保育士1年目の乗り越え方は?【失敗・課題・辞めたい】

ずっと憧れていた保育士。やっと仕事に就けたは良いものの理想と現実とのギャップに一年も経たずに辞めたいと思う人が少なくありません。一年目の離職率は10.3%で10人に1人が1年未満に離脱してしまっている現状です。今回は、保育士1年目によくある失敗や対処法などについて詳しく解説していきたいと思います。保育士1年目で壁にぶつかって悩んでいる保育士さんはこの記事を読んで、少しでも心が軽くなるように参考にしてください。

保育士1年目の仕事内容は?

先輩保育士さんの補助に入る

保育士1年目の仕事内容は先輩保育士の補助に入ることがあります。保育士として一人前になる上で、一つの目標とされているのが「クラス担任」を任されるようになる事でしょう。クラス担任を任されるようになるために、先輩保育士の補助に入って仕事を学びます。1年目の保育士は補助といえどもクラスを円滑にまとめる為保育のカリキュラムを組み、行事等の準備も同時に行ないます。日々子ども達のお世話を欠かせません。子どもとの関わり方や援助、おもちゃの選定などを行い、1人前の保育士になる準備をします。

クラス担任になることもある

保育士1年目でクラス担任になることもあります。園の規模や状況によって、いきなりクラス担任になる事もあります。しかし、いきなりクラス担任になる場合は0歳児、1歳児担当として複数担任のクラスに入ることが多いでしょう。ベテラン保育士と組んで仕事を学びます。クラスだよりや園だよりの担当になったり、行事の係、ピアノ当番も行います。保育士1年目といえども、もちろんクラス担任ですからベテラン保育士と同じように仕事をこなさなければなりません。しかし、複数担任のクラスの担当になる事が多いのが新人です。先輩保育士に分からなことは積極的に聞くようにしましょう。

園内の清掃や換気など環境整備

保育士1年目で新人のうちは雑用など初歩的な所から任される場合が多いですが、環境整備は大切なお子さんを預かる上でとても大事な衛生管理です。園内を清潔に保ち、換気など行い子ども達が園内で快適に過ごせるよう心掛けましょう。さらに今は新型コロナ対策として、子ども達が触る場所やおもちゃなどの消毒の徹底、検温機の導入などを行い、子ども達の健康面、また先生方の体調管理にも気を配っている園も多いでしょう。

保護者対応

保育士1年目であっても保護者対応はせざるを得ません。保育士1年目で悩みのタネとなる事が多い保護者対応。保護者対応で大切な事は子どもと保護者を一から覚え一致させることです。そして子どもの様子をこまめに伝えてあげると保護者が喜んでくれるでしょう。小さなコミュニケーションを平等にとることで、保護者からのクレームが減り、何かあった際でも穏便に解決できるケースが増えます。特定の人とだけ仲良くなったりするのトラブルの原因となることもあるので要注意です。慣れるまではあらかじめお迎えまでの間に何を話すかメモしておくのも良いでしょう。

行事の計画・準備・実施

保育園では季節の折に行事が開催されます。四季折々の行事は日本の伝統文化や世界の文化を学び1年間を知る時間です。行事を実施するまでに計画、準備と時間がかかります。保育士1年目は年間の行事の流れや、準備に要する期間などを把握しましょう。1年目で行事の流れを理解できると2年目以降の気持ちが違ってきます。保育士1年目は2年目以降の準備だと思って行事に臨みましょう。また、行事は安全に行わなければなりません。事故やケガに子どもたちが合わないように気配りをしましょう。

保育のカリキュラム作成

保育園では日々の保育や教育方針について、しっかりとカリキュラムが作成されています。園によって作成においてのフォーマットは異なっていますが、カリキュラム自体は厚生労働省が定める保育所保育指針「保育所保育指針解説」に示された内容を元に作成します。勤務している園の教育方針を確認、理解し作成していくことが大事になります。年間目標を達成する為に長期・中期・短期に渡ってカリキュラムを作成しましょう。

お便り作成や連絡帳・成長の記録などの事務作業

保育士1年目であっても書類などの書き物は避けて通れません。一般的にお便りは園だよりとクラスだよりがあるでしょう。お便りで月毎の行事や催し物などのお知らせを行います。日々の連絡帳は一人一人お子さんの様子を観察し、その日何があったか、何ができるようになったか、体調なども細かく記録する必要があります。保護者にとっては連絡帳が成長記録となり、大切に保管する人も少なくはありません。ただ状況を端的に記すのではなく、なぜそうなったかなどの過程も具体的に書きましょう。連絡帳はICT導入によりパソコンやタブレット等から入力する場合もあります。保育士1年目はパソコンなどに慣れることも必要です。

