公立保育士の倍率は?【年収・受かる人・勉強はいつから?】

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公立保育園の人気上昇中

保育園には公立保育園と民間が運営する私立保育園がありますが、公立保育園の保育士は地方公務員として働くことになります。公務員と聞くと、安定しているというイメージがありますよね。

そのせいか、公立保育園で働くことを希望する女性がとても多いようです。

今回は、公立の保育士になるための公務員試験の内容や試験対策などについてご紹介します。保育士志望者必見です!

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公立保育園の保育士とは?

公立の保育園に勤める保育士とは、公務員試験に合格した保育士資格取得者であり、公務員保育士と呼ばれています。

保育士であり、同時に地方公務員でもあるということです。公務員ですから、毎年給料が上がるなど、収入面での安定度があり、公立保育園への就職を希望する人が多いようです。

公務員保育士として働くためには、自治体による公務員試験に合格することが必要です。公務員試験のほかに、もちろん地方自治体で保育士採用試験を受けて保育士資格を取得していることが条件となります。

また、公務員保育士の試験に合格しでも、すぐに働けるということではなく、採用候補者の一人として登録されることになります。その後、対象エリアの公立保育園に欠員が出たら、その補充として、施設側から採用の申し出があって、初めて採用となります。

公立保育士が活躍する場所は?

公立保育士の場合、指定の保育園に応募して働くのとは大きく異なり、自治体の管轄内にあるいずれかの児童福祉施設で保育士として勤務します。

児童福祉施設といっても実際にどのようなところに配属されているのでしょうか。

公立保育士の勤務先として、以下のような場所が挙げられます。

●保育園
●認定こども園
●乳児院
●保健センター
●児童発達支援センター
●児童養護施設
●母子生活支援施設
●子育て世代包括支援センター
●障害児福祉施設
●児童厚生施設(児童館など)

このほかにも、現場ではなく保育士の加配や入所事務などの保育運営や児童福祉全般を扱う統括的な事務方の部職配属される可能性もあります。

このような場所への配属は、待機児童問題などの地域全体が抱える課題に対する、保育士視点での取り組みが期待されるでしょう。

年齢制限があるので注意!

気を付けたいのが、年齢制限。公立の保育園に採用されるための試験は、前でも言ったように各自治体が行う公務員試験です。そのため、年齢制限があります。

自治体によってこの年齢制限は異なりますので、必ず事前に自治体に確認しておくようにしましょう。

28歳で受けようとしたら制限が27歳だった…!なんてことがないように!

私立保育士との違いは?

運営元が違う

公立保育園とは、地方自治体が運営する認可保育園のことです。

厳しい基準をクリアしていて、どの園も質は一定なので、安定した保育を行っています。

一方、私立保育園は国の基準を満たした認可保育園とそれ以外の認可外保育園とで分かれます。運営元も社会福祉法人や学校法人、NPO法人、株式法人など様々なものが挙げられます。営利法人が運営しているものも多く、ニーズに合わせて豊富な施設形態を取っているのが特徴的です。

保育内容

公立保育士と私立保育士は運営元や採用過程は異なりますが、業務内容は基本的に同じです。

しかし、公立保育士は配属先は自治体によって割り振られるので、必ずしも保育所になるとは限りません。

保育所以外にも様々な場所に配属されるので、保育士とは違う業務を行う事になる可能性も十分にあります。

働き方

公立保育士の働き方

福利厚生が充実

地方公務員としての採用となるため、地方公務員と同様の福利厚生を受けることができます。そのため、 産休育休や介護休暇などが充実しており、女性の多い保育士さんにとって大きなメリットとなります。

また、 有給休暇もちゃんと消化することができるのも嬉しいですね。

勤務時間が決まっている

園や担当するクラスによって早朝出勤や残業が必要になることもありますが、 基本的に定時で帰ることができます

しかし、最近では公立保育園でも延長保育を取り入れている園が増えてきているので、20時過ぎまで働く可能性もあります。

昇給・ボーナスがしっかりしている

地方公務員という扱いなので ボーナスもしっかり出ます。加えて、定期的に昇給もあり、 年数が長いほど給与は高くなっていきます。

そのため、公立保育園ではベテラン保育士さんが多いのも特徴です。

私立保育士さんと比べると、昇給制度がしっかりしている分、数年後の給料に差が出てきます。

異動がある

地方公務員扱いであるため、だいたい 3年周期で異動になる可能性があります

しかし、異動先は同じ自治体内なので遠い場所に赴任することになる等といったことはないので安心してください。

また、保育士として働いていたとしても異動先がまた保育園とも限らないということを頭に入れて置くとよいでしょう。

私立保育士の働き方

求人が豊富にある

公立保育士の求人は年に1回程度です。補充の必要が無ければそもそも募集が無いこともあります。自治体によっては採用人数も数人で非常に少なく募集倍率が高くなることも多々あるようです。

一方、私立保育園は 年間を通して様々な保育園で求人が出されています

また、施設形態が豊富で小規模保育や企業内保育といった様々な園があります。

自分のやりたい保育に合わせた働き方を見つけられるのは私立保育園のメリットといえます。

残業が多いところもある

保育園での勤務時間は原則8時間ですが、残業や持ち帰り仕事が多くあり問題視されている園も多くあります。しかし、中には残業を減らすために積極的に取り組んでいる園もあります。

園を選ぶ際は、残業時間や業務量についてしっかり調べるようにしましょう。

給与等は園によって差がある

私立保育園にもボーナスや昇給の仕組みがしっかりと決められている園もあります。最近では、保育士不足が問題視されているので人材確保のために待遇や福利厚生を改善する園も増えてきています。

