保母資格を利用しよう!【切り替え・保育士登録・いつまで・復職のポイント】

近年では保母さんという言葉を聞く機会もかなり減ったのではないでしょうか。現在では保育士という言葉が統一して使われています。昔は保育の現場で働くために取得していた資格は保母資格でしたが、現在は保育士試験がある通り、保育士の資格が必要となっています。そういった中で昔に取得した保母資格はどうなるんだろうと疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では現在保母資格はどのように利用できるのか、保母資格と保育士資格の違いは何なのかなど、保母資格に関する情報をお伝えしていきます。保母資格を昔に取った方などはぜひご確認ください。

保母資格とは?

かつての保育園で働く先生を保母さんと呼んでいた

1999年以前までは、保育所などの児童福祉施設で児童の保育にあたる女子職員の俗称として保母という言葉が利用されてきました。1999年に男女共同参画社会基本法が施行されたことも影響して、保育現場で働く男性も増えていきました。こういった経緯から女性限定の呼び方であった保母さんから性別にとらわれずに呼ぶことができる正式名称の保育士という呼び方に変わっていきました。

保育士くらぶ

保母資格の歴史

保母資格と保育士資格とおなじ役割を持っていた

保母資格は現在の保育士資格と同じ役割を持っていた資格です。保育士資格と同様に保育士としての試験に合格したことを証明する資格の一つとなっていました。2003年の11月に児童福祉法が改正されました。呼び方が保育士に統一されたという背景もあってか、保育士として働くためには保育士資格を必ず保有していなければならなくするというう変更がなされました。これによって、保母資格の証明書だけで保育士として働くことができなくなり、現在ではあまり名前を聞かない資格へとなっていきました。

どのように保母資格を使える?

保母資格を保育士資格に切り替えられる

保育士資格が国家資格として認定される前に保母資格を取得していた方もたくさんいることでしょう。そういった方々が保育士として働くためには保育士資格へと切り替えることが必要とされています。保育士資格がなかったとしても保育園でパートやアルバイトとして働くことは可能ですが正社員として働くことはできません。パートやアルバイトの面接も有利に進むことが多いのでそういった働く機会を求めている方は保育士資格への切り替えをお勧めします。

履歴書に書くことができる

上でも述べましたが保母資格は履歴書に書くことができます。保育士資格として扱われないことには注意が必要で、決して「保育士資格保有」と記載しないように気をつけましょう。何度も述べるようですが、保母資格はあくまでも証明書に分類され、現在保育士として働くためには保育士証の交付を受けておくことが必須となっています。しかし保母資格を持っていて保育士証を交付されていないという状況であったとしても、人と接する機会が多いサービス業の職場などに応募する場合であれば良い印象を与えることでしょう。ということで保育士証の交付を受けていない場合でも、保母資格の所有を履歴書に書くことをお勧めします。

保母資格の有効期限

保母資格に期限はない

保母資格が保育士資格と統一された現在において、保母資格は利用できなくったのかという方々もいるかもしれませんが、そんなことはありません。保母資格には有効期限などはないので今現在でも保母資格を保持している状況のままであるということになります。しかし、ただ持っているだけでは持っていないのと変わらなくなってしまいます。せっかく持っているならば利用できるところでは利用してみても良いのではないでしょうか。

保育士資格への切り替え方法

保育士登録の手引きを取り寄せる

まずはじめに保育士登録をするための書類を取り寄せる必要があります。登録手続きを行うために登録事務処理センターから保育士登録の手引きを受け取ります。なお受け取るための手順の紹介を行います。送信用の封筒と返信用の封筒の二つを用意してそれらに必要金額分の切手を貼りましょう。二つの封筒に赤字で「保育士登録の手引き〜部」と請求内容を記載しましょう。送信用封筒には登録事務所センターの郵便番号と住所を、返信用封筒には自身の郵便番号や住所、氏名を記載しましょう。準備ができたら必要情報を明記して切手が貼ってある状態の返信用の封筒を送信用封筒に入れてください。この際には返信用封筒を折り畳んでも構いません。以上が終わったら送信用封筒に封をして、郵便ポストまたは郵便局から郵送して第一段階終了です。

手数料の支払いや申込み用紙の記載を行う

保育士登録の手引きを受け取ったら、返信された封筒の中に同封されている専用の払い込み用紙を用いて保育士資格への切り替え手数料を払います。登録料は1人当たり4,200円となっています。なお手数料支払いの手順の紹介も行います。専用の手数料支払い用紙の住所や氏名を書く欄全てに記入してください。ATMでは支払いができないのでその書類を持って郵便局の窓口で払い込み手続きを行いましょう。振替払込請求書権受領書と振替払込受付証明書に日付入りの押印がされていることを確認して受け取りましょう。これらの書類は今後の申請に利用するので大事に保管しておいてくださいね。

