保育士になるための大学の選び方とは【大学について・選び方・メリット】

児童福祉法により指定保育士養成施設を卒業した者or保育士試験に合格した者でなければ保育士にはなることができません。指定保育士養成施設とは、児童科や保育科といった保育士・幼稚園教諭を養成する科や学部などを持つ4年制大学・短期大学、および専門学校の事です。指定保育士養成施設の課程を修了し卒業すれば保育士としての資格が取得できます。今回は、指定保育士養成施設の中の大学の選び方について詳しくまとめました。保育士を目指す学生さんは特に要チェックですよ!

保育士になる手段はどんなものがある?

保育士試験を受ける

保育士として働くのに、保育士試験を受けて保育士資格を得ることも手段の一つです。保育士試験とは、国家資格である保育士資格を取得するための試験のこと。保育士資格は一度取得すれば一生使用することができる資格です。無資格で保育補助という働き方もありますが、保育補助は正社員よりもパートやアルバイトでの採用が多いのが特徴的。そのため、充実した福利厚生や雇用条件などのメリットがある正社員として働きたい方は、保育士資格を取得することをおすすめします。

通信講座を利用する

保育士試験を独学で勉強するのが難しいという方は通信講座を利用して受験し、保育士資格を取得するのも一つの手ですよ。保育士試験の合格率は約20%程度です。保育士試験に確実に合格するために通信講座や通学講座に通う方も多いようです。気になる保育士講座があったらぜひ一度資料を取り寄せてみましょう。保育士通信講座は各社特徴があります。苦手な講座のみ受講出来る講座もありますよ。保育士講座に申し込む前に自分の目で教材を確かめて自分が取り組めそうなものを選びましょう。 

保育士養成施設を卒業する

保育士になるためには、保育士養成施設を卒業することも一つの手段です。保育士養成施設には、4年制大学・短期大学・通信大学・専門学校があり、卒業と同時に保育士資格と幼稚園教諭の資格を取得することができます。大学だと特に他の資格も取得しやすいので選択肢の幅が広がりますね。学校によれば利益のために生徒を集めている学校もあるそうなので、学校を選ぶ際には見極めがとても大事になります。

保育士くらぶ

各保育士養成施設の違いとは?

学費と卒業までの期間

各施設の学費と卒業までの期間についてみていきましょう。4年制大学は、期間が長く、その分学費の負担も大きいというデメリットがあります。一方で、期間が長いのでゆったり学べる点や保育以外の一般教養を身に付けられるメリットがあります。短大は、卒業までの期間が2〜3年と短く、4年制大学よりも学費の負担が少なく済むでしょう。専門学校は、短大と同じく2〜3年で卒業でき、学費も3つの選択肢の中で一番低額というメリットがありますよ。

保育士を目指すための大学について理解しよう

大学の学部

保育士を目指すための学部は、保育学科、こども学科、幼児教育学科、初等教育学科などが挙げられます。専門的な保育の知識が学ぶことで、幼稚園教諭の資格も一緒に取得することができるのです。そのため、保育学科やこども学科に通う学生は両方の取得を目指す人が多いのが特徴的。保育施設では、両方の資格を取得している人材が求められる傾向があります。また、学校によっては幼稚園教諭と小学校教諭両方取得することもできますよ。どちらも取得してることで就職先の選択肢が広がるでしょう。

奨学金

大学に行くお金がないという方。安心してください。奨学金を借りることで、お金のことが心配なあなたも大学に通うことができるかもしれません。奨学金の中には、返済義務がない奨学金もあります。国や各都道府県が実施している保育士修学資金貸付制度は返済義務がありません。また、大学で独自に奨学金を設けてるところもありますので是非調べてみましょう。しかし、返済義務があるものは滞納することで滞納金が発生したり、給料が差押されてしまう可能性があるのでよく考えて借りるようにしましょう。

保育士を目指すための大学の選び方は?

