保育園と幼稚園の違いは?費用はどちらが安い?【教育の違い・メリット・デメリットなど】

お子さんを預かる施設で思い浮かぶのは、保育園や幼稚園です。小学校に上がる前に多くの子供は保育園か幼稚園に通います。保育園と幼稚園は各々違いがあり、どちらの園に子供を預けるか凄く悩みどころですよね。更には令和元年から保育園と幼稚園の無償化も始まりました。園によって無償化の条件も変化するので、保護者の方は保育施設の違いを知っておく必要があります。各々の特徴を知っておく事で、ご家庭に合った園を選ぶのに役立つことができますよ。今回は、保育園と幼稚園の違いやメリットとデメリットをご紹介します!

保育園と幼稚園の違いは?

管轄と法律の違い

保育園と幼稚園では管理してる管轄が違います。保育園は、児童福祉法による保育施設で厚生労働省の管轄しています。そして、幼稚園は学校教育法による教育施設で文部科学省の管轄してるのです。法律で定められている定義にも違いがあります。

保育園は

児童福祉法で日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児または幼児を保育することを目的とする施設(児童福祉法第39条第1項)

平成21年地域児童福祉事業等調査結果の概況:用語の定義 – 厚生労働省から引用

と定義されています。一方で幼稚園は

学校教育法で幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長することが目的

第2節 幼児教育の意義及び役割 – 文部科学省から引用

と双方で違いがあるのです。

子供を預けるときの目的が違う

保育園と幼稚園には子供を預ける時に違いがあります。保育園は預ける側の保護者の方が仕事に行く間や病気があり保育が必要な乳幼児を預かってもらうために利用する場所。そして幼稚園は就学前の子供たちの発達の支援をする場所です。保育園では、保育認定といって保護者による保育が仕事や病気で欠けていると判断されることで子供を預けることができます。一方で、幼稚園では保育認定という制度がなく保護者の方の共働きの有無関係なしに子供を入園させることができるのです。

保育士くらぶ

保育園はどんな場所?

保育園は0歳〜小学校入学前の子供が通う施設

保育園の対象年齢は0歳から小学校に上がる前の6歳まで。保育園には、認可保育園と無認可保育園の2種類あります。認可保育園とは、児童福祉法に基づいて厚生労働省定めた基準(施設の広さや設備、職員数、管理体制など)をクリアした保育園のこと。都道府県知事や政令指定都市、中核市が設置を認可しています。一方、無認可保育園とは国の定める基準を満たしていない保育園のこと。無認可の保育園は危険だと思われるかもしれません。しかし、そんなことはなく理想の保育園の形を実現させるためにあえて認可を受けないという保育園もありますので安心してくださいね。

幼稚園はどんな場所?

幼稚園は3歳〜小学校入学前の子供が通う施設

幼稚園の対象年齢は満3歳から小学校に上がる前の6歳まで。この対象年齢は、教育についての原則を定められている教育基本法により設定されています。(参考:文部科学省 幼稚園教育要項) また、幼稚園では年齢によってクラスが変わります。年少(3歳から4歳)・年中(4歳から5歳)・年長(5歳から6歳)と3年制度です。絶対に3歳から入園させなければいけないというわけではありません。途中学年から入ることももちろん問題ありませんよ。

保育園のメリット

乳児から預けられる

保育園の大きなメリットとして、乳児から預けられることがあります。産後すぐに復職したい人にとって大きな支えになるでしょう。幼稚園と違い、保育園に入れることで子供は集団行動に早く慣れることができコミュニケーション能力や社会性の向上が期待できます。子供のコミュニケーション能力や社会性が向上することは自己肯定感が上がることも期待できるでしょう。また、他の子と一緒に同じ生活で過ごすことで生活リズムを整えることもできるのです。

保育園のデメリット

子供の成長を見届けることができない

保育園に子供を通わせるデメリットとして、子供の成長を見届けることができないといったことがあります。親として子供の成長を見届けられないことはとても悲しいものですよね。幼い頃から保育園に通わせることで保育料の負担がでかくなります。登園やお迎えの時間が家庭によって様々なため、他の保護者との交流も幼稚園よりは少なくなるといったこともデメリットとしてあげられます。

幼稚園のメリット

小学校への準備ができる

幼稚園のメリットは、幼稚園は教育基本法に基づいているため、教育面に力を入れているところが多いというのがポイント。園によってやり方や教育のレベルは様々ですが、勉強や音楽、体操、リトミック…といった幅広く色んなことを子供たちは幼稚園で学ぶことができます。小学校に向けての準備が幼稚園でできるのは嬉しいポイントですね。また、プレ保育といって年少より一つ下の子を対象に入園を事前に体験して園を選ぶことができるのも嬉しいところです。

幼稚園のデメリット

行事が多く園に行く機会が多い

幼稚園のデメリットは、保育園に比べて行事が多いため、保育士さんも保護者の方も子供達のために用意をするのが大変という点です。行事だけでなく、保護者会や保護者参観にも参加しないといけません。そのため、園に行く機会が多くなってしまうのは大きなデメリットでしょう。
以上のメリットとデメリットを踏まえてどちらの園に預けるかどうか選ぶ必要があります。

認定こども園という選択肢も!