保育士くらぶ

保育士1年目に心掛けたい事

先輩保育士さんから学ぶ

保育士1年目は現場のことは右も左も分からない状態で戸惑う事も多いでしょう。そこで、身近で一番参考にすべき人は先輩保育士さんでしょう。先輩保育士さんにも新人の頃はあり、たくさん悩み、様々な対処法を身に付けているからです。だからこそ後輩の保育士の悩みもよく理解できます。忙しそうに見え遠慮してしまう気持ちはもちろん分かりますが、積極的に質問できるようになりましょう。子ども達は先生の様子を敏感に察知します。話すスピードや声色、関わるタイミングなどが非常に重要になってきます。子どもたちにとって安全、安心な保育が出来るように先輩保育士さんから出来るだけ吸収しましょう。

様々な園児をしっかり観察する

新人の頃は覚える事や、こなさなければならない仕事も山ほどあるため園児との関わりなどが疎かになってなってしまう事もあります。ですが、1年目だからこそ沢山の園児を観察し、関わっていくことが大切になるでしょう。子供と同じ立場で考え、目線を合わせ笑顔で接することを心掛けると良いでしょう。もちろん一人一人性格や行動パターンなども違うため、しっかりと観察することでその子に合った保育を習得する良い訓練になるのです。いきなり全員と仲良くなろうとするのではなく、一人一人と向き合い信頼関係を築いていくことがよりスムーズにクラスのみんなと打ち解け、まとめていけるでしょう。

コミュニケーションを積極的にとる

新人の頃は年上の先輩保育士さんに苦手意識などがある人もいるのではないでしょうか?しかし、自分から話しかけるなどコミュニケーションを積極的にとっていくことはとても大事なことです。自分が先輩保育士になった時を想像してみましょう、自分を頼りにし、意欲的にコミュニケーションをとってくれる後輩の方が教えがいもあるでしょう。最初の内は仕事ができないのは当たり前です。その中で先輩保育士さんに可愛がってもらえるのは自分から挨拶を交わし、積極的に保育についての質問ができ、向上しようという意欲がわかりやすく表現できる人が多いのです。

報連相をしっかりとる

報連相は大切な子ども達を安全に保育する為にも必須です。新人の頃は特に、些細な事でも自分で判断するのは危険なこともあるでしょう。質問をする際に気を付けたいのは「お昼寝の時に〜、、」「トイレの時は〜、、」と具体的に質問するようにしましょう。質問するタイミングに困る方が多いのではないでしょうか。タイミングを見計らって遠慮していつまで経っても聞けない人も多いです。しかし、思い切って「今お時間よろしいでしょうか?」など、一言確認してしまった方が良いでしょう。また、報連相することを忘れない為にもメモをとり、その日感じた問題はできるだけその日に解決できるように心掛けましょう。

保育士1年目で辞めたくなる理由は?

お給料が安い

保育士の需要が高まっている現状でも、他の業種と比べて決して保育士は高い給与水準とは言えません。保育士1年目の平均の給料は手取りで18万円、平均ボーナスは0~40万円が現実です。大切な命をお預かりする責任やハードなワークスケジュール、仕事量に対し安い給料では割りに合わないと思う1年目の保育士さんが多いでしょう。しかし、昇給が無い保育園は今ではほとんどありません。主任などに昇格することによってお給料アップも望めます。国からも処遇改善費などキャリア、勤続年数に合わせた加算金が用意されています。3年後や5年後の自分を想像してください。転職によって待遇を改善させることも出来ます。

覚えることが多い

保育士が1年目に辞めたくなる理由として1年目で覚えることの多さが挙げられます。子どもと一緒に遊ぶ事以外にも、お便りや毎日行う連絡帳の作成など、他にも保育料管理といった事務作業、クラスの飾り付けを作成・装飾したりと多岐にわたる仕事をこなしています。そのため、就業時間内に仕事が終わらず残業、仕事を持ち帰り家で作業する人も多いでしょう。さらに人手不足が続く保育士は、休みが取りにくかったりと負担を感じる事も多いでしょう。子どもが好きという気持ちだけではやっていけない職業と感じる保育士さんが多いのが事実でしょう。

保護者との人間関係がうまくいかない

保護者との人間関係に悩む1年目の保育士さんは多いです。保育士という立場で会話することに慣れないうちは保護者に対して緊張し、自分が意図した通りに伝達ができない事もあります。さらに、子どもを心配するあまり、過度な要望や子ども間のトラブルについてクレームを入れてくる保護者もいます。新人のうちは保護者から頼りなく映り、預けるのが不安と感じられることも。新人のうちは意見もしづらく、悩みを打ち明けられずに溜め込んで負担になってしまうのです。

