2歳の子どもは、この時期の子どもの言葉の発達には個人差があり、発達の度合に応じて対応を変えていくことも重要です。では、そんな2歳の子どもに適切な室内遊びは一体どのようなものがあるのでしょうか。今回は2歳の子ども達にぴったりな室内遊びのアイディアや注意点、ねらいについて解説しました。保育だけでなく、保護者の方もぜひ日頃の遊びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
2歳の子どもにはどんな特徴がある?
2語文や3語文を話すようになる
2歳ごろの子どもはそれまでに周りの大人たちから吸収してきた言葉を一気に表出して話し始めます。「ブーブー、乗る」などの2語文を話すようになり,発達の早い子は「ブーブー、こっち、来た」などの3語文も話すようになります。また、自分が感じたことも徐々に言葉で表現ができるようになりますよ。「きれい」や「かっこいい」など言葉の表現が豊かになり、語彙も増えてくるので言葉の世界が一気に広がりを見せる時期だということができるでしょう。
好奇心が芽生える
2歳ごろになると、どんどん好奇心が芽生えてきて日常のあらゆることに対して疑問が出てきます。そのため「これはなあに?」などと子どもから尋ねることも多くなります。様々なことに興味を持って誰かに疑問を投げかけることで子どもの語彙や知識が豊富になり、思考力や創造力の発達していくでしょう。好奇心が連動して日常生活において様々なことを徐々に自分でやろうとし始めるので,発達の度合に応じてお子さんに任せること段々とを増やしてみるのがいいかもしれませんね。
走ったり飛んだりすることができるようになる
歩くのはもちろんのこと、走ったり跳ねたりなど体力や筋力の発達で様々な動きが出来るようになるのが2歳児です。指先も器用に動かせるようになるので、手を使った遊びができるようになります。自我の芽生えが動きにも影響してくるので、大人が見ていない隙に勝手に動いてしまうこともよくあること。そのため2歳児は、行動範囲が広がるので遊びを始めとした日常における行動に保育士さんは細心の注意を払うことが大切です。
生活能力が向上する
2歳ごろというのは,生活能力の向上も著しい年頃。手先が器用になってくるので、それまで手づかみで食べていたのがスプーンやフォークを使って食事ができるようになります。また、個人差は大きいものの自分から排せつ知らせるようになったり、誰かに促されたうえで自分からトイレでの排せつもできるようになってくる子も。他にも衣服の着脱や片付けなども徐々に自分でできるようになることが増えてきます。ある程度子どものことをサポートすることも大事ですが、大人がサポートをしすぎずあえて様子見をするということも大事にしましょう。
自我が芽生える
2歳ごろは、自我が発達してくる時期。精神的や身体的な発達や好奇心の芽生えから、今まで出来なかったことにチャレンジしようとして時に頑ななまでに大人の手伝いを嫌がり自分でやろうとすることもあります。自分の意思を強く持ち始めるので保育士さんにとっても特に苦労する年齢ではないでしょうか。自分でチャレンジして取り組んだことがうまくいけば、それは小さな成功体験となり自信へとつながっていき更なる自立心、自発性の発達につながりますね。
イヤイヤ期に突入
イヤイヤ期は子どもが言うことを聞いてくれなかったり、何に対しても嫌だと言ったり、不満があると泣いてしまう時期や期間のことです。イヤイヤ期については様々な研究がされていますが、半数が1歳半以降、7割以上が2歳からイヤイヤ期を実感したという結果が出ています。しかし、イヤイヤ期は必ずしも全員が通るとは限りません。イヤイヤ期がなかったという場合もあります。同じ年齢の子が集まる園でも、イヤイヤ期がある子とない子がいるため、全員に同じ対応をすれば良いというわけではないことを理解しましょう。
2歳児におすすめの室内でできるゲーム
モノマネゲーム
何の真似をしているのかを当てるシンプルなゲームです。前に出て、動物を始めとした身の回りのものを再現した動きをし、他の人は、その姿を見て何の真似をしているのか当てます。まずは、保育士さんがお手本を見せてあげると導入がしやすいです。慣れてきたら、子どもたちが真似っこする側に回っても面白いかもしれませんよ。動物、有名人、アニメの人気キャラなどお題を決めるとなお楽しめますね。
見立て遊び
見立て遊びとは、目の前に存在しない物や身近にある物を別のものに見立て想像を膨らませて遊ぶこと。別名、模倣遊びとも言われています。2歳以下の小さな子達でも遊ぶことができます。例えば、ぬいぐるみにストローをつけて飲み物を飲ませる仕草をしたり、おもちゃを電話に見立てて電話をかける仕草をしたりと身近にある物を見立てて遊ぶのです。見立て遊びを子ども達が行うことで、豊かな想像力や観察力を身につけることができますよ。
粘土遊び
粘土遊びは、自分が好きなように自由に粘土で色んなものを作ることができ、幅広い年齢の子どもが楽しむことができます。粘土遊びでは、触れる・つかむ・ちぎる・丸めるといった触り心地を楽しむことができます。粘土の種類は、油粘土や紙粘土、身近なものだと寒天や小麦粉などを使い簡単に遊ぶ事ができますよ。粘土遊びの大きなねらいとしては、以下の3つが挙げられます。
・大脳を刺激して五感を養う事ができる
・感触の変化を楽しめる
・イメージを膨らませて作るので想像力が高まる
寒天や小麦粉などは子どもによってはアレルギーの危険性もあるので取り扱う際には注意しましょう。
