【2022年最新版】コロナだけじゃない!保育園で流行る冬の感染症対策まとめ

例年、冬は特に感染症の感染リスクが上がるため、保育園も気を付けなければならない時期となります。近年では、コロナウイルスが蔓延したため、より一層危機感が増していますよね。これから本格的な冬シーズン。コロナワクチンの促進や国内での新規感染者の低下など明るい話題も出てはいるものの、オミクロン株などの新種も流行するなど現状は厳しいままです。その上、コロナに限らず、例年保育園では様々な感染症が流行します。しっかりと事前に対策をしておきましょう。そこで、今回は今最も保育園で注意すべき、コロナだけじゃない冬の感染症について紹介します。

保育園で冬に流行りやすい感染症とは

以下では、主にコロナウイルス以外の3つの感染症について紹介していきます。

インフルエンザ

一つ目は誰もが知っているインフルエンザです。毎年冬に大流行するイメージの強いインフルエンザですが、1月~3月ごろにピークを迎えるため春先まで注意が必要です。感染経路は飛沫感染から接触感染まであらゆる経路があります。症状としては寒気や高熱、頭痛、咳、など多岐にわたりますが、大きな特徴は関節痛です。また特に子供に多く、注意が必要な症状が幻覚を伴う異常行動です。最悪の場合には脳症を起こし死に至る危険性もあります。毎年「流行する」というイメージがありますが、罹ったら取り返しのつかない要素もあり、特に小さい子供は十分な注意が必要です。また感染すると一定期間の出席停止となります。

一番の予防法は流行りだす前に接種するインフルエンザワクチンと言えます。また、マスクの着用や手洗いうがいといった基本的な予防法でも十分防ぐことが出来ます。

ノロウイルス・ロタウイルス

二つ目はノロウイルス・ロタウイルスです。「ノロは知ってるけどロタって何?」と思う方も少なくないのではないでしょうか。実は双方ともに嘔吐と下痢が主な症状です。加えてロタウイルスは乳幼児が感染する病気とされており、下痢便が白くなることもあるそうです。反対にノロウイルスは大人も関係なく感染するため園児から保育士への感染も十分にあり得る病気です。両病気とも下痢や嘔吐を含むために、脱水症状を引き起こしやすいことも特徴と言えます。感染経路は飛沫・接触・経口といったあらゆる経路で感染します。感染力が非常に強いことから飲食物やトイレ、吐物からの空気感染も多く見られます。

予防法としては基本的な風邪予防に加え、全員で使用したものはこまめに消毒する必要や、吐物の処理を通常以上に徹底する必要があります。また、トイレの便器のふたをしめてから流すよう促すことも重要です。園内での張り紙や子どもたちへの声掛け、保育士さんたち自身も特に注意するべきポイントですね。

溶連菌感染症

発熱や咽頭通、扁桃炎、下にぶつぶつが出来るなど人によりあらゆる症状が出ることが特徴です。感染経路は、飛沫や接触感染が主で、幼児に感染しやすい病気です。しかし大人も例外ではありません。また症状の重軽度も人により様々です。流行時期は冬から初夏にかけてです。しかし抗菌薬をきちんと投与すれば24時間以内には感染力が失せるということです。

こちらも予防法としては、基本的な風邪の予防法を徹底する必要があります。

保育士くらぶ

園でできる感染症対策【実践編】

ここからは園でも簡単にできる感染症対策について紹介していきます。今最も恐ろしいコロナウイルスも兼ねてあらゆる感染症対策に活用できるため参考にしてみてください。

下記の青枠に記載されているものは、厚生労働省が2018年に改定した『保育所における感染症対策ガイドライン』の「(2)保育所における感染症対策」を抜粋したものです。

○ 乳幼児が長時間にわたり集団で生活する保育所では、一人一人の子どもと集団全 体の両方について、健康と安全を確保する必要がある。
○ 保育所では、乳幼児の生活や行動の特徴、生理的特性を踏まえ、感染症に対する 正しい知識や情報に基づいた感染症対策を行うことが重要である。

出典:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)厚生労働省

マスクの義務付け

これは現在いつもに増して徹底している予防法ですよね。ただ保育園では一見しているようで、ずれて鼻マスクになっていたり完全に外れている園児もいるかもしれません。周囲の大人が呼びかけることや見本を見せるなど注意を徹底する必要があります。

手洗いうがいの徹底

こちらも今当然ながら徹底していることと思います。具体的な方法としては、洗い方のマニュアルを貼ったり配布する、歌やリズムで覚えてもらう、呼びかけを徹底する、洗う時間を設けるなどがあります。下記は、厚生労働省が示す正しい手洗いのマニュアルです。参考にしてみてください。

<正しい手洗いの方法>
以下の手順で、30 秒以上、石けんを用いて流水で行いましょう。
① 液体石けんを泡立て、手のひらをよくこすります。
② 手の甲を伸ばすようにこすります。
③ 指先とつめの間を念入りにこすります。
④ 両指を組み、指の間を洗います。
⑤ 親指を反対の手でにぎり、ねじり洗いをします。
⑥ 手首を洗い、よくすすぎ、その後よく乾燥させます。
* 年齢の低い子どもには手洗いが難しいので、保護者や保育士、年上の子どもが一緒 に洗う、手本を示すなどして、少しずつ手洗いを覚えさせていきましょう。