場所で選ぶ

長くて4年間通うことになる場所です。大学の立地は大学選びにとって意外と重要な要素の一つ。治安の良さや自宅から通いやすいアクセスの良さを重視して選ぶと良いでしょう。電車通学になる方は、乗り換えがどのくらいあるかも把握しておくと無難です。乗り換えが多いと、トラブルで学校に遅刻してしまうといったこともあるかもしれません。そのため、乗り換えの数はなるべく少ないに越したことはないですね。

学費で選ぶ

できれば学費は抑えておきたいポイントですよね。大学へ通学する場合の学費は、年間120~160万円くらいが平均です。(初年度納入費)一方、通信制では年間20~25万円(スクーリング費別)と、通学制と比べ約6分の1とかなり負担が軽くなります。せっかく頑張って通っていたのに、学費が続かず諦めるといった事が無いように資格取得までにかかる費用を計算して、無理なく続けられる学校を選びましょう。

卒業のしやすさで選ぶ

入学を希望する大学の卒業率をできればチェックして欲しいポイントです。入学したものの、何らかの理由で中退してしまう人はいるものですが、それがあまりに多いのは大学のカリキュラムや授業などへの不満があるからかも知れません。ちゃんと卒業できる大学を見極めて選ぶのも重要です。また、なるべく早く保育士として働きたいという方は短大がおすすめです。短期大学の保育科なら最短2年で資格が取得できるので、学費も抑えることができますよ。

学習や就職へのサポートが充実してるか

卒業してすぐ保育士になれるわけではありません。保育園に入職して、はじめて保育士として働けるのです。4年制大学・短大も卒業時に就職サポートをしてくれます。卒業生の就職率などを参考に、手厚い就職サポートのある学校を選びましょう。また、通信制の大学の場合は、自宅での学習がほとんどを占めます。そのため、途中で挫折してしまう人がいるのも事実ですのでその点も考えて選びましょう。

オープンキャンパスに行ってみる

実際に大学へ足を運んでみるのも、大学の雰囲気を肌で感じることができるのでおすすめです。大学案内やホームページを見るだけでは得ることのできない情報も知ることができるかもしれません。モチベーションの向上にも繋がります。オープンキャンパスに参加するためには、事前予約が必要な場合もありますのでホームページで確認してから大学に行きましょう。筆記用具やパンフレットなどの資料が入るファイルなども忘れずに準備しましょう。

昼間に通えない方は夜間や通信過程もおすすめ

他業種で働いているけれど保育士になりたい方や子育て中だけど保育士として復職したいという方は、昼間に大学に通う時間が避けない方もいらっしゃるかもしれません。そういう方のための夜間学校や通信課程もあります。期間は全日(昼)課程と同じ2年制が多く、費用も全日制よりやや安いようです。働きながら、子育てをしながらでも学校に通って保育士を目指すことができますよ。

大学を選ぶメリット

大卒の資格を持っていると待遇が優遇されやすくなる

大学卒業という資格だけで、待遇が優遇されやすくなり、求人数も多くなるのでどんな業界でも就職がしやすくなります。また、その大学の偏差値が高ければ高いほど更に就職がしやすくなりますね。基本給、賞与、退職金などが大学は高く設定されてるところが多いそうです。学歴別の年間平均賃金によると女性は、大学・大学院卒が約290万、高専・短大卒が約258万、 高校卒が約213万となっています。
出典:厚生労働省「平均30年賃金構造基本統計調査」
月収の差はわずかであっても、長い目で見ると年収で差がつきますのでやはりその点は大学の方がおすすめです。

保育士以外の資格取得や授業を学べる

大学では、保育士以外の資格の取得や授業を学ぶことができて選択肢の幅が大きくなります。様々な学問の専門家から指導してもらえることは、大学に行く大きなメリットの一つ。大学では、さまざまな学門を学ぶのに最適な環境が用意されているのです。ゼミや研究室では、少人数でじっくり学ぶことができます。大学で幅広く教養を身につけて、就職に活かせる高度な専門知識があることはあなたにとって大きな強みになりますよ。

保育分野以外の就職もしやすい

保育を学べる学部に行ったとして、必ずしも保育士にならないといけないわけではありません。大学に行って様々なことを勉強する中で、興味分野が変わり、やりたいことが変わってくることもあるでしょう。大学だと途中でやりたいことが変わっても他の分野の就職もしやすい点もメリットとして大きいです。学校によれば途中で同じ大学の別の学部に編入することも可能です。また、保育士を離職して異業種に再就職する場合も大学だと就職しやすくなりますよ。

逆に大学を選ぶことによるデメリットは?