園独自の福利厚生の制度を取り入れて好待遇な所もあるので、雇用条件をしっかりとチェックしましょう。

保育園ごとに個性がある

私立保育園では、園ごとに様々な取り組みをしており、イベントや行事に力を入れている所や、教育に力を入れている所など、園によって保育方針が大きく異なるのが特徴です。

色々なことにチャレンジしやすい環境が整っている園も多いので、 公立保育園より自由な保育を行えます

公立保育士は地方公務員

公立保育園で働く保育士さんは、地方公務員という扱いになります。

そのため、保育士資格を取得した上で地方公務員の採用試験にも合格しなければ公立保育士にはなれません。

採用試験の時期や詳細は各自治体で異なりますが、基本的には翌年4月採用保育士を4月頃に募集し、5,6月頃から1次試験を開始するところが多いでしょう。

採用試験の詳細は次の章で説明します!

公立保育園の保育士の試験科目・内容は?

公務員保育士の採用試験は、具体的にはどのような内容なのでしょうか?(これがすべてではないので、必ずお住いの自治体の募集要項を確認してくださいね!)

試験は1次と2次に分かれており、1次試験の合格者が2次試験に進みます。

①1次試験:筆記試験

  • 教養試験:高校卒業程度
    5科目(国語、数学、英語、理科、社会)と現代文、物理、化学、政治、経済など
  • 専門試験:保育養成学校で学んだ分野
    保育の学校で学んでない現役の学生や受験生は、過去問題を勉強して対応します。

②2次試験:面接(口述試験)、実技(ピアノなど)

面接のほかに、適性試験や小論文(作文)を実施するところ、また実技試験(ピアノ演奏など)を実施する場合もあります。

実はかなり厳しい?試験の難易度・倍率

公務員保育士の募集は、欠員が出て補充が必要な場合に募集があるので、毎年募集があるとは限りません。1~2名の募集に対して、受験者が40~50名ということもあります。

したがって、公務員保育士の試験の倍率は、自治体によって差がかなりあり、倍率が高いところでは、20倍近くの倍率の自治体もあります。公立保育士の試験の難易度はかなり高く、狭き門といえるでしょう。

平成30年度公務員試験結果一覧によると、高い倍率の自治体は小田原市、茅ヶ崎市で、それぞれ15.2倍、12.3倍でした。

参考:平成30年度 公務員試験 試験結果一覧(保育)

公立保育士の試験日程は?

多くの場合、自治体により4月ごろに募集が行なわれ、一次試験が5、6月ごろに行われる自治体が多いようですが、時期は自治体によりさまざまです。

3月に募集をかけて、4月に試験を行うところもあれば、8月に募集があるところもあります。希望の自治体があれば、早めに募集時期を確認しておくとよいでしょう。

例えば、2021年度の東京都江東区の試験日程は、郵送かインターネットでの試験申し込みの場合は7月1日~7月30日が願書受付け期間で、持参の場合は8月2日までです。筆記試験は8月22日に行われます。

参照: 保育士の公務員試験日程一覧(2021年)

公立保育士になるための試験対策・勉強法

・教養試験:過去問を念入りに!

一般的な公務員試験ですから、出題内容は中学から高校まで勉強した内容が幅広く出題されます。社会でも、世界史、日本史、政治経済など広範囲にわたるため、どこにポイントを置いて勉強していいか途方にくれるかもしれません。

そこで、役立つのが、自治体の過去問です。過去問で出題傾向をつかみ、ポイントを絞って勉強すると良いでしょう。

さらに、時間と予算に余裕のある方は、公務員試験専用の民間学校に通うことも検討されてはいかがでしょうか?

・専門試験

専門分野の試験では、基本的には、保育原理など一般の保育士資格試験とほぼ同じような分野からの出題となります。

しかし、保育と関連のあまりない内容を出題する自治体もありますので、過去問に目を通す程度にして、教養試験の方に時間を多く取ることをおすすめします。

・小論文

自治体により小論文があるところもあります。テーマは、保育や人物、知識など。原稿用紙2~3枚程度です、過去に出題されたテーマを調べておきましょう。

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・面接

二次試験では、面接に重点が置かれます。笑顔でハキハキとして答えることを心がけましょう。あらかじめ予想される質問に対する答えを用意しておくと、当日慌てずに済みます。

保育士試験の面接でよく聞かれる質問は、「なぜ保育士を目指しているのか」「こういう場面であなたはどう対応しますか」などの内容が多いです。

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公務員試験の対策講座を使う

公務員試験に合格するためには対策講座を利用するのがおすすめです。各予備校が公務員試験の対策講座を開講しています。公務員試験の対策講座の中でもオンラインで開講している予備校を選ぶと良いでしょう。オンライン講座のメリットは、場所や時間を選ぶことが無く受講することが可能です。どの講座でもオンラインであっても個別指導などのフォローもありますよ。公務員試験対策の中でもアガルートの公務員試験対策講座はスマホやタブレットでも受講できるのでおすすめでしょう。また、倍速再生も出来るので忙しい方にもぴったりですね。オリジナルテキストも充実しています。

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合格の目安は?

公務員試験の一次試験では何点以上というような合格基準はなく、得点の上位者から二次試験で選考するために必要な人数が合格していきます。

合格の目安として、一次試験では、およそ65%~70%以上の得点は必要となるでしょう。

倍率が高い自治体ではより高い得点が必要です。本番の試験で力を出し切れるように、試験対策をしっかりして臨んでください。

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