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保育士さんは重労働で責任の重い仕事なのに低所得だと言われます。
待機児童問題などから、保育士さんの待遇を改善しようという政府の取り組みが始まって数年が過ぎましたが、保育士さんのお給料事情はどうなっているのでしょうか?
今回はパートや派遣、契約社員など非正規雇用の保育士さんに多い時短勤務の給与形態である時給に注目してリサーチしました。
保育士の時給(給料)の現状
所定内給与額、つまり残業や休日出勤といった超過労働給与を除く所定内の給与額の令和元年の全職種平均は307,700円です。
一方、保育士さんの所定内給与額は238,000円なので、約7万円の差がありボーナスなどを含めた年収ベースにすると100万円近い差があると考えられます。
これは保育士資格を有する正規雇用の常勤保育士さんのデータです。
例えば保育士資格がない保育補助として勤務する人や、時短勤務のパート・アルバイトの人、非正規雇用の派遣社員や契約社員などの雇用形態の人はさらに低賃金な場合がほとんどです。
正規雇用の常勤保育士さんの場合、給与は月給がほとんどですが、パートやアルバイトの場合時給換算となる場合が多いようです。
この時給は、勤務する保育園の所在地である自治体によっても差がありますし、同じ自治体内でも公立か私立かなど保育園によって差があります。
もちろん、正職員・常勤の保育士さんに関してもパートやアルバイトの人と同じように保育園によって給料に差があるのは言うまでもありません。
雇用形態によっても時給(給料)は変わる
続いては、雇用形態別の給料や勤務時間、条件・待遇について紹介します。
正社員・常勤の場合
保育園に勤務する保育士さんの内、最も多い雇用形態なのが常勤の正職員です。
私立の保育所に勤務する正職員で常勤の保育士さんの平均給与額は1か月あたり301,823円(時間外手当・賞与込み)です。※平成31年3月分
1日8時間勤務1か月22日間勤務で時間外労働が10時間だと仮定すると、時給換算だと1,622円になります。
勤務時間はシフト制で、1日8時間で休日は保育園によって違いますが、週休2日や4週7休や4週8休といった勤務体制が多いようです。
正職員の場合、社会保険や退職金制度や産休・育休制度などが充実している施設がほとんどです。
嘱託(非常勤)の場合
正職員以外の嘱託や契約社員などの非常勤の保育士さんの平均月額給与額(時間外手当・賞与込み)は、187,816円です。
1日6時間で月に20日勤務するとすれば、時給換算で1,565円になります。
非常勤の保育士さんは、契約内容や施設によって違いますが、おおむね正職員に近い待遇や条件が適用されます。
給与が少なめになりますが、その分責任が重くないことが多いようです。
パートの場合
パート保育士さんの時給は、地域や施設によってかなり差がありますが、900円~1,200円ぐらいの保育園が多いようです。
一般職のパートやアルバイトと同じでボーナスは無く、待遇や条件面でも正職員とは大きな隔たりがあります。
派遣の場合
派遣の保育士さんの場合、雇用主が派遣会社になります。
ボーナスはありませんが、時給は1,200円~1,800円とパート保育士さんと比べると高く、派遣会社にもよりますが社会保険制度もあり、有給や産休・育休が取れることも多いようです。
【地域別】保育士さんの時給相場
保育士さんの給料は、勤務する都道府県、市町村など自治体や地域の違いでも差があります。
都市部の場合
首都圏や大阪・兵庫、愛知といった都市部では時給が高い傾向にあります。
平均時給が高い東京や千葉、神奈川や埼玉では、アルバイトやパートの保育士さんの時給も1,000円を超えています。
派遣の保育士さんでは、1,300円~1,400円とかなり高い時給です。
地方の場合
一方、都市部以外の地方では時給はやや低めで、アルバイトやパートの保育士さんで900円台のところがほとんどです。
派遣保育士さんの時給も1,100円~1,300円と都市部よりは低くなっています。
職場によっても時給に違いはある?
勤務する施設によっても保育士さんの時給は変動があります。
ここでは、勤務する職場の種類別に時給を比較してみましょう。
公立保育園
公立の保育園に勤務する保育士さんは公務員になります。
公務員と言えば厚遇や高給と言われますが、公立保育園の保育士さんも常勤であれば定期的に昇給があり、経験年数が上がれば上がるほど給料は高くなります。
しかし、非常勤のパートやアルバイト、派遣の保育士さんはあまり高い時給とは言えないようです。
公立保育園が減少していることもあり、求人も少ないようです。
私立保育園
私立の保育園にお勤めの保育士さんは、正職員の常勤でも給料は低めです。
昇給があまりないこともあり、長く務める保育士さんが少ないようです。
パートやアルバイト、派遣や契約といった非常勤の保育士さんも多いことから、その時給はあまり高くはないようです。
ただし,まだまだ施設数は少ないものの、従来の社会福祉法人以外の株式会社などが運営する保育園は時給が高いことが多いようです。
院内保育園
病院などの医療機関に勤務する職員の子どもを預かる施設、病院内保育園の多くは専門の運営会社が受託して運営しています。
そのため、パートや派遣の保育士さんが多いと言われています。
時給はさほど高くないことが多いようですが、福利厚生がしっかりしていて待遇は良いと言えそうです。
企業内保育園
事業所内保育園とも言われる企業内保育園の場合、対象となる企業が直接運営していることが多く、その場合企業の職員待遇となるので条件が良い場合が多いようです。
ただ、企業であるため景気に左右されやすく、その企業の業績が悪化すれば給与の減額や最悪の場合解雇といったこともあります。
給料を上げるためにはどうすればいい?
待遇が改善されるのをただ待つ以外にも,給料をアップさせる方法はあります。
その方法として,例えば以下のようなものが考えられます。
- 資格を取得する
- 転職する
- キャリアアップ研修制度の活用
自分から行動を起こすことで,給料が上がる可能性は広がっていきますので,もっと待遇の良い職場で働きたいという方は勇気を出して挑戦してみてはいかがでしょうか。
今後の展望と可能性
高齢化や少子化で子どもの数は減っていますが、保育士さんの不足はまだまだ続いています。
特に都市部では待機児童の解消が中々進まない自治体も多く、非常勤のパートや派遣の保育士さんの需要も高いようです。
正職員の保育士さんには「処遇改善手当」なども支給されているので、今後非正規雇用の保育士さんの待遇も良くなるかもしれません。
時給の高い低いはもちろん重要ですが、仕事の内容や労働環境、福利厚生や休日などの待遇や条件もしっかり確認して、自分に合った職場、働き方を見つけましょう!
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