マット遊び
2歳は動きが活発になってくる年頃です。2歳の子どもにとってマット遊びは体を自由気ままに動かすことで楽しめる室内でできる運動遊びの一つです。マット遊びは、怪我しないように安全管理をきちんと行いましょう。2歳児はまだ体を動かすことに慣れてないですし、発達の状況も子どもによって違います。そのため、子ども一人ひとりの成長具合に合わせて難易度を設けることが大事になってきます。マット運動は小学校でも今後授業で習うので、小学校の準備も遊びの中でできますよ。
なぞなぞ
頭を使って楽しめるなぞなぞ遊び。考えることは脳にとって良い刺激になるのでおすすめな遊びですよ。なぞなぞは、給食の時や散歩の時など場所を選ばずに色んな場面で出すことができます。なぞなぞをする時は、すぐに答えを言わないように気をつけましょう。子ども達が考える機会を作ってあげることが大事です。2歳の子どもは、まだ言葉の意味がうまく理解できないことがあります。そのため、ヒントを教えてあげたりといった子どもの発達に応じて楽しめる工夫をして取り組みたいですね。
製作遊び
2歳の製作遊びにはフィンガーペイントがおすすめです。フィンガーペイントとは、筆を使わずに指で絵を描いて作る汚れないで遊ぶことができる製作遊びのこと。まだ、手先が器用ではない子どもにはぴったりの製作遊びですね。フリーザーバックを用いることで、指に直せず触れずに感触遊びができますよ。汚れる心配がなく子どもが絵の具を舐めてしまうことも防ぐ事ができる安心して遊べる製作遊びの一種です。
2歳児の室内ゲームでのねらいは?
集団で遊ぶことでルールを覚えることが出来る
お友達と一緒に遊ぶ楽しさを学んで、ルールを遊びの中で覚えるといったことが求められます。室内遊びの中でも特に集団遊びはルールを設けて遊ぶものが多いです。そのルールを正しく理解して遊ぶには、周りのお友達とコミュニケーションをうまく取れるようになることが大事になります。自我が芽生えるこの時期だからこそ、遊びの中で他のお友達のことも考えて遊べるようになることはとても重要なことだといえるでしょう。
社会性や協調力が身につく
遊びで道具を使う時は一緒に遊ぶお友達と道具の貸し借りのルールを守り、楽しく遊ぶことが求められます。小さい子たちは、遊びの中でもお友達とのトラブルがつきものです。中には道具を貸してあげられなかったり、お友達が作ったものをわざと壊してしまう子もいるでしょう。そんなトラブルを自分たちで解決できるようになると社会性や協調力が身に付きます。また、子どもの協調性が育つとやっていいことと悪いことの善悪も理解することができますね。
コミュニケーション能力が上がる
コミュニケーション能力とは、日常生活で他者との意思疎通が問題なくできる能力のこと。保育で様々な遊びを取り入れることで周りのお友達と遊びながらコミュニケーション能力の向上が期待できるのです。ルールを設けた遊びをすることでさらに子どものコミュニケーション能力を向上することができます。コミュニケーション能力を身につけることによって自然とお友達と会話したり、友達同士のトラブルを回避する効果もありますよ。
室内でゲームをするときの注意点
安全管理をきちんと行う
2歳児の子達は特に好奇心旺盛です。しかし、どんな行動をしたら危険かということがまだわからない年齢であります。遊びをしていく中でどれだけ保育士さんが気をつけててもヒヤリハット(事故になってもおかしくない一歩手前の出来事)は時に起きてしまうもの。そのため、保育士さんが常に子ども達の遊び場所の安全管理を怠らないようにしましょう。危険な行為をしそうだと気づいた時にすぐに言葉かけを行うことが大事です。
自主性を重んじる
自主性とは、自分がやりたいことを見つけ、判断して色んなことに取り組むことを言います。子どもの自主性を育てるには、保育士さんがサポートをしすぎないようにしましょう。放任すぎるのも、過干渉しすぎるのもダメなのでバランスが大事です。なるべく子どもの自主性を尊重し、できる限り介助をせずにやりたいことをやらせてあげましょう。しかし、危険なことや他の子どもに危害を与えそうになった時は指導してあげてくださいね。
様々な遊びを取り入れる
同じ遊びばかりではマンネリ化してしまい、子ども達は飽きてしまいます。新しい遊びやゲームを定期的に取り入れましょう。今回ご紹介した2歳児が遊べる保育の遊びやゲームをぜひ園で取り入れてみてください。出来るだけ多くの遊びを取り入れることで子ども達は様々な能力を身につけることができます。色んな遊びやゲームを行うことで子どもたちの視野が広がるきっかけにもなるかもしれませんよ。
まとめ
子ども達と室内で楽しくゲームをしよう!
今回は、2歳児の子ども達とできる室内で遊びとゲームについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。保育やご家庭で使えそうな遊びのネタは見つかりましたか。室内でできる遊びやゲームは天候が悪い時でも子ども達と楽しむことができます。子ども達と楽しく室内遊びやゲームするには、子どもがちゃんと遊びやゲームを楽しめているのか、安全面は問題ないかを常に保育士さんが気を配ることが大切。子ども達が遊びやすい環境を整えることで遊びの効果が更に増します。明日から子ども達と楽しめそうな遊びやゲームが見つかれば幸いです。
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