保育士と幼稚園教諭はどっちがいい?【給料・特例・どっちが難しい?】

こんにちは!保育士くらぶ編集部です。

幼稚園と保育園、どちらも幼児たちが通う場所で似た印象を受けますが、幼稚園教諭と保育士の仕事、必要な資格や免許は似て非なるものです。

幼稚園の先生に将来なりたいと考えている人、
保育士と幼稚園教諭どちらにしようか迷っている人、
とにかく子どもが好きな人、
幼稚園教諭について気になる人は是非チェックしてみて下さい。

幼稚園と保育園の違いとは?

設置目的

一番特徴的な違いは設置の目的です。

保育園はその名の通り「保育、乳児・幼児の生活を中心に見ます。

対して幼稚園の主な目的は教育であり、文科省が管轄しています。教育とは、例えば音楽や器械体操、リトミックや芸術的分野などにあたります。

保育対象年齢

幼稚園では3歳~6歳の子どもを預かりますが、保育園では0歳児~6歳児までを預かります。つまり幼稚園には乳児はいないということです。これは幼稚園が教育を主としていることからも伺えます。

また、幼稚園には、夏休みや冬休みのような長期休暇があるのも特徴です。そのため、私立の園では休みの時に預かり保育を行う園も多いようです。

ちなみに保育園と幼稚園は一元化すべきという政策により2006年に生まれた「認定こども園」は、幼稚園と保育園の中間的な存在で、働く場合も保育士資格と幼稚園教諭免許のどちらも必要となります。

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幼稚園教諭と保育士の仕事内容の違い

仕事内容とその目的

保育園と幼稚園が大きく違うところはその目的です。

保育園の目的は子どもを保育することで、食事や着替えといった日常生活の補助や生活習慣を身に付けるお手伝いをすることが主な仕事になります。

幼稚園の目的は教育で、気品的な知識や運動や芸術を介した情操教育主体の設定保育が主なお仕事です。

具体的には、文部科学省が定める「幼稚園教育要領」に基づいたカリキュラムで保育を行います。

内容は幼稚園によってまちまちで、施設の特徴を出すために音楽や芸術に特化した内容の保育も行われています。

保育士は「保護者の代わり」、幼稚園教諭は「先生」、子どもとのかかわり方が違うようです。

1日のスケジュール

保育園と幼稚園とでは保育時間と預かる年齢が違うので、主活動の内容や一日の流れは違います。ですが、子どもを預かり安全に保育するという基本的なことは同じです。

1日のスケジュールを見て、違いを比べてみましょう。

 

保育園の1日
  • 受け入れ準備
    掃除や施設のチェックなどの準備、7時ごろから開園する園が多いようです。
  • 園児登園
    園児たちの登園時間はそれぞれ違いますが、体調や気分などをチェックして受け入れます。
  • 午前中の活動
    年齢クラス別・合同保育かは園によりますが、保育活動を行います。園庭遊びや近所のお散歩にも出かけたりします。
  • 昼食(給食)
    年齢によって、昼食の介助を行います。
  • 午睡
    お昼寝の寝かしつけを行います。お昼寝をする年齢は、園によって異なります。また、午睡の間に個人の連絡帳を書きます。保育士間の伝達や会議などを行うこともあります。
  • おやつ
    おやつの介助を行います。
  • 午後の活動
    午後の活動を行いながら、降園する園児の引き渡し。この時、その日にあった出来事を報告したりして、保護者とのコミュニケーションをとるようにします。
  • 掃除、次の日の準備、伝達など
    保育園は開園時間が長いので、シフト制のところがほとんどですし、乳幼児クラスは複数担任制であるため、伝達事項があるときはしっかりと伝えることがとても大切です。

 

幼稚園の1日
  • 朝の受け入れ準備
    早朝保育がある園もあります。園のバスでお迎えにいく施設も多いようです。
  • 園児登園
    幼稚園は早朝保育以外の園児は、だいたい同じ時間の登園です。やはり体調などをチェックして受け入れます。
  • 自由遊び
  • 午前中の活動
    クラス別に活動を行います。設定保育で、製作をしたり集団遊びをしたりします。
  • 昼食(給食orお弁当)
    年齢によって、昼食の介助を行います。
  • 降園、受け渡し
    バスで送る場合とお迎えの場合があります。個人の連絡帳などはない場合が多いので、園の様子は掲示板や直接話をして伝え、保護者とのコミュニケーションを図ります。
  • 預かり保育(施設による)
  • 行事の準備、事務作業、掃除などを行う

 

必要な資格に違いはあるの?

保育士さんとして勤務するには「保育士資格」が必要です。一方、幼稚園教諭として働くには「幼稚園教諭免許状」が必要になります。

保育士資格とその取り方

保育士資格を取得するには、保育士養成施設に認定されている大学・短大・専門学校を卒業すると同時に取得できます。

またそれ以外でも

①一般の大学、短期大学、専門学校等を卒業していること

②高等学校、中等教育学校等を卒業し、
児童福祉施設で 2年以上かつ2,880時間以上勤務していること

③義務教育を修了し、
児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上勤務していること

のいずれかを満たし、保育士試験に合格すると資格を取得することができます。

幼稚園教諭免許状とその取り方

幼稚園教諭免許状には1種・2種・専修と3種類あり、

  1. 1種
    幼稚園教諭養成課程のある4年制大学を卒業した者
  2. 2種
    幼稚園教諭養成課程のある短期大学・専門学校を卒業した者
  3. 専修
    4年制大学を卒業後大学院や専攻科などを修了した者

