部分実習の指導案の書き方をレクチャー!【指導案・日誌・内容・活動例など】

保育士を目指す学生さんにとって、保育の実習は避けて通れません。保育実習の中でも、部分実習と言って決まった時間で保育学生がクラスの指導を行うために設けられた実習があります。では、部分実習とは一体どんな実習を行うのでしょうか。今回はそんな部分実習の活動内容や指導案の書き方、実習日誌の書き方、部分実習で役立つ活動、注意事項などをご紹介します。これから保育実習を迎える学生さんは、ぜひ参考にしてみてください。

部分実習とは?

決まった時間で保育実習生がクラスの指導を行う事

部分実習とは、園における決まった時間の中で保育実習生が主導になり、担当のクラスの指導を行うことです。部分実習では、保育実習生が自分達で何を行うかを導入から活動の流れまで考えなければいけません。必要な道具や材料に関しても自分たちで用意する必要があります。例えば、なぞなぞをするなら自分でなぞなぞを調べて覚えたり、メモしたり、本を用意したりといったことを自分でしなければいけません。自分で用意することは大変かもしれませんが、上手く行くことで達成感を感じられますよ。

保育士くらぶ

保育実習はなぜ行うの?

実際に保育の場に出て学ぶことが目的

保育実習はなぜする必要があるのでしょうか。ここでは保育実習の必要性について、解説していきます。保育学生の皆さんは、普段は机の上で保育に関することや子どものことなど保育士になる為に必要なことを学んでいますよね。それらの知識を活かし実際の保育の現場に出てみるというのが実習の目的です。しかし、実際に保育士になった時に思い通りにいかないことの方が多いのが現実。保育の現場に出てみないと分からないことを身をもって学ぶのが保育実習です。

保育実習の期間

合計で40日間行う事が定められている

保育実習の期間について、厚生労働省の「指定保育士養成施設の指定及び運営に関する基準」では20日+10日+10日の合計40日とされています。この10日間を連続して行うか又は週に1日あるいは隔週で1日という具合に行うかは学校によって異なります。時期については、年次修了時に行う学校や入学してすぐに始まる学校などさまざま。意外と長いと思うかもしれませんが、実際に実習をしてみるとあっという間だったりします。実習中に子どもたちとの思い出をこの40日間で沢山作れると良いですね。

部分実習の活動内容

子ども達と遊ぶのが主な内容

具体的な部分実習の活動内容をご紹介します。実際にどんなことをどこまでするのかは保育園や幼稚園によって異なります。例を出すと、制作や遊び、読み聞かせなどで子どもたちとのコミュニケーションをすることが主な部分実習の内容。場合によっては、帰りの会を担当することもありますよ。子どもたちが取り組みやすいように導入から遊びの流れまで考えて部分実習を行いましょう。

部分実習の指導案の書き方

ねらいの書き方

指導案の書き方では、ねらいの部分が難しいという人が多くて書くのに苦戦するようです。活動内容やその日の流れを先に記入して、その中からその日のねらいを探すと分かりやすいかもしれませんね。どうしてもねらいの書き方が分からなければ、時間の余裕がある時に担当保育士に聞いてみてもよいでしょう。 遊びのねらいの書き方は「遊びの名前+ねらい」で検索すると分かりやすいです。保育士くらぶでも遊びの名前で検索すると記事中にねらいが出てきますのでぜひ活用してみてください。

文章表現の仕方

指導案を書くときは基本的な文書のルールや表現の仕方にも注意する必要があります。文章のルールや表現の仕方の例は以下の通りです。参考にして文章を組み立ててみましょう。

  • 語尾の文末表現をだ・である調やです・ます調で統一すること
  • 主語がぶれないようにすること
  • 「子どもと◯◯をしてあげる」といった上から目線な表現を使わないこと
  • 誤字脱字がないようにすること

実習中にメモを取って参考にする

実習の合間や休憩時間に、子どもたちの様子や起こったことをメモしておくと指導案にとても役立ちます。業務中にメモするのが難しい場合は、環境や子どもたちの様子で感じたことを記憶しておくなどすると指導案がスムーズに作成できますよ。とにかく細かい事でもメモを取ることが大事です。その時は何でもないような事でも、指導案を書きながらこういう意図だったのかもしれないと思いつくことがあるかもしれませんね。

部分実習の日誌の書き方

部分実習の日誌のフォーマット

部分実習の日誌の書き方は学校によって定められています。一般的なフォーマットとしては以下の通りです。

  • 日付
  • 天気 
  • クラス名
  • 人数
  • 出欠状況 
  • 担当保育士 
  • 実習の目標やねらい
  • 保育活動の内容 
  • その日の流れ(子どもたちや保育士、実習生、保護者などの動き) 
  • 感想

このような内容で部分実習の日誌を書いていきます。また、家で部分実習の日誌を書くよりも園に残って書いて帰る方が分からない点があった時に周囲の保育士さんに聞くことができますのでオススメですよ。