認定こども園は幼稚園と保育園の両方の特徴がある

認定こども園は、平成18年(2006年)10月、認定こども園法によって以下の機能を備えている施設に対し都道府県によって認定された施設のことです。簡単に言うと、保育園と幼稚園で別々に定義されている教育と保育。その両方の特徴を兼ね備えているのが認定こども園なのです。認定こども園が設置された背景としては、待機児童問題を解消できるように共働きの家庭の増加による預け先の不足や、多様な働き方にも対応できるように設置されたのです。

保育園と幼稚園の費用

保育園と幼稚園の費用の差

保育園と幼稚園の費用の差は、各々の条件によっても差が異なります。まず、保育園は保護者の所得によって保育にかかる費用が変動します。ここら辺は幼稚園で必要な費用との大きな違いといえるでしょう。保護者の所得によってはかえって私立幼稚園より高くなってしまうといったこともあります。一方、幼稚園は公立か私立で保育にかかる費用が変わります。幼稚園の場合は、園によってもかかる費用がまちまちなのでホームページや説明会で情報を集めた上で検討しましょう。

令和元年からスタートした無償化

令和元年の10月から、幼児教育の負担軽減を目的とした保育施設の利用費の無償化がスタートしました。3~5歳の子供が対象年齢に該当。また、0歳〜2歳の子供たちは住民税非課税世帯のみが無料になります。保育園や幼稚園の無償化がお子さんに適用されるには事前に手続きが必要な場合があります。子ども・子育て支援制度に移行していない保育園や幼稚園では、給付金を受け取るために手続きが必要です。事前にお子さんが入園希望の園はどうかをしっかり確認しておきましょうね。

保育園と幼稚園のそれぞれの入園の流れ

保育園の入園の流れ

園選びをするにあたって入園の流れを確認しておきましょう。まず、保育園の入園の流れは以下の通りです。

保育園を見学

提出書類の準備(自治体に問い合わせる)

認定申請と入園申し込み

支給認定証の交付

利用調整会議

保育園の合否

内定通知が来た場合は面接と健康診断

入園・慣らし保育

申請・入園の申し込みの期限は大体入園希望の前月上旬が多いそうです。上記の流れはあくまで一発でスムーズに保育園が決まった際のものです。内定通知が来なかった時は、二次受付先を探したり、認可外保育園に連絡してみたり…と動かなければいけませんので注意しましょう。

幼稚園の入園の流れ

次に、幼稚園の入園の流れは以下の通りです。

6月から9月 幼稚園の見学会・説明会に参加

10月中旬〜 入園願書を入手

11月上旬 入園願書を園へ提出する

11月上旬 面接・選考

11月上旬から中旬 合格発表

12月から3月 新入園児説明会・制服や教材の受け取り

2月から3月 体験入園

4月 入園式

といったように保育園と幼稚園で入園までの流れが異ります。幼稚園も保育園と同様落ちてしまうといったことがありますが焦らずに二次受付を探したり、他の地域を検討したり…と子供のために諦めないで行動することが大切です。

保育園と幼稚園の選び方は?

働き方

保護者の方の働き方によって、保育園か幼稚園にするかを選びましょう。幼稚園は大体14時には終わるので働く時間的に日中迎えに来れないという方は保育園に子供を入園することをおすすめします。また、万が一保育園に落ちてしまっても諦めず二次募集に応募したり、認可外保育施設へ連絡することで働き方を変えずに解決するかもしれません。落ちたと分かった時点で早めに行動しましょう。

自宅からの近さ

自宅から近いという点も保育園や幼稚園を選ぶときに大事にしたいポイントの一つ。自宅から遠いとシンプルに通うのが大変です。実際に園を選ぶ際に家から近いという理由で選んぶ親御さんは多いです。自宅から通いやすい場所に園があることでお子さんに何かがあったときにお迎えに行くのも楽になります。運動会や学芸会といったイベント事も自宅が近いほうが荷物を持っていくのが便利と自宅から近いほうが何かとメリットが多いですよ!

子供を預かる時間の長さ

子供を預かる時間は、保育園の方が長いです。保育園に子供を預けられる時間は8時間から11時間。預ける保育園にもよりますが、延長保育があったり、夜間や休日に子どもを預けたり、子供が病気にかかってしまっていても病児保育として利用できる場合があります。一方で、幼稚園に子供を預けられる時間は4時間から5時間。保育園に比べるとかなり短いですよね。
預かり保育という制度もありますが園によって預かり保育のルールは様々で事前に申し出ないといけないところもあるので注意しなければなりません。その点を考えて園を選ぶ必要があります。

入園のタイミングは?

基本的には4月

保育園と幼稚園の入園のタイミングは基本的には4月です。4月は、3月で園児が卒業して定員に空きが出るため保育園や幼稚園に一番入りやすい時期だといえます。そのため、4月入園が多いのです。しかし、どちらも必ずしも4月に入園しないというわけではなく途中入園することももちろん可能ですよ。また、5月の追加募集や転勤や引っ越しといったケースで途中入園することも多いです。

まとめ

各々の違いを理解して園選びの参考にしよう!

いかがでしたでしょうか。本記事を読んで、保育園と幼稚園で施設の特徴や費用や入園する年齢に違いがあることがわかりましたね。共働きや病気といった事情があるご家庭は、特に子供の預け先を見つけるのに焦ることだと思います。もし保育園に落ちてしまっても諦めず行動することできっとお子さんの預け先が見つかるはず。保育園・幼稚園・認定こども園各々の違いを踏まえて子供が通うのに理想的な園を探してみましょう。入園を決める前にまずは必ず園見学をすることをおすすめします。皆さんの子供の園選びがうまくいくことをお祈りしてます!

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