保育士くらぶ厳選!保育用語集【後編】

こんにちは!

今回は、 前編に引き続き保育用語集の後編です。

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認可外(無認可)保育園

認可外保育園とは、園庭の広さなどさまざまな設置基準の関係で基準を満たしていない、国の認可を受けていない保育施設のことです。認可外保育園の中には、施設の広さだけが不足していて、保育面では認可保育園に劣らないくらいの保育園もたくさんあります。

運営に関しては、都道府県などの監査を受けているため安全面や衛生面も充分に整備されている施設が数多くあります。ですので、認可外という言葉のイメージで決め付けるのは避けたいものです。

認可外保育園は、民間業者や個人が運営していることが多いので、融通が利きやすいなどのメリットもあります。また、仕事と子育てを両立しているお母さんとその子どものために親身になってくれる保育園も多いと言われています。普通より早い時間や遅い時間でも預かってくれる保育園が多く、保護者の急な残業にも対応してくれるところもあるようです。

認可外保育園には、企業内保育園(事業所内保育施設)駅型保育園ベビーホテルなどがあります。認可外保育園の入園方法は、各保育園と直接契約を結びます。保育料の設定は、各保育園がそれぞれ行うのでしっかりと説明を受ける必要があります。認可外保育園には基本的に公的な補助がないので、認可保育園と比較すると保育料やおやつの料金が高くなります。


認証保育園

認証保育園とは、現在の認可保育園だけでは応えきれていない大都市のニーズに対応しようとする東京都独自の保育園です。国の基準によって運営されている認可保育園の設置基準は、大都市では設立が困難です。

また、認可保育園は0歳児保育を行わなかったり、必ずしも都民のニーズに応えられていませんでした。それらのニーズに応えるために設立されたのが認証保育園です。設置基準も東京都独自に設定されています。また、多くの民間企業の参入を促し、事業者間の競争を促進することによって多くの認証保育園を設立していきました。

多様化するニーズとは・・・
・産休明けから子どもを預けたい
・遅い時間の保育もして欲しい
・送り迎えが便利な場所に預けたい
・行政の目が届く保育園に預けたい
・なるべく安い料金で預けたい

認証保育園は、これらのニーズに対応しています。
主にA型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)の2種類があります。開園時間は13時間以上で、朝早くから夜遅くまでの間預けることができます。

〇A型
認証保育園A型は、基本的に駅前に設置し大都市特有のニーズに応えます。園庭を設置するか、または近くに代わりとなる公園などの場所を確保できることが必須条件となっています。対象となるのは、月160時間以上の保育が必要な0歳~5歳です。定員は、20人~120人とされていて、そのうち半数以上が0歳~2歳です。駅の改札口から徒歩5分以内の保育園については、東京都が改修経費を補助します。

〇B型
認証保育園B型は、保育室制度からの移行をめざし、小規模でアットホームな保育を目指します。対象となるのは、市区町村が必要と認める0歳~2歳で、定員は6人~29人です。A型にて必須条件とされていた園庭は特に規定はされていません。非常に小規模な園が多く、低年齢の乳児保育に特化した保育園といえるでしょう。


認可保育園

認可保育園とは、国が定めた設置基準(施設の広さ、職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たしていて、都道府県知事に認可されている児童福祉施設です。もちろん公立保育園も認可保育園に含まれます。基準としては、原則的に調理場があることや避難経路が確保されていること、アルバイト職員は全体の2割以下であることなどです。

また、原則的に開園時間は、1日11時間、保育時間は8時間としています。公的資金補助が大幅にあるため、保育料は公立保育園とあまり差がなく比較的安いです。預けられるのは、原則としてその区市町村に在住・在勤・在学の人です。入園対象は、乳児(1歳児)~幼児(未就学児)です。

【入園必須条件】
・保護者が就労していること
・保護者が就職活動をしていること
・保護者が日中に就学や技術習得をしている
以上が、お子さんを保育園に預けることができる必須条件です。

それから以下の条件について、細かくランク付けをして総合的な点数を算出します。
ランク付けの方法は各自治体によって異なります。
その点数(優先度)が高い順に保育園に入園できます。