となっています。

幼稚園教諭免許状の取得方法 4年制大学・短大の保育科など幼稚園教諭免許状が取得できる課程を修了して卒業する。(4年制大学卒は一種、短大卒は二種、大学院修士課程修了者は専修という区分になります。)

空白

今は保育士資格・幼稚園教諭資格の両方とも取得できる学校が増えてきています。

自分のキャリアアップのために、両方とも取得しておけば先程ご紹介した「認定こども園」などの施設も増えていますし、就職先も増えますので決して損にはなりません。

どちらか一方を取得してある人は、特例でもう一方を取りやすくなる制度もあります。

お給料

お給料などの待遇面はどう違うのでしょうか。

保育士幼稚園教諭
年間給与額 3,421,000円年間給与額 3,417,000円

参考:平成29年賃金基本統計調査

幼稚園は公立と私立があります。

公立の幼稚園教諭は地方公務員になりますので、定期的に昇給があり長く続ければ続けるほど年収は高くなっていきます。
公務員だけに福利厚生や産休・育休なども取りやすく、離職する人は少ないようです。

それに対して私立の幼稚園教諭は勤務する幼稚園によってかなり差があると言われます。
一般的な幼稚園では保育士さんと同程度くらいの年収の人が多いようですが、都心などの富裕層や有名人が通う一部の人気幼稚園の先生は高給の場合もあるそうです。

幼稚園教諭のやりがい

保育士さんと同じように決して高給ではない幼稚園の先生ですが、モチベーションを保ち続けられるのはなぜでしょうか?

保育士さんも同じですが、大変なお仕事を乗り切れるだけの「やりがい」が幼稚園の先生にはあるようです。こどもが好きなのはもちろんですが、それだけで勤まるほど楽な仕事ではないと思います。

幼稚園の先生の多くが感じている「やりがい」をいくつかご紹介します。

  • 子どもたちの日々の成長を身近に感じられる
  • 保護者からの感謝の言葉
  • 運動会や発表会などの行事やイベントの成功による達成感
  • 子どもたちとの信頼関係の実感
  • 卒園後もつながる絆
  • 子どもたちの笑顔
  • なんといっても卒園式!
  • 園児がプロポーズしてくれた時(?)

幼保特例制度について

「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるためにできたのが幼保特例制度です。

認定こども園で働くには保育士資格、幼稚園教諭免許のどちらも必須なのですが、そのいずれかを所有していれば、新たに保育士資格、幼稚園教諭資格を取得する際に修得必要な単位数が免除される制度です。

またその以降期間として、保育士資格、幼稚園教諭免許のいずれかを所持していれば、2024年末までは保育教諭として働くことができるとされています。

■ 保育士資格だけ持っている人が保育教諭資格を取りたい場合 幼稚園教諭の免許を取得する必要あり
対象者:保育士として4320時間以上かつ、3年間以上働いた経験のある人
取得条件:大学などで最低8単位取得する
■ 幼稚園教諭免許だけ持っている人が保育教諭資格を取りたい場合 保育士資格を取得する必要あり
対象者:幼稚園教諭として4320時間以上かつ、3年間以上働いた経験がある人
取得条件:保育士養成施設で最大8単位取得する

幼稚園教諭免許と保育士資格、同時に取得できる?

認定こども園などで働く保育教諭が幼稚園教諭免許と保育士免許のどちらも必要なことを受け、卒業と同時にどちらも取得できる大学や短大が増えてきています。

短大などの二年制では早い時間で取得できますが、その分授業や実習がハイペースに行われ、かなりハードな生活を送ることになります。

四年制であると時間は倍かかりますが、実習や講義など余裕を持ってスケジューリングすることができます。

幼稚園は無資格でも働ける?

「幼稚園で働きたいけれど、資格は持っていない…」という方もいるでしょう。

無資格の場合でも、幼稚園で働くこと自体は可能です。

無資格で働けるお仕事の一つとして、先生の「補助」という業務があります。

幼稚園では資格を持つ先生が担任を受け持つことになります。
しかし、人手不足でそれだけでは業務が回らない、子供たちに十分目を届けられない、といった問題が多い幼稚園も少なくありません。

そんな時に求められるのが「補助」のお仕事です。担任を受け持つのではなく、先生のお仕事をその名の通り手助けしたり、手の回らない雑務やイベントの準備などを行います。

補助という肩書とはいえ、子供たちとは十分関わる事ができますし、先生たちの負担を減らすお手伝いともなればやりがいも大きいでしょう。

求人の多くはパート・アルバイトという形になります。

資格はないけど園児の教育をサポートしたい、子どもに関わりたい、働きながら資格取得の勉強もしたいという場合には、「補助」という手段もアリかもしれませんね。

「幼稚園教諭」と「保育士」どっちがいいのかは、自分が何を重視したいか考える

これまで、保育士と幼稚園教諭の違いをまとめてみましたが、結局自分に向いているのはどちらなのだろう?と、わからない人もいますよね。

子どもたちと過ごす時間の長さ内容保育する年齢などから決める人もいます。

例えば、決まったカリキュラムをこなすより、自分の裁量で臨機応変に対応できる人や、特に小さな赤ちゃんのお世話が好きだという人は保育園が向いています。

出来るだけ決まった時間に帰りたいとか、土・日は休みたいという人なら幼稚園の方がそういった施設は多いです。

子どもが好きで、子どもに関わる仕事がしたい!という方は養成機関を検索したり、気になる幼稚園に園見学に行ってみたりしてみてはいかがでしょうか?

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