保育士になるまでの時間がかかる

大学を選ぶ最大のデメリットとして、4年制だと卒業に時間がかかるため保育士になるまでに時間を要してしまうことが挙げられます。保育士は専門学校や短期大学でもなれるので、2年間で卒業した人は大学生より早く就職しています。大学院に行って6年で卒業した場合は、実務経験に差がもっと出てしまうでしょう。大卒の資格があると待遇が優遇されやすいと前述で書きましたが、大学と比べて学生時代に実習が多い即戦力になる専門学生の方がかえって就職しやすいこともあります。その点を考えて学校選びをするようにしましょう。

かえって学費が高くなってしまうことも

大学も一年ごとの学費は専門学校や短大に比べて安いですが、通う期間が長い分、出費が増えてしまいかえって総額で見ると学費が高くなってしまうことがあります。奨学金に頼ったり、減免制度で安く済ませることも可能ですが、返済義務がある奨学金だと返済が大変ですし、滞納したら更に滞納金が上乗せされます。また、単位が足りずに途中で留年した場合も更に学費が一年分かかってしまうのです。大学に進学することは、そういったリスクがあることも理解しておきましょう。

保育士になるためにおすすめの大学

聖徳大学

聖徳大学の公立小学校教員・公務員(保育士)の合格者数は全国トップクラスと言われています。企業の就職でも高い実績を誇ってるため、興味分野が途中で変わった時も保育分野以外の就職もしやすいところも特徴的です。昼夜開講制により、ライフスタイルに合わせてカリキュラムが選べるところも嬉しいポイントですね。また、聖徳大学は短期大学も設置しており短期大学の保育科でも保育士になることが可能ですよ。

日本女子体育大学

日本女子体育大学では、就職率が21年連続で90%を超えています。2021年3月卒業生の就職率は99.8%ととても高い数字を出しています。就職に関するサポート体制を非常に良く、個別相談やカウンセリングも気軽に受け付けていますよ。就職率が良い理由は学生が明るくコミュニケーション能力に長けており、企業からも高い評価を得ていて、就職先がますます広がっているようです。また、体作りのノウハウや設備が整ってるところもスポーツ大学ならではですね。運動が好きな方にはピッタリな大学ではないでしょうか。

フェリシアこども短期大学

フェリシアこども短期大学は、2年制で幼稚園教諭2種免許状と保育士資格の2つが取得できるカリキュラムが組まれている幼児教育専門の短期大学です。元々は、鶴川女子短期大学という名前でした。2021年4月より共学になりました。少人数の担任制で保育実習のことや就職のことをなんでも相談しやすい環境です。初心者の方でも基礎から安心して受けられるピアノの指導も行っていますよ。

鎌倉女子大学短期大学

鎌倉女子短期大学は、就職率が98.4%と高く、キャリアサポートが充実しています。歴史ある校風と、自然に囲まれた広大なキャンパスが特徴です。卒業後は就職・進学・編入学さまざまな進路をサポートしていますよ。同じ付属の大学へと3年次で編入学することも可能なので選択肢の幅が広がりますね。新しい生活様式にもしっかり対応可能であり、校舎の面積が広く、学生の健康管理、施設の衛生管理など新型コロナウイルス対策が行き届いています。

まとめ

大学選びは絶対に妥協しないこと!

本記事では、保育士を目指すための大学について詳しく紹介しました。いかがでしたでしょうか。大学を選ぶことは、今後の自分の未来に大きく関わってくるものであり、絶対に妥協をしてはいけないものです。大学を選ぶことで、保育の分野以外でも活躍することができたりと選択肢の幅が広がります。また、就職しやすい点も大きなメリットですね。まずは、実際に大学へオープンキャンパスに見に行ってみて雰囲気を肌で感じてみてはいかがでしょうか。無理せず自分のペースで保育士を目指せる環境を探しましょう!

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