしも全員が通るとは限りません。イヤイヤ期がなかったという場合もあります。同じ年齢の子が集まる園でも、イヤイヤ期がある子とない子がいるため、全員に同じ対応をすれば良いというわけではないことを理解しましょう。

癇癪が起こるのは親のせいではない

子どもの癇癪が起こるのは基本的に親のせいではありません。癇癪は、親子関係や保護者の育て方に影響されて起こるわけではないと言われています。癇癪の原因は、自分の育て方が悪いせいかもしれないと自分を責めてしまう保護者の方もいらっしゃるかもしれません。そのため、まずは保育士さんが親のせいではないことを保護者に伝えてあげて誤解を解いてあげましょう。しかし、小学校以降に癇癪が起こってしまう場合は育った環境が影響していることもあるので子どもの指導を見直す必要があります。

癇癪と発達障害の関係性は?

発達障害も癇癪が起こるきっかけと絡んでる

子どもの癇癪がなかなか治らない場合は発達障害がきっかけとして絡んでることがあります。発達障害は、生まれつき脳機能に偏りが出る障害のこと。発達障害が原因で社会生活が困難になったり、二次障害でうつ病や睡眠障害に陥ることも。発達障害の子どもが周囲から障害をうまく理解してもらえなかったりすることで、ストレスを感じてしまうことがあります。そのストレスから癇癪が起きる原因になってしまうのです。

言語の遅れによって癇癪が起こる

発達障害の中には、発達性言語障害といった言語の発達に遅れを生じる障害があります。言語の発達に遅れが生じることで上手く周囲とコミュニケーションを取ることができず、子どもはストレスを感じてしまいます。そのストレスをうまく発散できず、言葉の遅れによって子どもの癇癪が起きやすい状態に。また、言語に遅れがある子どもは自分の気持ちを言葉でうまく表現が難しいというところも癇癪が起きやすい原因になるのです。

癇癪を起こす子どもに対しての9つの対処法

環境を整えよう

癇癪を起こす子どもに対してまずは環境を整えてあげましょう。環境を整えるときに何より大切になるのが、子どもの立場になって考えることです。大人からみた過ごしやすい環境と子どもからみた環境は少し違うことがあります。例えば保育士さんの立場で考えると、園児が固まって遊んでいた方が、保育がやりやすく感じられるかもしれません。ですが園児の中には、1人の空間が落ち着く場合もあるのです。この場合は保育士から見える範囲で少し空間を区切ったスペースを用意するなどの工夫をすると良いですよ。このように、子どもの立場になって少し想像力を働かせてみることが環境を整えるポイントです。

子どもに安心感を与える

幼少期は、身体の発達も目覚ましい時期ですが、精神的にもその後の人格形成に非常に大事な時期だと言われます。この時期に安心感をしっかり与えてあげることがとても大事です。まだうまく話すことができない子どもは言葉によるコミュニケーションで子どもに安心感を与えるのは、決して簡単なことではありません。その時その時の感情を読み取り、欲しいものを与えて充足感や安心を感じさせることが大切です。

子どもの特性に合わせた指導を

癇癪を起こさないように、子どもの特性に合わせた指導を行いましょう。その子の特性に合った適切な支援を行うためには、普段から子供と積極的に会話したり、好きなことや得意なことを観察して見極めたりすることが大事です。子ども一人一人の得意不得意をきちんと理解することを心がけましょう。その子の得意分野を伸ばすためにも必要以上に手助けしないようにすることが大事ですよ。どのようにサポートしてあげたらよりその子のストレスがないのかを考えて指導を行いましょう。

癇癪がおさまるまで放っておく

子どもの癇癪を無理に抑えるのではなく、あえて癇癪がおさまるまで放っておくのも対処法の一つです。大人でもずっと泣いたり怒ったりしているのはとても疲れますよね。子どもも同じようにずっと泣いたり喚いたりするのはとても体力を使います。放っておくことで体力がなくなったときに自然と癇癪をやめるようになります。しかし、まだ乳幼児の場合は泣くことでしか自己表現ができません。何か子どもに異常があった際に長時間放っておくのは危険なので、この対処法は2歳以上の子どもからおすすめします。

感情的に怒らない

まだ幼い子どもは、言葉数が追いつかずに欲求不満になります。不足している語彙力のなさから思っていることを上手く表現できずに癇癪を起こすことはよくあること。そんな欲求を怒ったり泣いたりといった感情で伝えることがあります。集団行動でも、うまくお友達に言葉を伝えられなくて時には噛みついたりひっかいたりすることもあるかもしれません。しかし、言葉数が足りない幼少期の子どもはうまく伝えられなくて当たり前です。そんな時、保育士さんは怒らずに子供の気持ちに寄り添ってあげて話を聞いて思っていることを理解してあげましょうね。

