今更聞けないチーム保育!【理想・チーム保育加算・メリット・デメリット・】

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はじめに

担任の制度について様々な形態の保育園がありますが、皆さんの園ではどのような形態がとられているでしょうか?

一クラスごとに一人の担任がつく一人担任制の形態をとっている園、

一クラスごとに複数の担任がつく複数担任制の形態をとっている園、

はたまた、クラスに分けるという考え方をしないで全員の園児を職員全員で保育をしている園

様々ですよね。

その中でも今回は、複数担任制による「チーム保育」について紹介したいと思います。

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チーム保育とは?

「チーム保育」とは、「複数のクラスを複数の保育士で担当する」という保育形態です。

1人の保育士が1つのクラスを保育するという形態と異なり、仕事を分担していきます。

◎大まかな役割と内容の例

・リーダー:活動の中心。クラス全体をみる。

・サブリーダー:活動中のアクシデントや困っている子供の手助けなど。お便り帳の確認などの雑務も行う。

・アシスタント:活動の準備や片づけ、お便り帳の確認などの雑務を中心に行う.

1人が「リーダー」となり、他の保育士は「サブリーダー」や「アシスタント」としてリーダーを補助します。

この3つの役割は、みんなで交代しながら担当するのが基本です。

保育園によって細かい仕組みは違いますが、1つの役割だけ担当することはほとんどありません。

このようにチーム保育とは、それぞれの保育士が異なる保育を行うことで、子どもたちを多面的に支える保育なのです。

注目されつつあるチーム保育

「チーム保育」は政府も支援しており、注目されつつあります。

チーム保育を実施している保育園では、条件を満たせば「保育士1人分」の人件費がプラスして支給されるといった制度もあります。

なぜ政府が「チーム保育」を推進するかというと、チーム保育を進めることで、保育士の負担が軽減できると考えているからです。

保育士の負担が減ると、保育士が長く働ける環境にすることができます。

そして、保育士が長く働ける環境が整えば、保育士を辞める人が減るので、現在問題となっている「保育士不足」を解消できると考えているのです。

では、チーム保育には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット

1.複数の目で子どもを見守れる

チーム保育では、複数の保育士で子どもたちを見守ることができます。

すると、一人担任制のときより子どもを見守る「目」も増えるので、子供の安全性を高めることが出来、結果として子供はより自由に活動することができるようになります。

どれだけ注意していても、保育士1人だけで子どもを見守るには限界があります。

しかし、チーム保育をすれば、多くの大人の目で子どもを見守ることができるのです。

2.トラブルがあっても子どもの活動を中断させなくても良い

一人担任制だと、クラスの子どもの一人が怪我したり、発熱などのトラブルが発生したとき、他の子どもたちの活動も止まってしまいます。

しかし、チーム保育ではサブリーダーやアシスタントの保育士もいるので、他の子どもたちへのフォローに回ることができるようになります。

トラブルが起きるたびに、遊びが中断すれば子供たちは残念な気持ちになるかもしれません。

しかし、チーム保育をすれば子どもたちの集中力を削ることなくスムーズに保育活動が出来るのです。

3.責任が分散できて、保育士の負担が軽くなる

チーム保育では、一人担任制よりも保育士の仕事の負担が軽くなるのもメリットの一つです。

もっと先を見通した保育をしたいのに、イベントの準備やお便り作りなどの雑務に追われて、心身ともにクタクタ・・・

「周りと協力しよう」と思っても、自分のクラスを回すことで精一杯・・・

そんなことはありませんか?一人担任制だと大変なことが多いですよね。

しかし、チーム保育では役割をしっかり分けてクラスを運営していきます。

そのため、仕事内容にメリハリができて、責任を分散できます。

チーム保育では「他の先生に任せる」「自分の仕事に集中する」ことが可能になるので、保育士の負担が軽くなると考えられています。


 

以上、メリットを見てきましたが、「チーム保育」にはデメリットもあります。

どんなデメリットがあるのでしょうか?

デメリット

1.責任の所在が分からなくなる可能性がある

チーム保育では、保育士同士のコミュニケーションが少ないと、責任の所在が分からなくなることがあります。

他の保育士がいるからと言って「言わなくてもアシスタントがしてくれるだろう」というスタイルでいると、最終的に「何でやってないの?」というトラブルが起きてしまいます。

一人担任制では仕事は全て自分でするので、「誰かがやってくれるだろう」という考えは生まれません。

しかし、チーム保育ではコミュニケーションがないと、責任は誰にあるのかが分からなくなり、子どもの事故につながることも・・・

保育者同士でコミニュケーションを取り合い、連携の意識を高めておく必要があります

2.保育の仕組みが整理されていない場合逆に保育士が苦労する

チーム保育では、仕組みをしっかり整理していないと保育士が苦労することになります。

例えば、3人の保育士でクラスを担当していたとしても、リーダーやサブリーダーなどの役割、仕事の分担も決めないでいると、1人が休んだときに手が回らなくなってしまいます。

保育士がパニックになると、子どもたちにもその気持ちが伝わり、結果としてクラスが荒れてしまう可能性も・・・

何も決めずにチーム保育を導入してしまうと、保育士にしわ寄せがきてしまいます。

3.しなくてもいい援助を子どもにしてしまう可能性がある

チーム保育では、教師の人数が増えることで、子どもに「しなくてもいい援助」をしてしまう可能性があります。

一人担任制のときは、忙しくてとても手が回らず、結果的に子どもが自立するということもよくあるもの。

チーム保育では保育士の手が空くことによって、子どもが本来自力でできることにも手を貸してしまい、子どもの自主性を失ってしまうかもしれません。

子どもの発達に応じて、意識的に「目を離さず、手は出さない」という援助を心がける必要があるでしょう。

4.保育のやり方に対する方向性にバラツキが生じる可能性がある

複数の保育者が共同で保育をするので、保育に対する取り組みがバラバラになってしまう恐れがあります。

保育者はそれぞれ保育に対する考えをもっているので、ときには保育者の意見がぶつかることもあるでしょう。

しかし、そういうことで保育者同士の調和がとれなくなることも考えられます。

保育者の不調和は子どもにとって良くないことなので、避けなければなりません。

上司部下といった関係性が構築されていると発言しにくい場合もありますが、話し合いが大切になってきます。

まとめ

今回はチーム保育について紹介しました。

チーム保育では、保育士の負担が少なくなるだけでなく、より多くの目で子どもを見守ることができます。

ただし、デメリットが存在しているのも確かです・・・

そのため、コミュニケーションをしっかり取りつつ、保育園自身で細かい仕組みを考えていく必要があるでしょう。

完璧な保育方法というものは存在しません。

メリットを活かし、デメリットは最小限まで抑えられるように工夫することが大切なのではないでしょうか。

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