保育士1年目のよくある失敗

園児を上手にまとめられない

保育士1年目でよくある悩みや失敗で多く挙げられる事として、園児を上手にまとめられないと感じることです。いくら先輩保育士と同じクラスに配属されたたとはいえ子ども全員に目を配り、複数の子どものお世話するのはそう簡単ではありません。手のかかる子どもに意識がいってしまい、他の子どもに目が行き届かないなんてこともしばしば。しかし、初めから上手に保育ができる保育士さんはいません。先輩保育士さんの立ち回りなどを見て補助を行い、少しずつ慣れていくことが大切でしょう。

仕事の効率化が計れない

新人保育士の内は新しく覚えることも多く、仕事にも慣れておらず、一つ一つの作業に時間がかかってしまうことが多いでしょう。時間配分が上手くいかず失敗したと感じる新人保育士が多いです。保育士は仕事内容が多岐にわたります。新人のうちは何よりもまず、子どもとたくさん関わってください。子ども達を知ることで、保育カリキュラムも作成しやすくなり、保護者対応や連絡帳の記入なども円滑にいくでしょう。仕事内容に優先順位をつけ期日が早いものから優先していきましょう。1年目はわからないことが多いのは当たり前です。一人で悩まず先輩保育士さんに頼り優先順位を訪ねたりして解決しましょう。

体調の管理が出来ない

保育士1年目の失敗として体調管理も挙げられます。慣れない環境で風邪をひいてしまったり体調を崩してしまう事も。風邪をひいたり体調を崩すことは誰にでもある事です。体調を崩した時は無理をせずに、上司に報告しお休みを取ってください。疲れや心労が貯まると体調を崩しやすくなるものです。規則的な生活を心がけ、休息を十分に取りましょう。ベテラン保育士は風邪をひかなくなるなんて迷信もありますが、体調に異変を感じたら無理をしないことが肝心です。

保育士1年目を乗り越えるには?

目標を立て一つ一つクリアしていく

保育士1年目を乗り越えるためには目標を立てて、着実にクリアしていきましょう。目標は小さなもので構いません。小さな目標をクリアし続けることで自分に自信がつきます。また目標は具体的数値に落とし込んだ見えやすいでしょう。例えば、新しい手遊びを6か月で〇個覚えるなどです。目標はいつまでに何を実現するかを具体的にし、ゴールを明確にしましょう。スキルアップ以外にも職場に慣れることやチームワークを目標にすることも出来ます。3年後、5年後の自分をイメージしながら小さな目標を立ててコツコツとクリアしていきましょう。

全てを完璧にこなそうとない

保育士1年目はどんな保育士でもすべてを完璧にこなせる保育士はいません。1年目は子どもと多く関わりましょう。子どもとの関わりによって多くの気づきが生まれます。その気づきが保育が上手くいくヒントになります。子どもたちが注目してくれないのであればペープサートを使ったりと工夫をするアイデアが生まれてくるでしょう。また積極的に新しい仕事にチャレンジし、失敗を多くしてください。失敗の経験が次の成功に結び付きます。

先輩保育士や友人などに悩みを聞いてもらう

保育士1年目を乗り越えるためには先輩や友人、家族など身近な人に悩みを聞いてもらう事も重要です。保育士養成校を卒業した方ならば、同級生のほとんどが同じ悩みを抱えているかもしれません。また、先輩保育士も1年目の時には同じような悩みを抱えていたでしょう。真摯な悩みに対しては誰もが必ずあなたの味方になってくれるはずです。時には同期や友人に愚痴ったりしてリフレッシュするのも良いでしょう。一人で悩まずに色んな方に相談してみてください。

まとめ

保育士1年目は悩んだ数だけ成長出来ます

保育士1年目は覚えなければいけない仕事は多く、人間関係も円滑に進めなければならなく、悩みは尽きないものですね。しかし、悩みの数だけ成長することが出来ます。悩むことは悪い事ではありません。また、悩んでいるのはあなただけではありません。保育士1年目はほとんどの方が同じような悩みを抱えています。先輩や同期に悩みを共有することで悩みが解決に向かうことが多いでしょう。しかし、どうしても乗り越えられないと感じた時は自分を守るためにも転職を考えることも必要です。転職は逃げではありません。未来のなりたい自分を想像して保育士1年目を乗り切ってくださいね。

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