・保護者の居宅外就労
・保護者の居宅内労働(自営・内職など)
・産前産後(入園できても利用できる期間が2ヶ月や5ヶ月などに限定されます)
・保護者の傷病または心身障害
・同居親族の介護
・災害の復旧

 同じ「就労」でも短時間労働よりフルタイム時間(8時間)勤務の方が高い点数がつきます。また自治体によっては、勤務時間が短い場合は就労条件とみなされない場合もあります。

それに加えて、お子さん・保護者の状況によって以下のような各種の調整指数が加算されます。
・両親不存在世帯
・ひとり親世帯
・生活保護法による被保護世帯
・兄弟姉妹が保育園に入園中
・兄弟姉妹が同時に入園申し込み
・認可外保育施設を利用中
・障害児などで特別支援を必要とする場合


認定こども園

認定こども園とは、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」(平成18年法律77号)に基づき、2006年(平成18年)10月1日から設置された保育施設です。保護者の就労の有無にかかわらず、入園が可能です。

近年では働く母親が増えたため長時間保育を求める声が増えています。保育園に対しては、幼稚園並みの充実した教育が求められ、幼稚園に対しては長時間保育が求められているのが現状です。これら2つを統合した要素を兼ね備えているのが、認定こども園です。
認定子ども園には、多い順に、保育園と幼稚園を融合させた「幼保連携型」、幼稚園で長時間保育を行う「幼稚園型」、保育内容を充実させた「保育所型」、認可外保育所を充実させた「地方裁量型」の4つのタイプがあります。
設置基準は以下のとおりです。

●設置基準●
認定こども園の設置基準は、文部科学大臣と厚生労働大臣が定める国の指針を参考にして各都道府県が条例で設定します。
【職員配置】
0~2歳児については、保育園と同様の基準配置とする。
3~5歳児については、担任を置いて、長時間利用児には個別に対応する。

【職員資格】
*0歳~2歳児については、保育士資格保有者とする。
*3歳~5歳児については、幼稚園教諭免許と保育士資格併有者が望ましいが、原則は、担任は幼稚園教諭免許保有者、延長・預かり保育は保育士資格所有者として、片方のみの資格所有者を排除しないようにする。
【教育・保育の内容】
*幼稚園教育要領と保育園保育指針の目標に沿った内容とする。
*利用開始年齢や利用時間の違いなど園児の事情に配慮する。
*小学校教育への円滑な接続に配慮する。

●幼保一体化の必要性●

*保護者の就労形態にかかわらず、子どもが保育と教育の機会を平等に受けることができ、保護者の選択肢が広がる
*年齢や生活環境が異なる子どもと多くの保育者と一緒に生活することで、より望ましい発達を促す効果が期待できる。
*待機児童の減少が期待される。

●幼保一体化の問題点・課題●

【公共政策としての保育政策のあり方】
幼保一体化政策は、規制緩和政策の一つでもあり企業をはじめ様々な組織・団体が進出しやすくなりました。この現状に対して、国や自治体は今までの予算を減らして、公的な責任を放棄しているのではないかとの批判があがっています。

【幼稚園からこども園へ移行の問題】
幼保一体化政策が成功するかどうかは、幼稚園がどのくらいこども園に移行するかにかかっています。幼稚園に保育園機能を持たせるためには、保育士の確保、給食設備の設置など大きな経費がかかってきます。また、保育基準が引き下げられたり、あるいは経営優先策から高めの保育料の設定が認められたり、保育士・職員の労働条件も引き下げの方向にいくのではないか、との懸念も示されています。
多くの私立幼稚園が、宗教的教育や英才教育あるいは受験準備的教育など、園独自の特徴をうりに園児を集めているので、それらの特徴を守り続ける方向で、こども園に移行しないという場合もあると思われます。

【教員・保育士の資格の問題】
現在の幼稚園教員、保育士の資格は、いずれも国家資格を合格しなければ取得できません。

今日、幼児への保育・教育の高質性が求められている中で、より経験・知識を持ったスタッフが求められています。認定こども園では、園の特性から幼稚園教諭免許と保育士の2つの資格所有者が求められています。

