子供の想像力を高める!保育で行う見立て遊び【いつから・年齢別特徴・メリットなど】

「見立て遊び」は子供の楽しみであるだけでなく、子供の発達を手助けしてくれます。子供が「見立て遊び」を遊ぶことで想像力を働かせたり、コミュニケーション能力を育んだり…といった効果があります。コロナがまた流行り始めてる今。室内でできる「見立て遊び」は需要が高まってきているのではないでしょうか。本記事では見立て遊びの楽しむポイントやメリット、保育士は見立て遊びにどう関わったら良いか?などを徹底解説します!

見立て遊びとは

身近にある物を本物に見立てて遊ぶ

「見立て遊び」とは、目の前に存在しない物や身近にある物を別のものに見立て想像を膨らませて遊ぶこと。別名、「模倣遊び」とも言われています。例えば、ぬいぐるみにストローをつけて飲み物を飲ませる仕草をしたり、おもちゃを電話に見立てて電話をかける仕草をしたり…と身近にある物を見立てて遊ぶのです。「見立て遊び」は子供の発想力をもとに遊ぶため、意外と頭を使うもの。子供が見立て遊びを一人でできるようになったらそれは子供の”成長の証”でもあるのです。

保育士くらぶ

ごっこ遊びと見立て遊びの違いは?

見立て遊びが発展するとごっこ遊びになる

見立て遊びは、子供の成長につれてどんどん遊びの内容が変化していきます。最終的にごっこ遊びへと進化を遂げていくのです。ごっこ遊びとは何かになったつもりになる遊びで、興味のあるもの(物・者)のふりをする普遍的な遊びの一種。ごっこ遊びでは、見立て遊びがよりリアルに発展して「ぬいぐるみがお客様になり、お店屋さんごっこをする」などといった複雑な設定が加わります。見立て遊びが発展することで子供がおままごとやお店屋さんといった設定のあるごっこ遊びに自然と変わっていくのです。

見立て遊びはいつから行う?

見立て遊びは大体1歳児から行う

見立て遊びのはじまりは、大体1歳児頃から。子供が大人の仕草を真似するところから見立て遊びは始まります。1歳児ごろは、子供ひとりで見立て遊びを始めますが、徐々に人との関わりが増えていくことで色んなお友達と一緒に遊ぶことができるようになるのです。1人遊びに慣れている頃は、なかなか上手くお友達の輪に入れないこともあるでしょう。人見知りが強い子供は、防衛本能や警戒心が強く働いていることがあります。そんな時には保育士さんが上手く警戒心を解いてあげたり、サポートしてあげてくださいね。

【年齢別】見立て遊びを楽しむポイント

1歳から2歳

1歳から2歳は普段大人たちが使っているものや保護者の方と買い物に行った時に見かけるものなど、身近なものを見立てて遊ぶ傾向があります。おもちゃにボタンがついていたり、音が出たり…といった決して複雑なものを用意しなくてもシンプルなものでいいのです。シンプルなものでも十分イメージが膨らむのが1歳から2歳の遊び方の特徴。2歳からは覚えた言葉を使ってちょっとしたやりとりができるようになってきます。非言語コミュニケーション(身振り手振り)だけでなく、言葉を使ったやりとりもどんどん増やしましょう。

3歳から4歳(年少)

一人遊びだった1歳・2歳から集団で遊ぶことができるようになります。役割分担やルールを細かく決めたり、お友達に指示を出したり…といったことを子供たちが自分からするようになるのです。保育士さんがサポートする時は、見立て遊びのルールや設定をうまくできるようにアイデアを出してあげましょう。まだ、慣れていない子供は設定やルールを上手く守れないこともあるかもしれません。そんな時はお友達同士でトラブルにならないように保育士さんが上手く援助できると良いですね。

5歳から6歳(年中・年長)

