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ベビーホテルをご存じでしょうか?ベビーホテルとは宿泊を伴う原則一時預かりの認可外保育園のことです。ベビーホテルは深夜に就業している保護者にとっては大変便利な施設でしょう。厚生労働省の資料によるとベビーホテルの利用率は1歳児から3歳児の利用が約62%です。本記事ではベビーホテルの料金や開園時間、サービス内容、保育士の求人について解説しています。本記事はベビーホテルを利用したい保護者と合わせて、ベビーホテルの求人を探している保育士目線でも言及しています。ベビーホテルを利用したい保護者やベビーホテルで働きたい保育士はぜひ参考にしてください。
ベビーホテルとは
必ずしも宿泊を伴う保育施設というわけではない
ベビーホテルとは厚生労働省の定義によると、「夜8時以降の保育」「宿泊を伴う保育」「利用児童のうち一時預かりの児童が半数以上」この3つの要件のうちいずれかを満たしていることとされています。ベビーホテルはこのように必ずしも宿泊を伴う保育施設というわけではありません。例えば午後8時から午後10時までというような利用もできるのがベビーホテルです。一般的な認可保育所では延長保育を利用したとしても午後8時以降預かっている保育園はほぼないでしょう。しかしベビーホテルなら午後8時以降の預かりが可能なので、深夜に就業している保護者にとってベビーホテルはありがたい存在でしょう。
ベビーホテルは認可外保育所
ベビーホテルは市区町村等の認証や認可がなく補助金を受けていない施設です。ベビーホテルはいわゆる認可外保育施設にあたります。ベビーホテルは認可を受けていないといっても届け出は必要。ベビーホテルを含む認可外保育施設は事業の開始から1か月以内に都道府県への届け出が必要となっています。また、変更や事業を休止する際も1か月以内に届け出が必要でしょう。事業が厚生労働省の資料によると令和2年3月現在、ベビーホテルは全国に1,255か所となっています。
ベビーホテルの料金は
月額利用料の場合
ベビーホテルの1世帯当たりの月額利用料は厚生労働省の資料によると児童1人あたり3万円以上4万円未満が全体の24.4%と最も多く、その次に多い料金帯は7万円以上となっています。ベビーホテルに児童2人を預けた場合は7万円以上が55.7%となっています。この資料から読み取れるベビーホテルの平均的な利用料金は自動1人あたり3万円~4万円ということでしょう。しかし、預ける時間や時間帯によって料金は変わってきます。また、ベビーホテルは認可外保育所であることから利用料金は施設運営者が自由に決めることができます。ベビーホテルに預ける場合は事前に利用料金をしっかり確認しましょう。
ベビーホテルのサービス、仕事内容は?
ベビーホテルの実際のサービスは、一般の保育園と同じように子どもたちを預かって保育することです。多くの認可外保育施設や託児所と同じで、それほど多くの児童を預かるわけではないので年齢別のクラス分けなどはなく、乳児だけは別に保育するところが多いようです。
夜間や24時間保育を行わないベビーホテルでは、一日の流れも普通の保育園とほぼ変わらない保育内容です。
東京都新宿区で24時間開設しているベビーホテル「キッズパラダイス」(定員20名)の一日の保育の流れをご紹介します。
10:00 お散歩・幼児教室
11:30 お食事
12:30 お昼寝
15:00 おやつ・自由遊び
19:45 幼児教室
20:30 おやつ・歯みがき
21:00 消灯
ベビーホテルで働く保育士さんのメリット
では、ベビーホテルに勤務する保育士さんのメリット・魅力は何でしょうか?
ベビーホテルとはいってもさまざまな施設がありますから一概には言えませんが、例えば24時間開設や深夜まで預かるベビーホテルで働くメリットとしては、何らかの事情で朝早く、もしくは日中は勤務できない保育士さんにとっては、働き易い施設ですね。
他にも一時預かりが多いので、認可保育園や認定こども園などと違って在籍園児が少ないため、イベントや事務仕事があまり多くないのもメリットと言えます。
年齢別にクラス分けをしていない施設がほとんどなので、いろいろな年齢の子どもたちに接することが出来るのも魅力かも知れません。
保育士さんのデメリット
逆に、ベビーホテルで働く上でのデメリットはどうでしょうか?
24時間開設や夜間や深夜預かりといった施設も多いので、シフト次第では不規則な勤務時間となることは、ある意味デメリットです。
さらに、ベビーホテルは認可外保育施設なので国や自治体からの補助金がほぼなく、経費削減のため人手不足の施設が多いようです。ということは、少ないスタッフに大きな負担がかかるということですし、設備にかけるお金も節約せざるを得ないので劣悪な環境になりやすいということかも知れません。
人手不足や整わない環境は、ベビーホテルに限らず認可外保育施設全体の問題とも言えそうですが…
ベビーホテルは問題点も多数
夜間に就労する女性(特にシングルマザー)にとって、とてもありがたい存在のベビーホテルですが、運営上・制度上いろいろな問題をはらんでいます。
例えば、人手不足で保育士1人が基準以上の子供を抱えるという事例は多くあります。それゆえ、お昼寝中に子供に目が配れず重なって寝てしまった子供が窒息死してしまった、という事故もあったようです。
死亡事故などの発生を受けて、2001年から自治体による立ち入り検査を行うなど、指導監督基準が厳しくなりましたが、それでも立ち入り検査をした施設の半数が指導監督基準を満たしていないという現実があります。
人手不足、劣悪な環境を見極めて!
先ほども書いたように、慢性的な人手不足や劣悪な環境が原因と考えられます。
保護者としては、預けようと思うベビーホテルの保育の現場を自分の目で確かめてから預ける判断をすることが大事です。
また、ベビーホテルでの勤務を考えている保育士さんも、運営がちゃんとしているか、労働条件や労働環境がどうなのかをチェックしたうえで入職した方が安心です。
ベビーホテルの保育士求人はあるのか?
死亡事故など、問題が起こったこともあり「ベビーホテル」という名称にはネガティブなイメージがあるからなのか、施設名にベビーホテルと付くところはほとんどありません。
敢えてベビーホテルにこだわる方もいないとは思いますが、求人を検索する際には「認可外保育園」のカテゴリー検索がいいかも知れません。
例えこういった求人がありました。
- 東京都新宿区(小規模保育園)
派遣社員/時給1,380円/交通費全額支給/18:00~21:00の夜間保育あり(時給は割増?) - 神奈川県横浜市(夜間保育所)
パート/時給1,375円~1,500円(20:00~24:00)/交通費実費支給
やはり日勤の保育士さんと比べると、やや時給が高くなっているようです。
認可外保育園・小規模保育園の求人はかなりたくさんあります。
まとめ
ベビーホテルに関する記事、いかがでしたでしょうか?
女性の社会進出やシングルマザー・シングルファーザーの増加など、ベビーホテルの需要はこれからも減らないのではないかと思います。
ベビーホテル(認可外保育施設)で働こうとお考えの保育士さんが安心して勤務出来る、そして働く保護者が安心して預けられるベビーホテルが増える事を願っています。
よくある質問
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