申請に必要な書類を用意して提出する

次に保育士証を申請する際に必要な書類を用意しましょう。保育士登録の手引きを受け取った際に同封されていた保育士登録申請書の記入を行います。次に手数料を払った際に受けっとた振替払込受付証明書を保育士登録申請書に貼り付けましょう。次に保母資格の証明書の原本と現在の戸籍謄本を準備しましょう。これらすべての書類が揃ったら封筒に入れて、再び登録事務処理センターへ送りましょう。各都道府県では申請書類の受付を行っておらず、都道府県の委託を受けた登録事務処理センターが一括で受け付けています。また、登録事務処理センターは直接の受付を行っていないので必ず郵送で送付しましょう。しっかりと確認して送るようにしましょう。

保育士証の交付

ここまでのステップを丁寧にミスなく行えていれば、あとは待っていれば保育士証が届くはずです。申請を受け付けてから実際に保育士証が交付されるまでには約2ヶ月ほどかかるとされているので、すぐに届かないからといって焦る必要はありません。時間が経って保育士証を受け取ったら、晴れて保育士として働く頃ができるようになります。保育園などへの応募を先にしてしまっていると、早く受け取れないかと焦ることになってしまいます。保育士証の発行が必要になりそうだなという際には、できるだけ早めに申請をおこなっておくことなどをおすすめします。確認作業も丁寧に行う必要があるので、できる限り余裕を持ったスケジューリングをすると良いでしょう。

保育士に復職するポイント

各自治体の支援事業を頼ろう

保育現場で働くとなっても、ブランクがある方は復職を不安に感じることもあるでしょう。さまざまな悩みや不安を抱えている方にお勧めしたいのが各自治体の支援事業です。現在では多くの自治体が保育の現場への復帰を目指す方々への復職支援を行っています。地域によっては、復職希望者へのセミナーや人材斡旋までしていることもあります。長い時間保育の現場から離れてきた方には心強い支援と言えるのではないでしょうか。雇用形態も地域によっても違うので調べることにも協力してくれることでしょう。周囲の助けを借りながら復帰への道を目指すのはいかがでしょうか。

今の保育を知ろう

特に保育の現場から離れている時間が長かった方やそこまで長い期間働いていなかった方は保育の情報に触れておく必要があるでしょう。昔と異なり現在の保育の現場は多様化しています。公立の保育園だけでなく企業に併設されている保育園や医療従事者の子供たち用に作られた保育園など多岐にわたっています。保育園の形態なども変わってきて、保母資格を利用していた頃とは働き方も子供たちとの接し方も変化していることでしょう。情報を集めて自分の生活や性格に合った保育園を探したり、働き方を見つけていくと良いのではないでしょうか。

保母資格のよくあるトラブル

名前が変わっているとき

結婚や家庭の事情で保母資格を取得したときと氏名が変わっているという方が保母資格を持っている方の中にも多くいらっしゃることでしょう。その場合でも心配する必要はありません。住んでいる地域の役所から戸籍抄本や個人事項証明書を受け取り、保育士登録の申請書を送る際に併せて送付しましょう。書類の中にもともとの氏名と新たな氏名が記入されていることをチェックし、氏名変更の経緯も確認できるようになっているか注意しましょう。またそれらの証明書の有効期限は6ヶ月以内と定まっているので、期限内のものであるかも併せて確認を忘れないようにしましょう。

取得証明書をなくしてしまったとき

保育士登録申請を行う前に保母資格証明書をなくしてしまったということもあるでしょう。また、保母資格を取得できた時期は10年以上前であったため「そんな昔の書類を保管してないよ」という方もいらっしゃることでしょう。そういった方々も安心で、現在も保母資格の再発行は可能となっています。登録事務処理センターのホームページにある保育士証の再交付申請手続きというところから再発行の申請ができます。落ち着いて再発行を待ちましょう。

先に就職先が決まってしまったとき

上で述べたように、保母資格から保育士資格へと切り替えて保育証を受け取るまでには多くの作業と短くない時間を必要とします。可能な限り早めに切り替えの手続きを行うことをお勧めします。しかし場合によっては実際に保育士証を受け取る前に、希望の保育園の応募期限が迫っていたりということがあるかもしれません。そういった場合でも心配する必要はありません。保母資格を所有している方が保育士資格を受け取ることができるのは間違いありません。その旨を保育園にしっかりと伝えて、保育証を受け取り次第提出すれば問題ないことでしょう。

まとめ

保母資格に有効期限はないので活用しよう

いかがだったでしょうか。ここまで保母資格に関して、保育士との違いや保育士資格への切り替えの方法などについて説明をしてきました。また保母資格に関するよくある質問やトラブルについても参考にしてみてください。保母資格は有効期限もなく保育士資格への切り替えも可能です。保育士資格への切り替えを行い、現在の保育事情を調べて、保育の現場で働いてみるのはいかがでしょうか。ぜひ保母資格を活用してみてください。

よくある質問

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