5歳以上になると、見立て遊びもより進化。この頃になると保育士さんのサポートがなくても自分たちで問題なく遊ぶことが出来るようになっていきます。ルールや設定もアドバイスをする程度にとどめておきましょう。遊びの中で起きたお友達とのトラブルもなるべく自分達だけで解決するように必要以上サポートしないようにしましょう。シチュエーションやルールの設定なども自分からいろいろ工夫をするようになります。友達とイメージを共有しながら遊ぶことが多くなり、コミュニケーションを取ることにも長けていきますよ。

見立て遊びのメリット

豊かな想像力や発想力を育む

見立て遊びで、子供たちはものを何かを見立ててを演じますよね。
「これはどう見立てたらそれっぽくなるかな?」「これはどんな動きをするだろう?」と子供は豊かに想像力を働かせます。一見、ただ目の前の遊びを楽しんでいるように見えるかもしれませんが色々なものに見立てて考えることで、子供の想像力や発想力が育まれます。見立て遊びは、決まった形に囚われることがない遊び。そのため、自然と子供の豊かな想像力と発想力を養うことができるのです。

社会性を学ぶことができる

見立て遊びは、身近なものに何かを見立てて大人の真似をすることやルールや決まり事に従うことで協調性を身に付けることができます。子供が成長してひとり遊びからお友達と2人以上で遊ぶことでお友達とやりとりすることが増えてくることでしょう。遊ぶ人数が増えるごとにトラブルが起きないように工夫が必要です。お友達と価値観を共有したり、全員が平等に楽しめるようなルールを決めなければいけません。そんな時、協調性を身につけることで自分のことばかりでなく他人の気持ちを考えて動くことができるのです。

コミュニケーション能力が身につく

幼少期は、人間形成の基礎が作られる非常に大切な時期。そのため、コミュニケーション能力は幼少期に身につけたい能力の一つ。見立て遊びでは、ゼロからお友達同士で想像を膨らませてそれを共有しながら遊びます。見立て遊びの中でお友達とコミュニケーションを取ることで今後の人間関係を良好に築くことができるかもしれません。保育士さんは、お友達のみんなとどう見立て遊びを遊んだらよいかを促すようにしてあげましょうね。

記憶力が高まる

見立て遊びでは、大人が普段やっている仕草、テレビの中で見たものなどを見立てて遊びます。記憶力がないと仕草やテレビで見たものを見立てるという行為はできませんよね。記憶力というものは、インプットとアウトプットの繰り返しで身につけるもの。日々の生活で見たものをインプットし、見立て遊びの中でそれを見立てて自分なりに演じてアウトプットするのです。そうすることで、子供は見立て遊びで自然と記憶力を身につけられることができます。

言語能力が発達する

子供の発達によってひとり遊びから二人以上で遊べるようになり、自分たちで配役を決めて楽しめるようになることは前述でも書きましたね。2人以上で遊ぶ際には相手とのコミュニケーションツールとして言葉が重要な役割を果たします。話し相手が増えることで子供の会話が上達し、言葉の選び方や人の話を聞く能力の発達に繋がるのです。自分が言いたいことを上手く伝わりやすく言語化する能力は社会に出てからもとても役立つ能力なので幼い頃に身につけておきたいものですね。

観察力が身につく

観察力とは、“ものをじっと観察して、その変化に気づく能力”のことです。なにかを見立ててそれを再現をするには、観察力が必要。観察力は教えても身につけることが難しく、日々の生活や遊びの中で子供たちが自然と身につけられる環境が大切。地頭がいい子供は観察力がいいと言われています。観察力が身につくことで、頭の回転が速くなったり、コミュニケーション能力が高くなったり、表現力が高くなったり…とメリットだらけです。

保育士は”見立て遊び”にどう関わる?

