複数保育がうまくいく!9つの方法とは?【配置基準・メリット・デメリットなど】

保育園や幼稚園では必ず一人でそのクラスを見守るとは限りません。配置基準によっては、複数の保育士さんで子どもたちのお世話をすることになります。人数が多い分、安全面や相談がしやすいといったところはとても利点です。しかし、良い点もあれば人間関係のストレスで辛さを抱えている方も多いのが複数保育の特徴。では、複数保育とは具体的にどのような保育なのでしょうか。今回は複数保育について詳しく解説していきます。

複数保育とは?

複数の保育士さんが一つのクラスを受け持つ保育のこと

複数保育とは複数の保育士さんが一つのクラスを受け持って保育することです。複数保育は、配置基準によって複数担任制が決まります。人数が多い分、困った時の相談や業務の分担ができたりといい点が多いですね。しかし、人数が多いので保育士同士の人間関係で悩みが多くなってしまうようです。ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は人数が多くなると難しくなります。保育士同士でのコミュニケーションを増やす事が複数担任を円滑に進めるのに大切になってきますよ。

複数保育の役割分担

複数保育の役割分担は、リーダー・サブ・雑用と3パターンあります。リーダーはクラスの中心になって活動を決めたり、進めたりする役割の人。そして、サブは個別対応が必要な子どものサポートやリーダーに対してフォローをする人。最後に雑用は、活動のために環境や道具などの準備や片付けといった雑務をこなす人のことです。どれも複数保育には重要な役割です。どの役割についても責任を持ってこなしましょう。

保育士くらぶ

保育園の配置基準

0歳児から2歳児クラスだと複数保育になる事が多い

では、前述で書きました配置基準について詳しく見ていきましょう。厚生労働省の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」では保育園の配置基準はこのようになっています。

  • 0歳児クラス 子ども3人につき保育士1人以上
  • 1歳児から2歳児クラス 子ども6人につき保育士1人以上
  • 3歳児クラス 子ども20人につき1人以上
  • 4歳児から5歳児クラス 子ども30人につき1人以上

上記を見てわかるように0歳児から2歳児の子どもたちは、配置される保育士さんの数が必然と多くなります。そのため、複数担任制になる事が多いです。

複数保育のメリット

複数だと安心して保育ができる

複数保育は人数が多いので、子どもを監視する目も多く安全性が高まります。子どもの体調不良や子ども同士のトラブルなどにすぐに対応することができ、ヒヤリハットや怪我、事故を予防することができるのです。クラスのことで何か困り事があるときも相談がしやすくて良いですね。新人保育士の方は特に経験豊富な保育士さんに相談しやすい環境だと保育がしやすいと思います。経験豊富な保育士さんがそばにいると、その保育士さんの動きを見て保育の仕方を学んで自身のスキルアップにも繋がりますね。

一人一人の仕事の負担が少ない

一人担任での保育だと、クラスの計画や活動内容などを決めて子どもたちを活動に導入するところから片付けまで基本的には一人で行う必要があります。ですが、複数保育だとその作業が分担して行うことができるので残業も減り、一人ひとりの仕事の負担が少ないのが嬉しい点ですね。また、保育を行う内容の中で自分が得意なことや不得意なことがあると思います。複数保育では、お互いが得意なことや不得意なことをフォローしてできるので苦手な事を無理してやらずに済む点もとても良いメリットですね。

複数保育のデメリット

人間関係でストレスがかかる

複数保育では、他の保育士に気を遣ってしまいストレスがかかってしまうこともあるでしょう。保育士の環境は構成人員がほとんど女性ということもあり、人間関係が悪化したりこじれたりといった事が多いです。連携や情報共有が取れなかったり、仕事を人任せにしたりといったことがあると余計にストレスが溜まります。解決策としては、他の保育士さんに過剰に期待をしないこと。自分で出来ることは自分でやる。その方が、クラスもうまくいって自分もストレスがかかりませんし、子どもたちにも影響を与えずに済むでしょう。

保育の価値観が合わないと揉める原因になる

保育の価値観が合わないとそれによって他の保育士さんと揉めてしまうこともあるかもしれません。保育士さん同士で保育の価値観を統制しないと、クラスがうまくまとまることはとても難しいです。定期的に話し合いを行い、意見をまとめるようにしましょう。保育の価値観は人によって違います。全員があなたの価値観と合うとは限りません。話し合いの中で妥協できるところは妥協するようにしましょうね。

複数保育でクラスがうまく行く方法9選

スケジュールを確認する

その日のタイムスケジュールを事前にわかりやすいところに書いてみんなで把握できるように準備しておきましょう。タイムスケジュールを可視化する事で、少し時間が余ってしまった時も調整がしやすくなります。その余った時間で日誌を書くことや事務作業をしたりと効率よく業務がこなせるかもしれません。余裕を持って次の活動に移れるよう書き出して準備しましょうね。

子どもたちを自然にまとめられるように

朝の会やおやつの時間などで子ども達のことをどうしてもまとめないといけない時間もあると思います。しかし、保育士が強引に先導するのではなく「子ども達と次の活動を楽しもう!」といった気持ちでアプローチを行いましょう。子ども達のことを先導することやまとめるといったことを意識することも大事ですが、子ども達が楽しく活動できるようなサポートをしてあげることも大切ですよ。無理にまとめる事をせず、子どもたちを自然にまとめられるように動くようにしましょう。