子どもの気持ちを受け入れてあげる

子どもの気持ちをわかってあげられていますか。子どもが自らやりたいと思うことがあるなら保育士さんや保護者の方は干渉しないで自分でやらせてあげるなどといった先回りをして手伝いすぎることを控えましょう。また、お家では自己主張ができても環境が変わって保育園や幼稚園だと自己主張ができなくなる子供もいます。子どもが自己主張しやすいように子どもの心をほぐして気軽に言える雰囲気を作ってあげるといいでしょう。子どもの自己主張は自分が1人の人間であることを意識し始めたサインなのです。そのサインを大事にしてあげて子どもの気持ちを受け入れてあげましょう。

癇癪の原因を見つける

子どもは些細な理由で癇癪を引き起こしてしまうことがあるので、癇癪の原因がわからずに困ってしまうこともありますよね。癇癪の原因がわからない時は、子どもの言い分もじっくり聞いてみましょう。子どもの気持ちを聞いてみると、大人ではわからない子どもなりの辛さもあるかもしれません。自分の意思を伝える時に、ちゃんと自分の意見を言えば伝わるという経験は子どもにとってとても重要になります。周囲の大人に伝えようとする意欲が出て、次からは癇癪を起こすことも減るでしょう。

伝え方を工夫する

子ども一人一人が理解できるような情報の伝え方をしてあげることも癇癪を起こさないためにとても重要です。例を出すと、耳からの情報処理が苦手で聞き間違いをしてしまう子ども。長い話を理解できない子ども。複数の情報が入ると混乱する子どもなど子どもによってさまざまな困りごとがあると思います。そんな時は、図やイラストで視覚的に情報を伝えたり一つ一つはっきりと端的に伝えたりしましょう。子どもが理解できるように情報伝達にも工夫を凝らして、子どもが混乱して癇癪を起こすことを予防しましょうね。

保護者との協力も大切に

保護者の方に、子どもの苦手なことや家庭での過ごし方などを聞いて指導に活かしてみてはいかがでしょうか。保育士さんから園での子どもの様子をその時の対応も含めて具体的に話すことも大事です。子どもに関して情報交換を保護者の方と行う事で不安を解消してあげる事も保育士さんの役割でもあります。連絡帳でのやりとりなどをまめに行い子どもに関して情報交換を大切にしましょう。そうすることで子どものことをより深く知ることができ、癇癪の予防に繋がりますよ。

癇癪に悩んだときの相談場所

病院

子どもの癇癪がひどい場合は、癇癪を改善するために早めに病院へ相談することをオススメします。また、病院を受診して専門家に相談することで発達障害を早めに発見できる可能性もあります。早期に子どもの発達障害を発見することで、今後の育児にとても役立ちますよ。早めに対応することで二次障害を防ぐことができますし、癇癪が少しずつ解消に向かっていくかもしれませんね。

子育て支援センター

子育て支援センターとは、子どもを持つ家庭を地域で支援する場所になります。子育て支援センターは、厚生労働省が行っている地域子育て支援拠点事業の一種。子育て支援センターでも、子どもの癇癪に悩んだ時に相談できる場所です。育児の経験や子どもに関しての知識がある職員が、親身になって相談してくれますよ。育児に関することを色々相談ができるので、保護者の方にとってとても頼れる場所ですね。

児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は、発達障害がある小学生前の子どもを受け入れて、自立させるための施設です。児童発達支援事業所は、2012年の児童福祉法改正から開始されました。このような施設に子どもを預けて自立させることで癇癪を起こすことが減るかもしれませんよ。事業所によっては、子育ての相談も受け付けています。利用するには、住んでいる自治体の福祉担当窓口への申請が必要です。通所受給者証を取得することで、利用料が安くなるのも嬉しいところですね。

まとめ

大人が冷静になって子どもの癇癪への対処を

今回は子どもの癇癪についてまとめてみました。いかがでしたでしょうか。癇癪の原因は子どもによって様々ということがわかりましたね。子どもが癇癪を起こすときは、何かを訴えたかったり、欲求を叶えたいことが多いです。子どもの癇癪がおさまるようになるには周囲の大人が冷静になって対処することが大事ですよ。子どもが癇癪を起こさずに笑顔で過ごすためには、保育士さんがイライラして感情的になることはNGです。本記事でご紹介したたくさんの子どもの癇癪への対処法を参考にして、子どもの癇癪が自然におさまるようにアプローチを行いましょう。


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