江戸時代の人材派遣

皆さんは、幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべい)をご存知でしょうか?
歌舞伎の名場面として有名な鈴ヶ森での白井権八との出会いで「おわけえの、お待ちなせえやし」という粋な台詞を吐いた人物が、件の幡随院長兵衛であります。

この幡随院長兵衛は、町奴(まちやっこ)と呼ばれる町人階級でも特別な存在であったわけですが、語弊を恐れずに分かりやすく現代風に噛み砕いて言うならば、「乱暴な遊び人」とでも言うことになるのでしょうか?
男伊達を気取りながら、徒党を従えて町を闊歩する、まあ、始末の悪い連中のリーダー格であったわけです。

さて、この幡随院長兵衛ですが、江戸時代に口入業(くちいれぎょう)という仕事を営んでいたことでも有名です。

この口入業というのが、なかなか興味深いのですが、詳細を説明いたしましょう。
江戸時代、将軍に仕える旗本たちは、江戸城の城壁の修理をしろ、といった雑用仕事を押し付けられることがままありました。
そのたびに、旗本たちはある程度の人足を用立てなければなりません。
とは言え、こういった小さな仕事は定期的にあるわけではありませんから、貧乏な旗本たちは日頃から余剰な人材を抱えておくわけにはいきませんでした。
将軍の命令ですから、仕事をこなさないわけにもいかず、それでもどうしても人足の求人・手配は急務――

そんな時に活躍したのが口入業であり、幡随院長兵衛はその道の大手でした。
人足が必要な旗本たちが顔役である長兵衛に泣きつくと、彼は自分が従える徒党を仕事先へ送りこみ、城郭修理などの簡単な仕事に従事させる代わりに、相応の謝礼を受け取ったのです。

――何かに似ているとは思いませんか?
そう、江戸時代の「口入業」は現在の「人材派遣」に通じるものがあるのです。
派遣業というと、非常に現代的なイメージを持っていたのですが、歴史を辿ると以外に古いルーツを持っていたことが分かります。
また、江戸時代の商人・町人さんが、非常に合理的な経済観念を持っていたことの証左とも言えるかと思います。

高崎 浅利

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