しかし、これら2つの資格を取得することは、時間的にも、経済的にもとても大変なことです。この資格制度についても改革・改善をはかっていかなければ、「こども園」に移行してもスタッフを確保することは困難です。また、現在の資格制度の複雑さなどから、保育の分野への就職希望者が減少することも懸念されます。


ベビーシッター

ベビーシッターとは、母親が留守の時に自宅で代わりに保育をする人のことです。

ベビーシッターになるには、ベビーシッター会社に登録する必要があります。必要資格はありませんが、ベビーシッター認定資格や保育士資格を所有していると信頼度が高まりますし、有利です。子どもの急な体調の変化や怪我などに対応しなければなりませんので、資格の有無にかかわらず子どもに関する知識は必要です。

現在、待機児童の増加で、保育所に子どもを預けられていない家庭の多くが利用しています。特に働く女性の多い都心部では、ベビーシッターはとてもニーズが高いです。

アメリカでは、昔から一般的に利用されてきましたが、日本で初めてベビーシッターサービス機関が設立されたのは1973年(昭和48年)のことです。
ベビーシッターを利用したい時には、一般的にはベビーシッター会社を通して依頼をします。
それぞれの会社によって、特徴や価格、システムなどに違いがありますので事前に確認をし、不明な点は問い合せましょう。条件に合う会社が見つかったら、利用契約を結びます。


保育参観

保育園や幼稚園では、子どもを預けている保護者に園での様子を
知ってもらうために、定期的に参観日を設けています。

保育参観の保育内容は園によって様々で、普段と同じような保育を行う場合もあれば、園児とその保護者が共に楽しめるような制作やゲームなどを企画して保育参観とする場合もあります。また参観の規模も異年齢が集まった中で参観するかクラス毎の参観になるかも各々です。

保護者にとって保育参観はクラスの雰囲気、先生たちの様子、
自分の子どもや同年齢の子どもたちの様子が分かる大事な行事の一つ。

幼稚園でも保育園でも年に1回~数回のペースで開催されるのが主です。
日にちを決めて開催される他、保育園の場合両親が共働きの場合があるので
数日間にわたって開催する園、申し込み次第でいつ行っても良い園など様々です。

日にちが決められている場合は、同じ日にクラス懇談会が行われることもあります。
クラス懇談会は、先生から普段の様々な話を詳しく聞くことができたり、同年齢の子どもを持つ保護者同士で情報交換ができたりと、保育参観と併せて開催することによって更に保護者が園に対して理解を深めたり、保育・幼児教育への関心を高めたりすることができます。


保育士試験

保育士試験とは、国家資格として認められている「保育士資格」を取得するための国家試験です。

保育士資格の取得方法は2通りあります。
①    保育士試験に合格する
②    指定保育士養成施設を卒業する

保育士試験は前期・後期の1年に2回行われ、前期は1月上旬〜下旬、後期は6月下旬〜7月下旬まで申請手続きが行えます。

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保育ママ

保育ママとは、乳児を中心とした子どもたちを自宅や自治体から指定・提供された場所にて、家庭的な保育を行う保育者のこととそれに関する事業のことを指します。
児童福祉法では、元々は昼間里親という呼称で定められていたが、現在では家庭的保育事業として定められています。(第6条の3第9項)

日本では、1948年に厚生省(現:厚生労働省)が昼間里親制度を定めました。
そして、1950年に京都市が日本で始めて昼間里親制度を発足しました。
その後、徐々にではあるが制度を定める自治体が増え、1973年に江戸川区がこの制度を定める際に初めて『保育ママ』という名前を使いました。
以降、『保育ママ』という呼び方が一般的になったのです。

2001年から厚生労働省が家庭的保育等事業実施要綱を制定し、家庭的保育事業に補助金制度がスタートしました。
2008年には、児童福祉法が改正され、家庭的保育事業(保育ママ)が法制化さて、家庭的保育事業ガイドラインが制定されました。
ここまで、法的な定めはなく各自治体によって基準が異なっていました。