お手本になってみる

特に小さい子供は「まだどんなふうに遊んだらいいのかがわからない」という子もいるかもしれません。子供が見立て遊びを「自分もやってみたい!」と思ってもらえるような工夫をしてみましょう。例を出すと、保育士さんが動物になりきってみたり、子供に大人気なアニメキャラクターのものまねをしたり…と見立て遊びをする様子を子供達に披露しましょう!子供にとって身近な保育士さんがお手本を見せることで見立て遊びのアイディアが広がっていくかもしれませんよ💡

興味を持たせる

次に、見立て遊びに対して興味を持ってもらう工夫をしましょう。保育士さんから遊びのヒントとして子供たちに質問をしたりしてみてください。保育士さんの言葉がきっかけで子供の想像や発想が膨らみ、遊び方がまた広がるかもしれません!ただし、もちろん無理に介入していくのはNGな行為です。子供は好奇心旺盛ではあるけど、その反面で飽きっぽいところもあります。無理はせず、子供たちに興味を持ってもらえるような工夫をしたいですね。

子供の世界観を壊さない

子供は想像力豊かに色んなものに見立てて遊びます。一見、何に見立ててるかわからなかったり、全然違うこともあるかもしれません。しかし、そこで子供が考えていることを否定したり、適当な言葉で返すことは絶対にやってはいけないことです。また、ルールや設定を保育士さんが破ってしまうことも絶対してはいけないことです。子供の自己肯定感や遊びに対してのやる気を下げてしまうかもしれません。子供の世界観だけは壊さないように気をつけましょう。

一緒になって見立て遊びを楽しもう⭐︎

保育士さんも一緒になって楽しんであげることも見立て遊びで大切なこと。あくまで主役は子供達です。年齢に合わせて必要以上のサポートはせず、一緒に遊ぶ仲間として子供のペースに合わせて一緒に楽しんでみてください。子供たちとの会話も積極的にとりたいですね。見立て遊びの題材を子供たちと一緒に決めてみるのも楽しいかもしれません。積極的に子供達と会話をすることで前述でも挙げたコミュニケーション能力の向上にも繋がりますよ。

見立て遊びに最適な環境を作ろう

見立て遊びに最適な環境作りをしましょう!保育士さんは、子供の視点で考えて魅力的な環境を整えることが大事になります。おもちゃなどモノを揃える時も子供達が安心安全に見立て遊びができることも意識することも重要。年齢が小さいほど誤飲しやすくなります。舐めたり、口に入れても大丈夫なおもちゃを選びましょう。ただ、いくら用意するものに気をつけていても誤飲をしてしまう可能性はあります。床になるべく物を置かない、安全確認を日々怠らないなど基本的な誤飲対策をきちんと行いましょうね。

まとめ

見立て遊びは子供の成長におすすめな遊び!

子供の発達によって変化していく「見立て遊び」
本記事で、見立て遊びは子供のいろんな能力が発達することが理解できたと思います。「見立て遊び」は日々の生活に活かすことができる子供の成長におすすめな遊びです。まずは、「見立て遊び」に最適な環境作りをしましょう。保育士さんが子供達と一緒に遊ぶことで子供の発想に驚くこともあるかもしれません。また、子供達と一緒に遊ぶ時は必要以上にサポートしないことと世界観を壊さないように注意して遊びましょうね!

※本サイトは全国の保育園・幼稚園で働いてる人、これから保育士を目指す方への情報提供を目的としています。
掲載された情報をご利用いただいた結果、万一、ご利用者が何らかのトラブル、被害、損失、損害等が発生したとしても、当社は一切責任を負いませんのでご了承ください。

よくある質問

保育士くらぶにはどんな記事がありますか?

保育士くらぶには現役の保育士・幼稚園教諭や保育士を目指す学生さんにとって手遊びや保育内容など今日から役立つ保育のネタをご紹介しています。こちらのトップページより色々な記事をお楽しみください。

保育士くらぶの最新の記事はどこから見られますか?

最新の記事はこちらの保育士くらぶトップページよりご覧ください。月間12本~15本の記事をアップしています。保育で使える季節の遊びや歌、連絡帳の書き方などもご紹介しています。

保育士くらぶのオリジナル動画はどこから見られますか?

保育士くらぶのオリジナル動画はこちらの保育士くらぶyoutubeチャンネルでまとめて見ることが出来ます。保育士くらぶyoutubeチャンネルでは保育で使える歌や遊び、制作以外にも転職のコツや求人の探し方も解説しています。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/