計画性を持って部分実習の日誌を書く

多くの保育実習生が苦労しているからこそ、実習日誌は計画性をもって記入することが大事です。実習日誌を書くには、園の環境や子どもたちの様子など情報を集めなければなりません。また、部分実習での印象に残ったエピソードや反省点、改善点などを振り返ることも実習日誌を書く上で大事ですよ。一番記入の大変な感想の欄は、今日はこの子に着目してこの子のことについて書くと最初から目標を立てておくと記入が楽です。

部分実習に役立つ活動の例5選

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせには、想像力や集中力、コミュニケーション能力といった様々な能力が上がることがメリットとしてあります。初めて子どもに向けて読み聞かせを行うときはとても緊張するかもしれません。しかしコツをつかむことで初めての保育学生さんで問題なく読む事ができますよ。子ども達に読み聞かせを行うコツとして保育学生さんも楽しみながら子ども達の顔もちゃんと見て子どものペースに合わせて読むことが大切です。また、絵本選びにも迷うことがあるかもしれません。そんなときは周りの頼れる保育士さんに相談して選んでみましょう。

製作遊び

部分実習におすすめの製作遊びとしておりがみもおすすめですよ。みんなで折ってみてはいかがでしょうか。おりがみは指先の神経を発達させ器用さが身に付くだけでなく、集中力や思考力など子どもの様々な能力を鍛えることができる遊びです。折れるおりがみの種類を増やし、楽しみながら取り組めそうですね。おりがみの中にも難易度が様々あるため、年齢によって発達レベルに合わせたおりがみを行いましょう。 

手遊び

手遊びは道具に頼らず簡単に楽しめるのが嬉しいポイント。また、手遊び歌は活動前後の切り替えや園児をまとめたいとき、注目を集めたいとき、活動の導入といったことにも大活躍します。子どものリズム感や手先の器用さも育てることができるため、保育の中でも手遊びは積極的に取り組みたい遊びです。季節に合わせた手遊びを取り入れると季節の移り変わりを感じることができますよ。

なぞなぞ

頭を使って楽しめるなぞなぞ遊び。考えることは子どもにとっても良い刺激になります。問題と答えを覚えとくだけでできるので部分実習中におすすめな遊びですよ。なぞなぞは、給食の時や散歩の時など場所を選ばずに色んな場面で出すことができます。なぞなぞをする時は、すぐに答えを言わないように気をつけましょう。子ども達が考える機会を作ってあげることが大事です。2歳以下の子どもは、まだ言葉の意味がうまく理解できないことがあります。そのため、ヒントを教えてあげたりといった子どもの発達に応じて楽しめる工夫をして取り組みたいですね。

簡単にできる集団遊び

簡単にできる集団遊びもおすすめです。集団遊びの代表例として、フルーツバスケットやしっぽ取りゲーム、真似っこゲームなどが挙げられます。集団遊びはルールが理解できるようになる3歳ごろから行いましょう。遊びのアレンジの仕方では2歳児くらいから楽しむこともできますよ。まずは、保育学生さんがお手本を見せると遊びのイメージが伝わりやすいですよ。さらに、子ども同士で教え合うことで協調性が高められたり、より仲良くなるきっかけも与えられますね。

部分実習を行う時に気をつけたいこと

身だしなみやマナー

まず大事なのが服装や髪型といった身だしなみです。服装に関しては、ジャージやTシャツなどといった指定があると思います。だらしなく見えないようにちゃんと着こなしましょう。髪が長ければまとめたり、爪も短く切りましょう。マニキュアやアクセサリーは子どもが触れたら危ないので禁止です。メイクも最小限の薄化粧が好ましいですね。敬語を正しく使い、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

子どもたちとの接し方

笑顔、声の大きさは特に周囲に見られています。まずは元気に子どもたちに笑顔で話しかけることを心がけましょう。子どもたちと目線を合わせることも大事なポイントです。そしてときには、子どもたちの手助けをすぐにせずに子どもたちの様子を見守るということも必要になってきます。子どもたちが喧嘩をしてしまった際には、一方的に叱らずに話を聞いてあげましょう。子どもたちの接し方について気を付けるべきポイントは様々ありますが、自分にできることを精一杯やれば大丈夫ですよ。

質問するタイミング

初めての保育の現場なので分からないことがあるのは当然。分からない事を分からないまま自分の判断で進めてしまうとトラブルになってしまうこともあります。分からない時には、担当保育士もしくは他の保育士に分からないことを質問してOKです。質問をするタイミングは、例を出すと子どもの突然具合が悪くなった時やケガをしたといった緊急時はためらわずに相談しましょう。緊急性がなければメモしておき業務終了後に質問しましょう。初日は特に分からないことだらけかもしれませんが、学ぶ姿勢を持って臨みましょうね。

まとめ

ねらいを考えることで目的を持って部分実習ができる

今回は部分実習についてまとめてみました。いかがでしたでしょうか。ねらいを考えることで部分実習が目的を持って行うことができます。ねらいの定め方がわからない時は周囲の保育士さんに聞いてみるとスムーズにねらいが定められるかもしれません。保育実習は、保育学生さんがはじめて経験する保育の現場です。期待する反面で不安も大きいと思います。しかし、実際に現場に立った時に不安な様子を子どもたちに見せてはいけません。不安なことがあっても常に元気に笑顔で子どもたちに接しましょうね!

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