2010年には独自の研修制度が始まり、この研修を受けることが原則必須となりました。

この事業の資格は、各自治体によって異なるが、保育士・幼稚園教諭・看護師・助産師・保健師などの資格をもっている方から認定されるケースが多い。
現在では、無資格の方でもある一定程度の研修を受ければ認められるケースも増えています。

『保育ママ』という名前ではありますが、男性の保育ママもいます。


未満児

未満児とは、「3歳未満の児童」を表す言葉。

類義語として 3~5歳児童を「3歳以上児」もしくは「以上児」と呼ぶこともある。
児童福祉法で乳児と幼児を分ける境目が3歳であることから、区分として「未満児」「以上児」が頻繁に使用される。

定義としては年度末日時点で3歳未満までを指す。


モンテッソーリ

『モンテッソーリ』あるいは『モンテッソーリ教育』と呼ばれる。
イタリア人女医・教育者のマリア・モンテッソーリによって考案された教育方法。

1907年にローマの貧困地域設立した保育施設「子供の家」から始まり全世界に普及した。
その後世界中で支持され、教育界に最も大きな影響を与えた教育法の一つとされている。
日本ではモンテッソーリ協会が1968年に設立された。

能力の獲得に最適な時期(敏感期)に、適した環境(整えられた環境)で独自の教材(感覚教具)を利用し、5つの分野(日常生活・感覚・数・言語・文化)に応じ、認定資格を持つ教師が実施する。
「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」ことを目的としている。

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幼稚園

幼稚園とは、文部科学省が管轄している小学校・中学校・高等学校・大学等と同じく、学校教育法に基づく学校です。しかし、小中学校のような義務教育機関ではなく、満3才~6歳の幼児に入園資格があります。学校教育法第22条において、「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的」としています。

幼稚園の保育内容は、文部科学省による「幼稚園教育要領」に定められていて、幼稚園教諭が教育を行います。幼稚園は、以下のように主に3つに分類されます。

〈国立幼稚園〉
国が設置・運営している幼稚園です。国立大学に付属しています。大学と提携して幼児教育の研究の場や教育実習の場となる場合があります。

〈公立幼稚園〉
市区町村が設置・運営している幼稚園です。小学校の学区ごとに分かれています。

〈私立幼稚園〉
民間の学校法人などが、設置・運営している幼稚園です。大学や短大、小中高校に附属していたり、系列校をもっているところもあります。教育理念などはそれぞれ独自のものがあり特色が異なります。

保育園との違いは、幼稚園は教育をするところで、保育園は保護者に代わって保育をするところです。


幼保一体化(幼保一元化)

幼保一体化(幼保一元化)とは、厚生労働省管轄の保育園と文部科学省管轄の幼稚園の機能の一体化を図ろうとする政策です。育児・保育サービスの多様化に伴って、保育園と幼稚園両者の問題を解決するべく、両者を一体化しようとする考えです。

なぜ幼保一体化の考えが広がったのかというと、地域によって異なりますが、少子化と働く女性の増加が大きな理由だと言われています。特に都市部では、働く母親が増えたためほぼ延長保育をしていない幼稚園よりも長い時間預けられる保育園に預ける傾向があります。幼稚園は定員割れをしているのにも関わらず、保育園は定員オーバーをしているのが現状です。そんな現状を回避するために幼保一体化という考えが生まれました。

一方、過疎地域では少子化によって未就園児が少ないため複数の施設があっても運営が困難な状況です。そのため、すでにある保育園と幼稚園を合併しようとする動きが進んでいます。


リトミック

リトミックとは、スイスの作曲家で音楽教育家でもあったエミール・ジャック・ダルクローズによって提唱された音楽教育法です。名前からダルクローズ音楽教育法とも言います。

リトミックは、音楽やリズムを使って、踊ったり遊んだり表現したりしていきます。
リズム体操やリズム遊びと同じように、音楽に合わせて子どもたちが遊んでいくことです。

リトミックを通して、子どもたちは音楽に合わせて踊ることによって、リズム感や表現力、想像力を養うことが出来ます。
また、その活動を通して、集中力、思考力、判断力、記憶力も養う効果があるといわれています。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/