出典:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)厚生労働省

出典:高齢者介護施設における感染対策マニュアル

手洗い後のアルコール消毒

今や園内にも多くのアルコール消毒が設置されているのではないでしょうか。手洗いだけで終わらず、その後にアルコール消毒を徹底することで防げる確率が上がります。その際、手のひらだけでなく指先まで徹底してアルコール消毒することを意識しましょう。

使用する部屋のアルコール消毒の徹底

各部屋にアルコール消毒を設置することを徹底しましょう。特に園児が立ち入る部屋であればなおさらです。トイレはもちろんのこと机やドアノブ、おもちゃなど園児が接触するものしたものをこまめに消毒することが重要です。

部屋やバスの喚気を徹底する

寒い冬ではありますが例年よりも感染症に敏感な今年の冬は園内のどんな部屋でも徹底した喚気をする必要があります。一定時間窓を開けたりなど空調を入れ替えることを頻繁にしましょう。また、空気清浄機や扇風機を活用するのもいいかもしれません。園児の体調に配慮しながらも空気の入れ替えは適度に行うことが大切です。

咳やくしゃみのある園児への対応

特に今の時期、咳やくしゃみなどの症状がある園児に対し、園によっては登園に制限を設けているところもあるのではないでしょうか。咳やくしゃみなど飛沫の恐れがある園児に対しては体調の管理の経過や保護者との相談で登園に気を使う必要があります。また、登園している園児たちに対しては出来るだけ一人一人の体調の変化に敏感になるようにしましょう。登園済みで体調が悪くなった園児や体調が悪そうに見える園児に対し、保護者への早急な連絡や保健室への誘導など徹底することも忘れてはいけません。

加湿器を置く

乾燥しやすい冬、園内でも加湿器を置くことをおすすめします。乾燥が防げることでコロナだけでなく他の予防にもなります。また設置する際は、清潔に保つため頻繁に掃除することも必要です。ただし、危ないので子どもたちの手が届くところにはおかないよう気を付けましょう。

嘔吐物処理を適切に

幼い子どもたちは、我慢できずにその場で吐いてしまうことも多く、保育士さんは処理に追われるなんてことを年中経験しているのではないでしょうか。しかし、特に冬はこの処理を適切に行わないと、上記で挙げたノロウイルス蔓延に直結してしまいます。保育園によっては処理に関する研修やマニュアルを常備しているところも少なくないかと思います。嘔吐物処理キッドのような突然の事態にも対処できるセットも便利ですね。園内で子どもが嘔吐した場合に早急に対応できるように日頃からシミレーションや保育士さん同士のコミュニケーションを欠かさないよう心がけましょう。また、早期発見のためにも子どもたちの移動した個所の見回りやトイレ点検などをこまめに行うことが大切です。

保育だよりなど保護者へのこまめな連絡

冬の感染症が蔓延する時期において何より大切なことは自宅との連携です。自宅での体調次第で園での体調の変化観察や流行防止につながります。保育士さんは、園での園児の様子や気になることを連絡帳に示し、保護者への連絡を徹底しましょう。また、保護者側にも園児の自宅での体調や様子を観察・報告してもらうよう連結を強化することが大切です。各時間に行う検温の記録も重要です。送り迎えに来る保護者に対しても併せて促すとより安心かもしれません。

コロナだけにとらわれないようにしよう

蔓延する新型コロナにより、「コロナ」への恐怖心が注目されているかと思います。しかし忘れてはいけないのがコロナ以外にも多くの感染症が存在するということです。季節ごとに流行する感染症の症状の特徴を把握し、すべての病気を予防しましょう。

最後に

ただでさえ感染症が流行る冬の保育園。今年は一層危機感が募り保育園も大変ですよね。大切なことは保育士さんだけが徹底するのではなく、園児とその保護者達とも協力をしていく事です。予防対策を教えると共に命の尊さも教えられるといいかもしれません。コロナ対策もしながら他の感染症にも十分気を付け、子どもたちの健康を守っていきましょう!

よくある質問

保育士くらぶにはどんな記事がありますか?

保育士くらぶには現役の保育士・幼稚園教諭や保育士を目指す学生さんにとって手遊びや保育内容など今日から役立つ保育のネタをご紹介しています。こちらのトップページより色々な記事をお楽しみください。

保育士くらぶの最新の記事はどこから見られますか?

最新の記事はこちらの保育士くらぶトップページよりご覧ください。月間12本~15本の記事をアップしています。保育で使える季節の遊びや歌、連絡帳の書き方などもご紹介しています。

保育士くらぶのオリジナル動画はどこから見られますか?

保育士くらぶのオリジナル動画はこちらの保育士くらぶyoutubeチャンネルでまとめて見ることが出来ます。保育士くらぶyoutubeチャンネルでは保育で使える歌や遊び、制作以外にも転職のコツや求人の探し方も解説しています。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/