事前準備や説明を怠らない

活動への事前準備や子ども達への事前説明を怠らずにやりましょう。子ども達のやる気やモチベーションの向上にも繋がります。当たり前なことでも、事前に活動について伝える事で子ども達はきちんと守って行動をしてくれますよ。特に行事のときは普段と違う動きをするので、子どもたちが混乱しないように入念に行いましょう。複数保育で行う事は園によって違いがあります。必ずやる事を確認して認識のズレがないようにしたいですね。

上手くまとめられなくても焦らない

上手くまとめられなくても焦りは禁物です。子どもが上手く活動に移るには、子どものペースで出来るように支援してあげることが大事ですよ。早くクラスをまとめようとすると過程を省いてしまいがちです。活動の導入から流れまできちんと子どもたちに合わせて指導をしてあげましょう。クラスがまとまるには時には協力することも必要です。保育士同士でお互い助け合うことも意識してみてくださいね。

ほうれんそうをこまめに行う

報告・連絡・相談のほうれんそうはこまめに行いましょう。自分だけが知っていても情報を共有しないといった自分勝手な行動はNGです。必ず些細な気づきでも他の保育士さんに相談してみましょう。ほうれんそうをこまめに行うことでヒヤリハットや怪我、事故を事前に防ぐことができますし、保育士同士の連携もうまくいきますよ。積極的にほうれんそうを行うことで、保育士間のトラブルも防げると思います。

コミュニケーションを大事に

保育士同士のコミュニケーションを大事にしましょう。前述で書いたほうれんそう(報告・連絡・相談)はもちろんのこと。定期的に話し合いの時間を設けることも大切です。また、基本的な挨拶も忘れてはいけません。コミュニケーションを積極的に取ることで、保育士間の信頼関係の構築や自分自身の精神安定、仕事の効率化にもつながります。クラスをまとめる上でもとても大事なことです。まずは日頃の挨拶からしっかり行ってみましょう。

話しやすい雰囲気作りをしよう

保育士同士が明るくて話しやすい雰囲気だと、ほうれんそう(報告・連絡・相談)や挨拶もしやすくてクラスの雰囲気も良くなります。明るく話しやすい雰囲気を作るには、ネガティブな感情は表に出さずに心の中にしまっておくことが大事ですよ。愚痴を言いたくなることもあるかもしれませんが、愚痴は職場ではなくて家族や信頼できる友達に言う方が雰囲気を壊さずに済みます。しかし、保育士同士が仲良しこよしになり過ぎてしまっては時に公私混同になってしまう出来事もあるかもしれません。あくまで仕事上で差し支えがない程度に話しやすい雰囲気作りをしましょうね。

完璧になりすぎない

保育に対して完璧になりすぎていませんか。また、新人保育士さんだと他の保育士に怒られるのが嫌で常にいかに怒られないかということばかり考えてはいませんか。そうすると子ども一人一人に上手く目が向けず様子が伺いづらいでしょう。完璧主義すぎると自分に対しても相手に対しても厳しくなり、人間関係も悪化してしまうかもしれません。子どもに対してもつい完璧を求めてしまいがちになってしまうかも。クラスがまとまるためにも完璧主義は卒業しておおらかな気持ちで保育に挑みましょう。

感謝の気持ちを持って保育する

クラスがまとまって動けるのは自分の力だけではありません。一緒のクラスで複数保育をしている保育士さんたちはもちろん。クラスがまとまるために動いてくれる子どもたちへ常に感謝の気持ちを持って保育を行いましょう。常に感謝の気持ちを持って保育をすることで、周りの雰囲気も良くなりますし、保育士や子どもたちとの信頼関係も築くことができます。良好な関係性を作るためにも感謝の気持ちを忘れず、些細なことでも日頃から感謝の気持ちを言葉に伝えましょう。

保育がうまく行かないとどうなるか

スケジュールが予定通りにいかない

保育がうまくいかないと、園での生活のリズムも崩れてしまいます。園でのスケジュールが思うようにいきません。子どもたちへ保育士さんの指示がうまく通らず、子ども自身も自分が今何をしたら良いのかが分からなくなってしまいます。スケジュールが予定通りにいかない弊害は他にも仕事の生産性が下がることやミスが増えたり、精神的にも余裕がなくなってしまいます。

子どもたちにも影響が出る

保育がうまくいかないことで影響が出るのは、保育士さんだけではありません。まとまらないクラスにいる子どもたちにも影響がでます。子どもが保育士さんの話をうまく聞いてくれないことや勝手に走り回ったりしてしまいます。1人の子どもが勝手な行動をしてしまうとその子のことを真似してしまう子も出てきてしまうかもしれません。保育がうまくいかないと保育士さんの言うことを子どもが聞いてくれなくなったり、なめられてしまったりするのです。

まとめ

保育士同士の協力で複数保育が上手くいく!

ちょっとした価値観の違いが時に保育士間のトラブルにつながり、クラスの雰囲気も悪くしてしまいます。複数保育がうまく行くには、まずは話しやすい雰囲気作りをしてコミュニケーションを円滑に取れるようにしましょう。そうすることで情報共有がうまくいき、クラスの雰囲気もよくなり、保育士間の信頼関係の構築や仕事の効率化などにつながるのです。楽しく複数保育をするためにみんなで協力して、良いクラスの雰囲気を作ってみてください。

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